怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

起きてシャワーを浴びる。

だらだらしてると、泊り客のライダーらしき人が麦茶をくれた。バイク乗りはだいたい親切だし、見ず知らずに軽く声をかけてくる。なんせ喉が乾くのでありがたくいただいた。

出発。早くも炎天下、歩いて石川県立美術館で「没後35年 鴨居玲展 -静止した刻-」。金沢はゆかりの地とかで、5年ごとに回顧展をやっているらしい。入館料はPayPayで払った。

展示は初期から没するまでまんべんなく作品を集め、またいいものが多くて思った以上に見がいがある。長年の積み重ねがあるからこその展覧会ということだろう。パッション溢れる初期の作品が好きなのだが、描けなくなったと苦悩していた晩年の作品がまたよい。描けなくなったというのは、理想が高いが故の苦悩で、良い作品が描けなかったわけではないのだ。あと、日動の社長夫人の肖像が美人であった。

予想以上に時間がかかり、今度は西茶屋街方面へ行き、クックという店でかなり遅めの昼食。かなり古びて清潔感のない店だが、メニューやらなにやらが面白い。遅い時間でも途切れず客が来る。量もたっぷりで満腹になった。

近くのスーパーでカレーのチャンピオンのレトルトを買う。

西茶屋街を通り抜け、西金沢駅へ向かう。思ったより遠いし暑いしでうんざりした。そんなに面白い道でもなかったし。

加賀温泉駅で降り、大観音を目指す。裏道みたいなところに着いてしまい、歩いてたら裏口みたいなところから入ることになった。入れたから別にいいけど。

ここは30年ほど前に観光目的で建てられた寺院のようで、当時はこういうものでも観光客が押しかけてきていたのかどうなのか。まあルーブル彫刻美術館みたいなもんか。今は雑草が生えひと気のない寺院だが、いちおう中に入れるだけに怖さもある。ギリギリの維持はしてるっぽいようだが、基本的に電気はつかない。そりゃそうか。

裏口の方には従業員寮の跡なんかもあるし、往時は相当なものだったんだろう。表にまわってみると、どうやらホテルも併設されていたらしい。ていうか、ホテルが本業なのかな。ホテルのほうは朽ち果てるというほどではなく、ほどほどに原型をとどめている。地下のコウモリにはびっくりしたが、まあ探検というほどのものでもない。

トイレに行きたくてしょうがなかったが、当然トイレなんかないのでそこらでしました。すいません。

帰りは表側にまわったけど、山の中ではなくて普通に住宅地の傍に建っていて、自分ちの近くにこういうのがあるって変な気持ちだろうな。よくわからない。

鯖江へ。着いたのは7時ごろだったけど、すでに夜の雰囲気で、駅前は人も車もない。静かなもんだ。商店街を通り抜けたが、飲み食いできそうな店も仕舞いかけなので入ろうにも入れない。遅くまでやってそうな店が見当たらない。幹線道路沿いにはさすがにファミレスか何かはあるんだろうが、それしかなさそうだ。なかなか難儀だ。メガネの街というからもう少しはにぎわいもあるのかと思っていたが。

鯖江ティーホテルへ。古いが立派な建物で、ホテルマンがちゃんといる。普段の僕には考えられないホテルだ。部屋も古いが立派な部屋で、僕には十分すぎる。

シャワー浴びて散歩へ。

探しても飲食店は、なさそうなので、スーパーハニーという地元スーパーで半額惣菜とビール、ついでに地元お菓子を買い、公園で食べる。スーパーですら人がいない。レジの女の子も暇そうだ。みんなどこにいるんだ。

公園も暗い。これは気が滅入る。いやほんと、ここには俺しかいないのかという気持ちになる。

散歩して別の大型スーパーに行くが、ここも人がいない。閑散というと多少は人がいるような表現になるが、ほんとにいないのだ。レジに二人、客はぼくともうひとり。これが野球場くらいの大きさのスーパーの光景なんだから、どうかしてる。どういうことだよこれ。

住宅街を歩くと、ピアノを練習している音が聞こえてきた。じっと聞き入る。文字にするとそれだけのことだが、そういうのが好きなんだ。なにかが心に入ってきたような気持ちになる。

ホテルに帰る間際、宗教の勧誘にあったが、もうちょっと人の多いところでやれよほんと。

部屋に戻り寝る。