怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

高雄の旅・4日目

寝不足とはいえまあまあの寝起き。とりあえず果貿来来豆漿まで歩く。途中でなにかの儀式を見物したりなどしながら着いたらなるほど大人気。大人気だが並ぶというよりは群がってる雰囲気で、肉まんが出来るのを待ち出来上がって置かれたらわっと取り会計列に並んでお金を払う。それだけ。湯包はさすがの美味しさ。レベルが違う。初日に食べた阿明とは段違い。韮の湯包もいいけど、ここはやっぱり肉。豆漿は普通。ていうか違いがわからん。
バス停からバスで高雄市立美術館へ。バスに乗るのは昔は大変だったけど、Wi-Fiさえあれば今はGoogleマップで簡単。いいような悪いようなだけど。
降り際になって気づいたが、座席の下にUSBポートが付いている。僕のiPhoneもだんだんバッテリーが持たなくなってきているうえに地図をかなり使うので消耗が激しく、そこにポケットルーターの充電まで必要になってきているので結構大変。最終的にはなんとかなるとしても、気を使う必要はあるので、ここで数パーセントでも充電できるとよかった。しかし台湾のインフラって進んでるな。
高雄美術館のある公園前に到着。公園を少し歩くと美術館。今は「Nude」展をやっている。ちょっと前に横浜美術館でやっていたものなのでありがたみが少ないが、まあ美術館には行っておきたいし。280元というチケット代は日本よりは安いが、台湾の物価を考えると高価な方だろう。解説はあまり読めないかもしれないが、まあテートの良作をまてめて見る機会と思えばそれでいい。割り切って展示を見て回った。もちろん作品の水準は高い。この作品群を巡回で長期間貸し出してもいいのかと思うほど。そして展示の構成もわかりやすく、漢字と英語の解説を見なくてもいいくらい。横浜美術館の展示は見ていないが、こうして見逃さずに済んだのはラッキーだった。図録は高価だし重いしなにより中国語なので購入は見送ったが、簡易なリーフレットは安価に購入出来たのでお土産にした。今日が展示最終日なのでマグカップなども少し値下げしていた。僕は途中退場したのだが、再入場用のスタンプを「裸」と腕に押されたのには笑ってしまった。係のおばちゃんもニヤニヤ満足そう。
上の階はコレクション展や小ギャラリーになっていたので簡単に見てまわる。
カフェの片隅に過去の図録などは置いていたが、美術館のオリジナルグッズは特に無い模様。
公園を歩いて出て、蚤の市まで。美術館の近くは高級住宅地のようで、豪華マンションがポツポツ立っている。広さは100坪前後のようで、話には聞いていたが日本のようなせせこましいマンションではないようだ。ただ、僕はそんな富裕層にも高級住宅地にも関心がなく、蚤の市で汚らしい古物を掘り出したいだけだ。
というわけで蚤の市到着。ずいぶん暑かったので日陰に入れてホッとする。
蚤の市は結構広く、そしてプロっぽい。掘り出し物はものはないだろう。実際なかった。もちろん良さそうなものはあったが、値段を聞くのも無駄な気がして。僕はそういうのじゃないんだ。誰かにとってのいらないものを、僕が再定義したいんだ。
面白かったのは、真ん中あたりでやってるセリかな。おっさんが今初めて見たモノをまくしたててセリにかける光景はちょっと見もの。
ひと気のない大きめの文具店なんかにも入りつつ、歩いて超好市場へ。そういうスーパーなのか場所柄か、わりと高級品ばかり並んでいた。茶葉梅のみ購入。
バスで駅まで行きMRTで一旦ホテルに帰る。そういえばもう明日は帰国なので、お土産や買い物は今日のうちに済ませておきたい。そういえば呉寶春麥方店にも行かなきゃ。いやその前にお昼ごはん。
台湾では食べたいものだらけだけど、滞在日数の範囲でしか食べられない。それに僕も少食になった。昔ならもっと食べられたのに、残念でならない。
お昼は阿霞燒肉飯にした。ここも営業の終わる少し前に滑りこみ。これがまた美味しかった。甘辛く焼いた肉と細かく刻んだバラ肉の煮込みが最高。妻は大好きだろうな。
さらっと平らげて、呉寶春麥方店の方角へ。結構遠いが歩くしかないし、歩くのが楽しいからそれでいい。途中、地元系のスーパーが数軒。大手チェーンに押されてかお客さんはほとんどいないけど、チェーン店がのさばる台湾は見たくない。こういうとこで何か買わないといけない。地瓜酥というお菓子がお土産に良さそうだけど、少しかさばるので先送りにして呉寶春麥方店へ。店前には少し行列はあったがほどなく中へ。お目当ての荔枝玫瑰麵包は店奥に恭しく鎮座している。入店には少し時間がかかるとしても、予約までする必要はなさそうなので今日は手ぶらで引き上げるがちゃっかり試食は頂く。まあ美味しいね。しかしさっきの燒肉飯と比べると高価なパンだこと。
帰りに地瓜酥を買い込み、ホテルに置いてから再び藝術特区方面へ。
今日は藝術特区から攻めたが、なんか洒落た店が並んでるだけなのでどうってことない。どこが藝術だよ。通りに出てる店で250元で小銭財布を買った。
iPhoneの充電をしようと思ったところでケーブルを忘れてきたことに気がついた。ホテルでわずかな時間に充電しようとしたのが間違いだった。ケーブルをコンビニで買うしかないか。無駄な出費だがホテルに戻る無駄な時間よりはマシだろう。
あとは再び鉄道公園で凧揚げをずうっと見ている。だんだん暗くなってゆく空、舞う凧。見飽きない。平和。幸せな時間。
よくわからないけど、こういう時間はいつでもどこでも持てるようでいて、台東でのストリートライブと同じく、これもまた旅先だからこそのマジックなのだと思う。僕はこういうひと時のために飛行機に乗ったし、こうして目的を果たしたのだと思う。ガイドブックに載ってる観光地に行くことでは得られないものが今僕の中にある。
だいぶ暗くなってから腰を上げ、そろそろiPhoneも心細くなったのでコンビニへ向かったところ、ケーブルらしきものが見当たらない。そんなもんだっけ?台湾のコンビニは日本のそれとは少し違っているようだし、携帯の充電事情も違うのかもしれない。日本なら100均を探すところだが、それっぽいのは台東で見た10元ショップくらい。おしゃれなやつなら誠品書店とかで売ってるけど、そういうのは別に。今日はこれから夜市に行く予定で、夜市やその周辺で売ってればいいが、無かったら結構大変なので、仕方なく一度ホテルに戻ることに。ああめんどくさい。
しかしその前に空腹を満たすべく小籠包。永和小籠湯包というお店へ。今回もまた閉店間際なのだが、薄暗い通りの軒先で営業しているお店に先客は二人。うら寂しいし主人がけっこうなお爺さんで、雰囲気がすごい。ブレードランナーか。1籠かと聞かれ1籠だと答えてから爺ちゃんが蒸し始めて数分、出された小籠包がまた美味い。こういう店先で食べる美味さというのは台湾ならではだろう。観光客も相当来てるだろうに、こういう時間帯にこの雰囲気で食べられたのは本当にラッキーだった。もしまた来れたら、こういう時間帯を狙おう。
腹を満たして駅の周囲の電気屋なんかにも行ったけど、簡易な充電用ケーブルはどうも見当たらない。正規品の1000円以上する奴ならあるけどさ。もういいや。探す時間がもったいない。ホテルに戻ってまた出かける。
今日の夜市は瑞豐夜市。駅から少し歩くが、着いてみるとかなりの活気で、六合夜市よりよほど良さそうだ。お客さんも観光客率が低い。お店もバラエティ豊か。あっちに2回行くよりこっちに来たほうがよかった。
通路が狭いので、食べるときにせせこましいけど、うろうろして食べたのがレモンジュースと石頭餅だけなのでそう問題はなかった。ちなみにどちらも美味しかった。今度来たらまた是非。
最後に近所のカルフールに寄ったが店が小さくて何も買えず。
荷物の関係上今日のうちにお土産をほとんど買っておかなくてはいけないので、結局またカルフールへ。
もう10時で寂しい感じだが、売り場を歩いてカゴにあれこれ放り込む。以前と違って、ひとつひとつの値段はそんなに気にせずにただ美味しいか役に立つかを優先しているのは大きな進歩だろう。こんなとこでケチケチしてはいけないとやっとわかった。買ったのは高級そうなラー油、一番搾りごま油、紅葱醤、維力醤、魯肉飯の缶詰、意麺など。
ちょっと足りないものもあるが、それは明日の課題としてとりあえず買い物も完了。駅へ戻る。
少し空腹感はあるが、この時間はどこも開いてないのでひたすら駅へ。駅の近くで静かに痴話喧嘩してるカップルもいいもんだ。僕もあんな時代があったんだけどな。台湾の若者に幸あれ。
ホテルに戻り、あとはちょっとだけ荷物の整理。思った以上に量が多いというよりバッグが小さい、。パンパン。スーパーで即席麺とか買おうとしてたけど買わなくてよかった。もう無理。明日のパンも厳しいくらいだ。でも悔いは残したくない。詰め込めるだけ詰め込みたいし、お茶は買っておきたいし。
今日は熟睡。