怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

起きてシャワー浴びて支度。シャワー室はガラガラ。ゴミ箱はいっぱい。静まりかえったホテル、安く泊めてもらったお詫びに、できるだけ手間をかけないよう、気を使って部屋を出る。

物販スペースの片隅には賞味期限が今日のフードがある。こんなはずではなかったんだろう。帰りに応援の意味で買う。

ふらふら歩いて駅へ。モーニングを食べられそうなところは結局見つからなかったし、次に降りる予定の小松ではもうモーニングの時間でもなさそうなので、百番街のおにぎり屋で2つ。あと、お土産用に飴を。

小松で下車。安宅の関が近いそうで、歌舞伎の街を称している。ここもきれいに区画整理されたつまらない駅前だ。ぶらぶら歩き、目についた郵便局でミニレターを買う。人気の職場なのか、不釣り合いなほど若い女性が数人働いている。街をぶらぶら歩くと、閉めた店と閉めそうな店が並んでいる。海が近いせいか、それともやっと暖かくなってきたせいか、街は妙に明るい。明るいがやはり人はいない。住宅街としか見えないところにモンプチという喫茶店があり、コーヒーで休憩する。広めの店に客は僕一人。志村けんの話が出る。コーヒーは500円、思ったより立派な値段だが、どうも街の喫茶店というより別の種類のお店なのかもしれない。

駅から今度は福井へ。

福井駅前で恐竜が動き出すところを待ち構えて動画を撮り、続いては王朝喫茶寛山でランチ。1時すぎとはいえ先客ひとり。かなり広大なスペースだから冷暖房費も相当かさむだろうが、大丈夫なのか。昔の日本人が考えた立派な西洋というものを体現するかのような、考証など一切ない内装が素敵だ。金をかけるのに理由なんて必要なかった時代の遺産だ。

ぶらぶら歩く。

そうだ日本酒を買おうと目についた薄暗い酒屋に入る。だが商品らしいものはろくに見当たらない。奥の方で年老いた主人が、えへへ、いいんですよいいんですよと申し訳なさそうに呟く。飲屋街あたりではあるが近くに大手チェーンができて商売にならなくなり蔵元からも仕入れが難しくなってしまったのかもしれない。申し訳ないとは思うが、買えるものがないのではしかたない。

いろいろと歩き尽くし、駅に戻り、今度は敦賀へ。

敦賀は駅を出ると見るからに寂れた街が広がる。もとは観光向けだったのが没落したようだ。小松のように住宅街になっていないぶん、よりさびしい。平日だからというのもあるだろうが、閉めている店もあるし惰性のように開けている店もある。敦賀といえば原発だが、これでは原発に頼るしかないのもわかるし、頼らなくてもいいようにするのが政治の仕事だろうとも思う。あと、理由はわからないが銀河鉄道999関係の銅像をそこかしこで見かける。

歩いて行けそうな観光地といえば気比神宮。いろいろ歩いたあとなのでもう境内を閉めるという時刻で、簡単に参拝だけさせてもらった。かえってご利益があるような気がしてくる。

街が妙に間延びしているというか、もとは大きく栄えていたのだろうが、いまはだらだらと続く街並みを歩き、時間も迫ってきたので酒屋で黒龍という日本酒を買う。ご当地だから高価な珍しいものも置いているのだろうが、そこは分をわきまえて。2000円弱で十分だ。

エフレというスーパーで小鯛とかたぱんとフジバーグを買う。このフジバーグという謎の食べ物、車内で一口食べたらべらぼうに美味かった。貪るように食べた。

あとは新快速で帰るだけ。旅の帰りは名残惜しいというより早く帰りたくなるから不思議だ。