怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

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妻と天王寺動物園へ。10年ぶりだ。
前回は天王寺側からだったが、今度は新世界側から。まず新世界商店街の入り口にある肉のさかもとでヘレカツサンドを買う。コロッケも2つ。ヘレカツサンドは安いほうにしたが、結果的にこれで充分だった。厚いビーフカツは柔らかくて挽肉かと思うほどだった。揚げ物を注文する買うひとばかりでサンドや肉を買ってる客は見ないが、日曜の昼ははそんなものなのだろう。新世界商店街では今日はなにかイベントをやってるようで、ちょっと賑やか。とはいえ、この作りものの賑わいは少し虚しい。商店街ってそういうものじゃないだろう。
新世界を通り抜けて、動物園の入り口近くにある酒屋でビールを買い、意気揚々と園に入ろうとしたところ、ビールを飲んではいけませんとのこと。預かられても仕方ないところだが、お小言だけで済んだ。場所柄、歯止めがなければいけないのだろう。新世界はそういうとこだ。だった。今は観光客が闊歩し、新世界らしい店々は場違いなように息を潜めている。これでいいのか。いいってことなんだろう。僕は何を言う資格もない。考えるのはやめよう。
動物園はなにか特別なものを見にきたわけじゃなく、ただ目の前に生き物がいればいい。パンダなんて邪道ですよ。
ぶらぶらと、最適コースなんて考えることもなくうろうろする。
哀しい眼をしてうつむく野間馬、澱んだ水に浮かぶ亀、梢の先に佇むオランウータン、ぷるぷる震えるペンギン。檻の中で一生を過ごすことを受け入れ諦めた動物たちよ。
妻と笑顔になれるのはいいが、頭の片隅にはいつも自分がとんでもない虐待をしているのだという事実が消えない。消えないけれども、この時間が完全に娯楽として成立していることも事実で、両義性に引き裂かれそうだが妻は無邪気に楽しんでくれている。いいことだ。
ぶらぶらと楽しんで、そろそろいい時間なので動物園のそばにあるバインミー・ヴィエットナムへ。フリーペーパーで見かけて立ち寄ったのだが、立地場所はいちおう新世界とはいえ観光客が全く来ない場所にあり、先行きは心配。しかしベトナム人のコミュニティ的な機能も果たしているのか、1人で充分だろうに2人いる店員と客か店員かわからない女の子が2人。儲からなくてもそれなりに続いていきそうな雰囲気がある。ベトナムコーヒーとパクチー抜きバインミーとチェーを注文し、店員さんは忙しくもないのにうっかりパクチーを入れてしまったりとなかなかの素人っぽくてそれもいい。そしてさだが、なるほど味は美味しい。ベトナムで食べたのより美味しいと思うほどだ。材料をどうしてるのか知らないが、普通に買えるようなものじゃないし、ましてバランスを取るのは無理。いいものを食べた。帰るはずはないベトナムコーヒーもチェーも、あの暑さを思い出させてくれる。材料をどうしてるのか知らないが、普通に買えるようなものじゃないし、チェーなんてあのクセのある材料で味のましてバランスを取るのは日本人には無理。いいものを食べた。
せっかく着てきたGINKGOのTシャツが注目されず残念だったが、新世界で変に串カツだの食べるよりよほどいい。これからも適当にがんばってくれ。
開場後まもないPAXに到着。ここもバインミーはやってるが、おしゃれすぎて食べる気がしない。あれは日常食なんだからさ。そういう変なオシャレ感はが嫌いなんだよ。レコジャケ飾ったりとかさ。
the cavesのソロ。初見なのでバンド形態が想像できないが、見た感じと声が大幅に違ってた。
谷健人はギター弾き語り。。superfriendsのカバーをもやったり、ギターもボーカルもなかなかうまい。トークも如才なくて、そのソツのなさが欠点といえば欠点か。もっと破綻してる方が面白いんだよなあ。いや、いいんだけど。
トリは園部信教。いままでの園部さんはミュージシャンとしてのキャラクターに縛られているようなところもあった気がしていたが、今日はところもわりとアーティストとしてのリラックスして等身大のライブだったような気がする。その方がいい。どこかひと皮むけたのではないかと思わせる。
終演後帰宅。夫婦で楽しいお出かけでした。