怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

目覚ましが鳴る前に起床。いい調子だ。

いい感じでアーモンドでモーニングを食べる。地下ということもあり煙草臭いのは欠点だが、ボリュームはあるし少ししょぼくれた雰囲気は僕の好み。定宿が定宿である限りは行くだろう。

今日はまず西洋美術館の松方コレクション展。平日でも開館前に当たり前のように行列ができており、さほど派手でもない展覧会でこれかと思うと東京の鑑賞環境がひどいものだと改めて実感する。

松方コレクションは倉庫火災や恐慌での売り立て散逸、戦後の没収があってそもそもまとまっているわけではないものを今回借用などして再会させたもののようだ。コレクションには友人作家のものが多数含まれていたようで、見たところそれらは大したものではない。ただ、眼力で買い付けた作品たちは相当な水準で、個人コレクションの域を超えている。どれを見ても素晴らしい。それが延々と続くに至っては目眩がする。まさかこれほどのボリュームとは思ってなかった。最後にルーブルの倉庫から発見されたというモネの睡蓮があったが、これ修復する必要あったかな。現在の技術で最大限復元してこれなら、もう破棄処分でよかったのでは。その労力は別の作品に使ってほしかった。常設では、最近購入したというクラナッハのユディト。ウィーンのものに比べればもちろん劣るが、しかし本物のクラナッハ本物のユディトである。善哉。

続いて東京都美術館クリムト展。平日だというのに30分待ちの表示だったが20分弱で入れた。まあ結局混んでるんだけど。中にはお前ほんとにクリムト見たいのかよという連中が大量におり、あれさえ排除したらストレスなく見れるんだけどな。でも物販で金使ってくれるのも彼らだから、粗略にはできない。まわりまわって僕のためでもある方々だから仕方ない。

ユディトIやヌーダ・ヴェリタスなど目玉はさすがだし、ベートーヴェン・フリーズは複製とはいえスケール感を再現できているからなにしろ圧倒される。それ以外でも佳品数点あって、まあ見に来てよかった。豊田市美術館でもどうせ混んでるだろうし。

さすがに空腹で、急ぎ足で東京芸大のキャッスル食堂に駆け込む。意外なほどこじんまりしているのはやはり学生数が少ないからだろうか。3時前なので学生さんもポツポツいるだけ。気兼ねなく利用できる。藝大だからハイソなお嬢さんたち向けのお洒落な食堂かと思えばそんなことはなく、ごく普通の学生向け食餌供給所だった。いろいろ来てみるものだな。

満たされたところでスカイザバスハウスで横尾忠則。横尾だからすべて許される仕組みで、作品の出来不出来はもはやどうでもいい。

向かいの古書木兎はざっと見ただけ。良書がたくさんなので、じっくり見甲斐のある棚だ。

今日は結局行きたいライブがないので、アート鑑賞に充てる。

ガーディアン・ガーデンの西川©友美「dou?」。さらっとしたものだが、なにせ度胸があるし色づかいといい構成といい、非凡さの塊のような人だ。要注目。

SH ART PROJECTで仲衿香。ネットで見てなんとなく気になったのだが、なんとなくどころではない。ロゴ(看板)を絵にするというと面白さが伝わらないのだが、絵の具の質感を最大限生かしてロゴを絵画たらしめているのがいいのだ。これはすごいよ。まだかなり若い作家のようで、今後が楽しみ。あと、すごくどうでもいいけど、ギャラリーの方がすごく美人であったことも特筆しておきたい。

夜は恵比寿の東京都写真美術館宮本隆司とコレクション展。悪くはないけどそれほどでもなかったかな。夜なので人が少ないのはよかった。

20時までかかるつもりが早めに見終わったので、ほかにも回ろうということで、表参道のルイヴィトンへ。一旦中目黒に出て戻るルートを発見したのはいいが、電車を乗り間違えたから何やってんだ。

時間を無駄にしてヴィトンにたどり着き、ボルタンスキー。展示は例の風鈴。自然光を使ったスペースだから、夕方ごろに行くほうがよさそう。夜は暗すぎて雰囲気が出ない。

次は渋谷の古ビルでやってる408302というギャラリー。

取材が入っていてろくに見れなかったが、この取り壊し寸前の古ビルになかなか味があり、来てよかった。こういうとこは怪しげなテナントや住人の巣窟になっていることが多く、うかつに入りにくいので、堂々とした理由で入れるのはいいことだ。今は退去したテナントも多そう。

最後にFL田SHでコンタクトゴンゾ。ゴンゾを写真で見たところで、てなもんだが、過去の展示からzineを1冊購入。たまたま大阪出身というひとが遊びに来てたので、大阪談義アート談義に花が咲いた。けっこう、楽しかった。

新橋の岡むら屋で肉めし食べて宿へ。

ライブ行かない日でも遅くまでそこそこ動き回ってなかなかぐったりだ。でもライブに行かないとなんだか寂しいな。