怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

茨城東京3

風呂に入って弁当を押し込む。重い。朝からまるまる弁当など食べるものではない。そうでなくても、昨夜遅く飲んでるのに。
埼玉県立近代美術館「阿部展也ーあくなき越境者」展を目指したのだが、乗り換えを間違えてしまい、開館後の到着になってしまった。昨日一昨日はノーミスだったが、さすがに疲れが出てきたのか。
展示は初期から晩年に至る作風の変遷を丹念にたどるもので、実は圧倒的に最初期の作風、つまり瀧口修造とのコラボレーションによる「妖精の距離」が好みである。最初期を褒めてしまうとその後はいったいどうなんだということにもなる。これは僕の想像になってしまうが、若い時期に大家に引き出された果実が出世作にして代表作になってしまったがために、その時代を超克したいという思いに駆られ続けたのではないだろうか。惜しむべし。
実はここには中銀カプセルタワーの一室が展示されているということを数度目の訪問にしてようやく知り、公園の隅っこに行ってみるとなるほど草むらの中にぽつんと置かれている。小ぶりのコンテナほどの大きさで、ベッドとバスルームとわずかな居住スペースがその全てだ。保存状態は良好で、真新しいといってもいいほど。しげしげと眺めていても、ここでは洋服も本もろくに置けそうにない。娯楽はテレビとラジオ、そして電話機。どこかにトランクルームを借りても、まともな生活は送れそうにないが、しかしもしそれができるなら、それはそれで面白い人生かもしれない。そして、テレビもラジオも電話も本も音楽も、今ではiPadひとつで事足りる。今なら黒川紀章の理念は現実に接近しているのかもしれない。
そして初訪問のディスクユニオン北浦和店。だだっぴろい店だが品揃えは魅力に欠け、まあそれでも半券割があることだしVIDEOTAPE MUSIC「世界各国の夜」1150円。
池袋からメトロに乗り換え江戸川橋へ。ようやく空腹を覚えてきたところに、前から気になっていたセキグチというパン屋で塩パンやメロンパンを買い、イートインで食す。まあまあの味。阪神間のパンを食べつけていればさほどでもないが、東京ではまず上々の出来かもしれない。目を引いたのは自動レジで、係りがレジを打ち込むと客がお金を入れて精算するという仕組み。衛生面とか言い訳していたが、そういう言い訳はみっともないので堂々と導入すればよい。イートインは什器こそ簡素だが十分な広さがあって、なかなか賑わっていた。
Sprout Curationで大久保あり「私はこの世界を司る あなたは宇宙に存在する要素」展。手の込んだ造りこみとコンセプトの面白さが素晴らしい。僕が金持ちならその着想にぽんと金を出すところだが、あいにく僕は僕だ。ポスターを買ったのみである。すまん。
久しぶりの清澄白河無人島プロダクション八木良太「MUSIC FOR LAZY SUSAN」。八木さんらしい作品が並ぶが、衝撃的だったのが「Euler’s Disk」。回転する物体が放つ強烈なノイズとシャープでクールな幕切れ。このカッコよさは想像以上だった。
そろそろスケジュールにも余裕が出てきたので、ついでに古本屋にもと思ったが、休みの店もあって収穫はなし。
ただ、たまたまお祭りみたいなことをやっており、ソーセージを買って食べた。暑いしビールもいいんだけどね。自重しました。
新宿に戻って、珍しく金券屋で原美のチケットを見かけたので購入。
HAGIWARA PROJECTSに行ってみたが、お休みだった。日曜は休みじゃないはずと思ったが、そういえば祝日だった。そういうことか。こんなことなら、と思ったが今更どうしようもなくICCへ。しかしここも予約制の演し物はすでに完売、たいして面白いこともなく退散する羽目になった。
そして落合soupへ。ライブは開演が早いのでColor Me Bloodは見られず。Yuki MoriyamaのDJは悪くなかった。
Kazuma Kubotaは割とストレートなノイズで、特徴的なものはあまりないけれどもなかなか悪くない。
冷泉さんは二度目。今日もエフェクターを駆使したドローンでとてもよかった。物販はなにもなく、前回いろいろ買っておけばよかったと後悔。
Phew はいつものボイスパフォーマンス。安定。
John Wiese(US) は初。シャープな振動音によるノイズだが、それも落合soupの音響とPAあってのこと。生半な会場ではこうはいかない。だからこそのこの客入りで、それだけはしんどかった。別編成含めて関西でもライブがあったので、それも行けばよかったのだが。もっとゆったりした環境で見れたのではないか。
開演が早かったので終演は遅いかと思いきや22時前に終了。
疲れた体は松の湯で癒す。前回と違って今日はバスの時間を気にする必要はないし、宿の風呂はひどいし、そして歩き回った上にライブは混み混みで、楽しみでしょうがなかった。
実際気持ちよかった。いやはや。言葉は必要ないね。
脱衣場に昔あったような大きな体重計を見かけたので載ってみると、なんと大台。思わず写真を撮った。びっくり。
外へ出て、夜風に吹かれながらオロナミンCを飲む。合計600円にも満たない贅沢、最高だな。
池袋に戻り、玉川そばで290円のかけそばを食べる。この値段にしては上々だろう。
今日はスーパーに寄らず、カプセルでただ就寝。