怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

マスク展

朝から白金台へ。初めて東京都庭園美術館へ。入り口でチケット売り場はあちらですと言われ、持っているのでスルーしてそのまま進んだのだが追いかけられた。持ってる人くらいいくらでもいるだろうに、いちいちこんなこと人手かけてやることなのだろうか。横浜美術館でも似たようなことがあったが、馬鹿な話だ。
美術館は旧朝香宮邸を改修したというアールデコの建物。こういうところにはとかく美術館にオシャレを求める気色悪い人種が集うので敬遠していたのだが、ケ・ブランリー美術館のマスク展となると行かないわけにはいかない。
入ってみるとまあ予想通りの客層で、お前らほんとにケ・ブランリー見たいのか、どうせルーブル行ってもあのアフリカオセアニアエリアは行かないんだろと言いたくもなるが、そんな毒舌は言う機会がない。
それはともかく、コレクションは素晴らしいもので僕の見覚えがあるのもちらほら。といっても同一物かどうかは判断しかねるけれども。やはりプリミティブで独自の美学が光るのはアフリカで、アジアはどうしてもなじみがあり過ぎて印象が薄くなってしまう。
普通なら元邸宅の狭苦しい展示室なんて見てられないが、ものがマスクだからその辺はぴったりだし、アールデコを背景にしたマスクたちは弱々しい華族階級を制圧したかのような勢いで存外生き生きしている。なるほど、これはいい企画だなと素直に思った。
朝香宮邸についても少し触れておくと、一般庶民から収奪した金で贅を飽かせて作り上げた代物で、なかなかの見ものではある。面白いのが男性・男児の部屋は南にあり飾りも凝っている一方、女性・女児用の部屋は北側で比較的簡素というはっきりした区別が存在すること。当時の時代背景と宮家という特殊な存在にすれば当然のことなのだろう。
新館では記録映像の上映もありなかなか興味深かった。
民芸雑貨の類も売られていたが、どこのどんな部族のものかまるで説明がないという代物だったので無視。仮にも美術展で民族学の解説をやっておきながら物販ではこれかよというあきれ果てる所業だが、まあその程度の意識しかない美術館ってことだろう。
思いのほか時間を要し慌てたのが災いして電車を乗り違える。まさか東京メトロ都営地下鉄が同じホームから発着しているとは。東京のバカすぎるインフラの犠牲になりました。
そんなわけで移転したタカイシイギャラリーに着いたのは夕方。トーマス・デマンド展はあまり頭に入らないし疲れのせいかピンとこなかった。まさか他人の紙模型をそのまま撮影するとは思わなかった。
帰宅したら夕方で、遅い昼食を取る時間でもなく、まずは先日破損したスラックスの修理を持ち込み。リフォームアミさん、心配してたけどプロの応対なので安心して任せられる。といっても元通りにはならないそうなので残念だが。
そして急いで鶏肉のカレー煮を作り始めたらカレー粉が足りないとかいろいろあってぐったり。妻には遅いと怒られるし。やれやれ。