怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

パリ3日目そして帰国の途につく

時間前起床。
荷造りというほどのこともなくチェックアウト。思えばそれも悪かった。きちんと荷造りしなければいけなかった。猫なで声のおばさんに見送られる。
近くにできてたモノプリでサックとガス水を買う。サックはパリ柄だからか1.5ユーロでびっくり。このモノプリはイートインのコーナーもあるしレジ袋はくれるしで割と日本のスーパーに近い。1号線にホームドアができラッシュ時にはホームに整理員が配置されるようになった地下鉄といい、パリと日本が同質化していってるのかもしれない。
どっかにパン屋くらいあるだろうとたかをくくり市立近代美術館へ。結局ない。このあたりは思いがけず高級住宅地のようで、そんなところでもパリなんだからパン屋くらいあるだろと思っていたのだが。スーパーに駆逐されてるのかな。こんなことならモノプリで買うんだった。結構歩き回ったけどなく、レストランとブランド店ばかりだった。空腹のまま10時。
玄関が作品搬入で塞がってて、美術館の人っぽい女に声かけて案内してもらう。カフェやショップのある横手が入り口になっているらしい。わからんがな。
特別展のダーガー以外はタダと聞いてびっくり。そういえばここ、前回は近代部門が改修かなにかで完全閉鎖されててがっかりしたのだった。
なので今回フジタやモディリアーニマチスなどを堪能。フジタ・モディリアーニ部屋の監視員が背の高い女性でファニーアルダンぽく、見とれる。
近代はまあまあ。現代部門はイマイチだがベンの作品はよかった。
ダーガーはここのコレクションからの展示のようだ。ということはABCD、ローザンヌ、ここ、あちこちに散逸しているということなのか。展示はボリューム少なめだが、よい。映像を見てて身体を傾けたらおっさんに手で払われる。無礼な。見たらいかにも変なおっさんだったので納得。
ダーガー、もちろん図録を買ったのだが作品点数は多くないくせに35ユーロもした。それにしても重い。ポスター5ユーロも購入。
さすがに空腹なのでカフェで食べることに。美術館のカフェだけどセルフだしおしゃれ感も控えめなので値段もそんなに高くない。このあとのケ・ブランリーだとたぶんもっと高いし時間もかかるだろうし、その間には飲食店はあまりなさそうだし。
ラザニアを貪り食う。
ほっとしてケ・ブランリーへ。
エッフェル塔側に渡る橋では愛の鍵とかが流行ってるようで、物売りがカップルなどに売りつけている。
そのケ・ブランリー、ここも入り口にセキュリティがいた。今はそれが当たり前のようだ。たった5年でこうも変わるものか。
にしても辛い。やはりレッドブルがないとこれか。集中できない。まあ作品ひとつひとつを見るというより雰囲気を味わう美術館とはいえ、集中力が欠けたまま見てしまい少しもったいなかった。
ショップ、ポスター悩んだが買わず。変な皿2.9ユーロだけを買う。
バスでデュロックへ。さすがにレッドブルほしいしそうでなくても喉カラカラというのに、こういうときに限って店がない。歩き回る。
やっと発見したスーパーは駅のそば。わかりにくいっつーの。しかもレッドブルはなく、オレンジ水みたいなのを一気飲み。
さてデュビュッフェ財団がない。見当たらない。普通の美術館とは違うから看板も小さかろうし建物も地味だろうとは予想していたのだが、それでも見つからない。
そういえば住所をメモしていたからそれでわかるかと写真を見たら、その番地はスーパーの隣。びっくりしてよくよく見たら小さな看板が。これは無理でしょ。よくぞ番地をメモしてたなと思う。そうでなければあきらめてた。
ここはボタンを押してオートロックを開けてもらう形式のようで、秘密っぽくてワクワクする。財団のひともとても親切。おそらく旧自宅を利用したもので、小さいながらも親密な雰囲気。ポスター欲しかったが売り切れとは残念。2階に貼ってたのは値段付いてたから、あれならあったのかもしれないが、まあいいやってことで。
帰り、ドアの開け方で数分悩む。横手にボタンがあるのを発見したが、こういうのも慣れればなんてことないんだろうが、初めてだといろいろまごつく。
角のエリックカイザーでブリオッシュナチュラルとパンオショコラを買う。2.3ユーロ?安い。有名パン屋のはずだがポールより安いとは。
急ぎマドレーヌへ。残り時間は少ない。
調べておいたマドレーヌのEMLINGでマダムに接客してもらう。言葉わかりやすいし適度にジョークを挟みフレンドリー。靴も存外上質で、これなら昨日店に入ってれば即買いだったな。日本では扱いがないので無名だけどお買い得かと思う。
次にアッパーシューズ。おっさん笑みで接客。しかし履いてみたらスーツには完全に合わないわけで、カジュアルにこの値段の靴はちょっと。たしかに見た目より履きやすいし造りの良さはわかったけど。それに、親父はベストフィットというが、僕には緩く感じたし、ちょっと適当過ぎないか。この親父からは見下す空気があるし直観的に買いたくない。たしかに店の格からすればお前なんか入ってくるなと言われても不思議はないんだが、まあそういう人なんだろ。
断ったらああそうって感じでさっさと消えた。ラバーソウルも1足は買いたかったからクロケットかどこかで買えばよかったがもう遅い。それに雨用なら安物でもいい気がするし。そうだな、そんな高級靴ばかりでなくていい。
まあでももう少し時間があればなとは思う。ショッピングはこれで終了。
最後にホテルに戻り、朝行ったモノプリでスムージーを買う。意外とほとんど飲めてしまうから喉乾きすぎ。ここでマスタードとかを買うつもりだったが完璧に忘れてしまっていた。ホテルに戻りちょっと荷造りして出発。このホテル、観光客が羨ましげに見たり写真撮ったりするので、出入りするとき日本人観光客に見せつけたかったのだが生憎その機会は一度もなかった。
重い荷物を引きずってオペラに向かう。ホテルに戻るときの混み具合からして、荷物を持って乗るのは厳しそうだしやはり歩くしかない。
20分ほどで到着。へとへとになったが、前回ほどの疲労感はなかったかも。すぐパスが来て空港へ。バスは空いていたのでよかったが、荷物置き場がなくなっていて地味に面倒だった。
空港到着。免税カウンターに向かおうとすると兵士に通行止めと言われる。ほかに免税カウンターがないかと思ったが近くにはなさそうだ。ふと外には乗降客がたむろしてるのに気づいて、外を回ればいいのかと聞くといいと言う。なら最初からそう言ってくれよ。外をガラガラ歩く。
列に並び免税してもらおうとして、搭乗券がないことに気づく。搭乗券が必要だったか思い出せないが、どっちにしてもチェックインはしないといけないわけだし、少し時間が無駄になるが機械でチェックイン。ネットチェックインはなぜできなかったのか。
結局搭乗券がなくても免税手続きはできたのでなあんだという徒労感がある。この辺下調べが甘い。普段免税とか意識してないからな。前回はどうだったっけ。
そして荷物預けと思ったらこれが長蛇の列。見たらめまいしそうな長さ。以前はチェックインで長蛇の列で、それが今はチェックインは機械だし少しはマシになってるべきなのに、全然マシになってない。
ただ、窓口は多いから思ったよりスイスイ進んだ。それでも空港到着から荷物預けまで1時間ほどかかったので、やはり空港には3時間前到着が基本かなと。
ちなみに荷物は22.8キロと制限ギリギリで思わず担当のおばさんと顔を見合わせた。自分の感覚でもなんとか収まってるくらいかなと思ってたのだが、まさにその通りだった。
手荷物のほうも問題なく、ほっとしてカフェコーナーに行きダブルエスプレッソ。普通で2ユーロダブルで3.4だから空港としては安いほうだろう。紙コップだしフードコート的な奴だけど、案外そのほうが落ち着けたりするものだ。夜10時ごろという時間のためか、お店も薄暗い。建物の端っこで外光頼みの店だから自然とそうなるのだろう。怒涛のようだったパリの3日間でやっと得られた安らぎの時。美術館は各日1つづつ削ればもう少しのんびりできたのだろうが、つい行ってしまうんだよなあ。
というわけでカイザーのパンを食べる。とりわけおいしいとも思わないのだがナチュラルで淡白な味。まあカバンの中で多少潰れてるし。持込みではあるがこのくらいは大目に見てもらえる雰囲気。隣にやってきたアメリカ人一家はマクドの紙袋をテーブルにでんと置いててしかもここの注文はゼロなのでさすがに立ち退かされてた。アメリカではあれが普通なのか。
出発1時間余り前になり出国とセキュリティへ。出国、時間のかかる係員に並んでしまったが、時間がかかるのは厳しいのではなく単に話好きのせいで、日本人ー、元気ですかー、ありがとーなどと笑顔で話す。もちろん長話してたのは日本人だけではなかったのでたぶんいろんな国の言葉を覚えてるんだろう。笑顔でさようならフランス、さようならEU。
セキュリティは問題なく通過。前のばあちゃんがもたもたしてても笑顔、ヘアピンが引っかかって再入場の中国人には笑顔で取ってあげる。そういう落ち着き。
ゴミを各種捨てる。スニーカーよ、ベルトよ、ありがとう。とっくに捨てていいくらいボロボロだったけど、ほんとに今までありがとう。
ソファでくつろぎ、搭乗のアナウンスを聞いたのでそろそろ向かう。夜の空港は暗めで人も少ないのでとても落ち着く。
さてエールフランスに乗り込んだら僕の席に座ってるおっさんがいたので席をお間違えではないですかと静かに申し出て代わっていただく。通路側とリクエストしたから通路側の席だと思い込んでいたようだが、Aなんだから端から3番目のわけないじゃん。どう考えても端っこ窓際でしょ。
食事の応答もできないおっさんだったのでなかなか大変だが、世話焼くのも嫌いじゃない。そして真ん中に座った一人もののおばさんはリピーターなのか結構フランス語が上手い。そして韓流ドラマを見ている。
夕食、チキンマスタード焼が意外とうまい。僕は機内食はほとんど洋食だしまして外国発なら和食なんて美味いわけがないと思うが、おっさんは当然としてリピーターおばさんも和食なのはちょっと意外だった。