怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

永井荷風ゆかりの

浄閑寺へ。かねてから行きたかったのだが、周辺に用事がなく、今後用事がありそうにもないのでやや無理やりに訪ねてみた。
東京とはいえ落ち着いた街で、駅のすぐそばに浄閑寺はあった。塀の向こうに大きなコンクリート建造物があって無粋そのものだが、これが街中の寺の宿命か。
門をくぐり、花売りのおじさんがいたので碑の所在を尋ねる。本当は自分でうろうろと探すのが好みだが、怪しい人物と思われないためにはこのくらいの配慮は必要なのだ。
教えられたとおり寺の脇を通って墓地に入る。小さな敷地にびっしりと並ぶ墓石は投げ込み寺の異名にふさわしい。
遊女慰霊塔の向かいに、その碑はあった。荷風の名を刻んだ丈の低い碑。この小さな敷地に大きな面積を取って、しかしひっそりと佇んでいる。荷風ゆかりの品を埋めたこの碑は事実上第二の墓といっていい。僕は静かに手を合わせた。
あまり長居すると怪しまれるのでほどほどで退散。ひとつ荷が下りた気分だ。
千駄木へ。小さなブックオフは棚の間隔が狭く、古本屋らしさがある。
団子坂をちらっと見学。D坂の殺人事件のことなどどこにも書いていないが、そもそもフィクションだからゆかりがあるわけでもない。
千駄木は古くからやっているお店や少しひねった洒落たお店が散見されて面白そうなところだが、かといってわざわざ来るほどのものでもない。今日のようにライブでもないと足が向かないだろう。
カフェギャラリー幻はすぐに見つかった。小さなお店だが雰囲気のあるいいところ。とかげさんがライブをしたらどんなに映えるだろうとすぐに思った。むしろ今日の顔ぶれのほうが違和感たっぷりだが、まずは見てから。
worst tasteのカイタ、壊れかけの小森、salsaのスズケン神の国へようこそのガンディという並び。僕の目当てはもちろん小森さんで、以前に見たノイジーで灰野路線なソロとは真逆のアコギ弾き語り。小森さんが曲を作っているところを見ているようで、壊れかけの原点を垣間見る思い。
ほかの3名もそれぞれに個性的で思ったより楽しめた。
ライブハウスでなにか食べることは少ないけど、「小麦とソーセージの具だくさん煮込み」というのに心惹かれてしまい食べたらスパイシーでかなりおいしかった。でもライブ後ではなくもっと早く食べておけばよかったな。
帰り、せっかくなので御茶ノ水ディスクユニオンに立ち寄りHenry tennis「Eight Rare Cases」103円。
夕食もしっかり食べた。太るかな。