怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

美術展をハシゴ

横浜美術館で始まった石田尚志「渦まく光」展はいずれ行くつもりだったのだが、今日が無料開館日だと知り、急遽予定を変更。混雑を避けるために朝一に出かけた。
忘れ物をしたりしたけれどなんとか開館時間に到着。展示されているのは主に映像作品とその原画なのだが、ここ数年の作品しか知らない僕には未見のものがほとんど。「フーガの技法」も初めてだったし、初期作品も新鮮だった。石田尚志を初めて知った牧野貴との共作「光の絵巻」こそなかったが、鮮烈な印象を残した「白い部屋」や図録にサインを頂いた「燃える椅子」も再見することができた。渦巻くような曲線の動きに直線と平面を合わせながら身体的な快楽を探っていく作風は変わらないものの、入れ子構造を巧みに取り入れたり夢現な世界を表現したりといった幅も体感できるのは大規模個展ならでは。体調が悪くて理知的な感性が鈍っているのも幸いしたかもしれない。
常設展はいつもながら名品揃いで、いきなりのベーコンとダリ、あとはトーマス・ルフ高嶺格や、そしていつも何かしら展示されている森村泰昌、そしてお久しぶりのベルメールベルメールは前回見た時より多くて10点ほど見ることができた。メイプルソープも2点ほど。充実の満喫で、とても楽しかった。ショップを覗いてみるとplus screeningの「plus documents 2009-2013」もDVD試聴付きで販売されていた。ひとりでも多くの人が興味を持ってくれればいいんだけど。「光の絵巻」収録!とか書いてあればいいんじゃないだろうか。
マークイズの地下にあるナチュラルローソンでサンドイッチを買いベンチで食べ、桜木町の駅から新橋へ。桜木町は案外近かった。
資生堂ギャラリーで、「椿会展 2015 -初心-」。赤瀬川源平の絵日記風作品が出ていたのだが、「東京地方裁判所にもしばらく行ってない、警視庁の地下にも行ってない」とあって笑ってしまった。場所柄外国人のお客さんも多いが、この絵日記は全然わからないだろうなあ。
ごった返す銀座を足早に歩き、ギャラリー小柳で束芋「息花」展。ドローイングは良いと思うものとそうでもないものがあるのだが、皮膚の下からじわじわと訴えてくる感覚がいい。映像インスタレーションも嫌なところで嫌なことが起こる、絶妙な感覚。
地下鉄で末広町へ。案外近い。
3331のギャラリーJINでmariane「ジャキヌキ」展。今日見るとかなり多くの作品が売れたようで、ひそかに惹かれていた作品も売れていた。さびしいけどうれしいことだ。作品としては前回の「耳鳴」展より格段に良かったというわけではないと思うのだが、VOCA展とアートフェアとの連動が効いた面もあるのだろう。きちんと見てもらえる機会さえあればこうした結果になるのだと思う。
他の展示もざっと見て帰途に。ミスドで108円セールをしていたので仕事を頑張ってくれる妻のために購入。それにしても結構な行列になっていて待たされたが、店員さんも大変だろう。外国人も多いので英語力も必要だし。
妻はドーナツを見てご機嫌。わかりやすい。
体調が悪いのに出歩きまわって、充実はしていたが、ぐったりだ。