怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

先日届いた封書を何度も読み返す。何度かお会いする機会のあったHさんというアーティストからの書状だ。

同封されていたものももちろんうれしかったが、それ以上に、わざわざ手間をかけてこうして送っていただいたことがうれしかった。そこらの間に合わせではない封筒で送られてきたこの書状は、僕にとって贈り物に等しいものだ。

そもそもは、僕はHさんの作品がよいと思い、たまたまなんとか僕に手が出る金額だったのでというものだった。ただそれだけのことが、Hさんにこんなに喜んでもらえるなんて、こんなうれしいことがあろうか。流れてゆく時間、動いてゆくものを一枚の絵画で表したいというHさんの姿勢と、それが実を結ぼうとする瞬間とを、僕は素晴らしいものだと信じる。その一端はいま僕の寝室にある。

そしてこの書状を読み返すとき、この気持ちをどうにかして伝えたいという、当たり前のことを考えるのだが、気持ちが大きすぎてどうにも形にならない。お礼状とかそういうものではどうにもならない。僕の手際では、ひどい代物が目の前に鎮座するだけだろう。それが手紙にせよモノにせよ。結局のところ、僕にできるのは、これからもHさんの作品を見続け、そして機会があれば、いつかはもっともっといい作品をという、それだけなのかもしれない。

近々にお目にかかる機会があれば直にこの喜びを伝えられるのだが、なかなかそんな機会はないだろう。

Hさんに未来を、そしてこのどうしようもない僕に救いを。