怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

朝は適当に支度して駅へ。思ったほど暑くなくて歩きやすい。
しかしながら乗り換えにことごとく失敗。携帯を見てたりして注意力が散漫なのと、乗客の大多数は別の動きをしてることが原因だけど、結果としては予定の30分遅れくらいで到着。やれやれだ。
横尾忠則現代美術館に着くころにはもう11時過ぎで、しかも空腹になってきたので先にお昼を済ませることにした。
カラピンチャをのぞいてみると普通に空席があったのでじゃあこれでいいかと。
ライスの上に諸々載せたものを混ぜて食べるスリランカというか南インド以南のスタイルだけど、この店でいいのは風味。香りがさわやかで後味が良く、辛さはあとから効いてくる。現地のスタイルとは違うけど日本人向けにアレンジしたというよりは独自に進化させたプライドが感じられて、これはうまい。量はやや少なめかと思ったけど、その分一品一品に手をかけているので割高感は全くない。これなら横尾忠則現代美術館とセットで定番コースにしてもいいかと思う。満足。
というところで横尾忠則現代美術館で「わたしのポップと戦争」展。ポップの方はまあいつも通りというかなんの特色もない切り口だ。見たことのない作品も意外とあって、そういう意味ではよかったかなというところ。
戦争編のほうが面白かった。こうした展覧会で戦争を取り上げると、悪いことではないのだがとかく反戦になりがちだ。しかし横尾忠則反戦ってイメージがないので、どうなんだと思ったところ、それもそのはずで全然反戦ではない。
横尾忠則は西脇に生まれ9歳で終戦を迎えている。食料もさほど乏しくなかったろうし、身近で焼夷弾が落ちたわけでもない。出征の様子や戦死の公報に泣く様子くらいは覚えてるだろうが、もちろん悲惨さが身にしみるものではない。神戸の空襲は山の向こうが赤く染まったのを見た、という程度のようだ。それが横尾の戦争体験。
僕のように文献やドキュメンタリーから感じた戦争は恐ろしく残酷なもので、それが僕にとっての戦争であることと比べると、実に牧歌的ともいえる。不思議なことだが、横尾の方が戦後の世代の僕ほどには戦争の悲惨さを感じていないわけだ。これは世論の一部とも合致することで、戦争を知らない世代のほうが、田舎でろくに戦争を実体験しないまま「これが戦争だ」と刷り込まれてしまった人々よりも戦争への忌避感が強いのだろう。
そんな横尾にとっての戦争は、少年倶楽部や少年画報で読んだような胸躍る異世界への入り口になっていた。そこには戦死者も餓死者もおらず、空襲も特攻もない。
そして異世界への入り口であるからには、南洋の見知らぬ島だけでなくスピリチュアルな世界ともつながっている。ヨコオレッドに染まった世界は魅力的で蠱惑的だ。本来白いはずの床とソファが作品に反射した赤い光に染まった展示室は遠目にも美しかった。赤を並べた学芸員の意図がわかろうというものだ。
この面白い切り口を、実際に訪れてみるまで気付かなかった僕も凡庸だが、もっとアピールできなかったかなとちらり感じた。
ショップでは横尾グッズが並んでいて、草間彌生などと比べると魅力的ではあるのだが、いかんせん、お値段が。今日は雨の予報もあるので、次回以降に考えましょうか。
懐かしいルートで京都へ。
京都で数軒お店をまわろうかと思っていたが、結局のところほとんど時間がなく、移転したpoco a pocoの場所を確認しトラドラをざっくり訪問しただけ。思いがけずアンジュで古本市をのぞき・・・まあ結構行ったほうか。
地下鉄で国際会館前に行ってスクールバスで京都精華大に向かう。ちょうどバスが出るところだったけど次のバスは5分後だから無理に乗らなかったんだけど、結局次のバスは20分後。なんでやねん。
学園祭だし早めに行っていろいろ見て回るのもいいかと思ってたがもう時間がない。それも仕方ないなと思いつつ着いたらなぜかひっそりした構内。少々の立て看板はあるが模擬店とかそういうのはほぼ見当たらず、いったいどういうことなのか。精華大の学園祭は毎年秋だから少し小規模なのかもとは思ってたが、いくらなんでもこれは想定してなかった。むしろ早めに来なくてよかった。この時点では雨はほぼ降ってなくて傘なしでOKの状態。
そういうわけで笹口騒音ハーモニカ。いつもどおりに煽りながらのライブ。
その後笹口騒音オーケストラだけどここで雨足が強まってきた。
ステージが小さいのはともかく、テントも小さい。必然的に雨はステージを濡らして機材が濡れる。西山小雨さんのアコーディオンが壊れたのは雨のせいではないかもしれないけど、あまりに事前準備が甘すぎる。雨天は屋内とかテントを重ねるとか対策は考えられたはずなのに、なぜなにもやってないのか。見る側が濡れるのは別にいいんだから、演者のことをもう少し考えて欲しかった。笹口騒音オーケストラを呼んだのはありがたかったけど、残念さも少しある。
まあライブはよかったんだけどね。ただもっと無心に楽しめたらなと。
雨なので物販も反応悪いし、せっかく来てくれたのにとなんか申し訳ない気持ちになってしまった。関係ないんだけど。
帰りもスクールバス。もやもやが取れないのでまっすぐ帰るのははばかられ、国際会館のブックオフぱぱぼっくす「僕のものになれ」500円。
帰宅は妻よりやや遅れ、買ってきてもらった弁当が夕食。妻は名古屋ドームを楽しんだようでなにより。