怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

オントローロ00

お昼は皿うどん
午後図書館へ。
庭園美術館へ行く考えもあったが、なんだか後回しにしたくなってしまった。
夕方から出かけ、回数券の払い戻し。東京メトロの駅員に「払い戻しはどこですか」と聞いたら券種をしつこく聞かれ、果ては券を出せというから「ここでできるということですか」と聞いたら「もちろんもちろん」との答え。「どこですか」と聞かれたらまず「ここでできます」と答えるべきじゃないのか。東京に来て駅員と接触するとかなりの高確率で会話が成立しない。よほどの屑しか雇っていないのか。
渋谷で寄りたいところもあったがそんな余裕はなくFlying Booksへ。僕が着いたころには10人以上が店の前におり、どう考えても人が溜まり並ぶようなところじゃないのでかなり奇異な目で見られ、大変面白い。
番号がよかったので楽な席をゲット。言葉を聞くイベントなのだからリラックスして耳を傾けられるというのはとてもありがたいこと。
というオントローロの00回。2回目が00というのは、次に予定される01と02の前哨戦のような意味合いなのだろうか。
まずドキッとしたのが小林大吾さんが息をのみ言葉を発する些細な音がハッキリと聞こえ、それが詩の一部になっていることだ。ポエトリーリーディングにとってこの音はとても重要なのだと感じる。そして古本屋の店内というシチュエーションならでは、小林さんは本に囲まれている。言葉の詰まった本を背に、オリジナルの言葉が次々と飛び出す。言葉のミクロコスモスだ。なかで白眉だったのがタイトルは失念したがジョシュアの幽霊についての詩だ。トラックなしのアカペラでは深い池に石を投げ込みその音が響きもせず吸い込まれてゆくような幽玄さがあったのだが、トラックをつけると軽妙になり語り手はその体験を消化したような趣がある。例えて言うなら村上春樹か。途中のMCでもあおうなのだが、小林さんにとってこのイベントは単なるライブではなく、言葉の面白さを伝えるためのもので、だからこそ重い腰を上げたのだろう。聞き手にとってもその価値は十分にあった。
アクトの性質上長くはやらないだろうと思っていたのだが終わってみれば2時間弱。すごい。ほとんどの詩をそらで語り間違うこともほとんどなかった。
最後に小林さんとご挨拶し、非常に満足。通常のライブにはない種類の満足感で、また客層も面白かった。
帰宅してキーマカレー