怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

右往左往

お昼前に清澄白河に着いてTAPギャラリーに立ち寄ったあと公園でパンを食べる。曇り空だし風もほどほどで気持ちいい。
東京都現代美術館で「他人の時間」展。有名作家は少ないし企画の意図も伝わりにくいが、えてしてそういう展示のほうが面白かったりすることが最近わかってきた。
「他人の時間」と言われるとよそよそしいのだが、自分にとっての時間・過去・記憶とは交差しない別の軸をもったものに自分が入り込んだとき、自分はどう変わり他人はどう変わるのか。水たまりに何かを投げ込んでできる波紋のようなものを追った展覧会だ。
作品そのものには魅力を感じないものもいくつかある。見たことのあるものもある。しかしキャプションが優れていて、たとえば見慣れた河原温作品についても新鮮な知見を得ることができる。次々に作品を見ていくうちに、自分が波紋になり水たまりになるような、ちょっと不思議な感覚に襲われる。
作品として没入したのはミヤギフトシの「The Ocean View Resort」。画面と音楽から想起される別の光景、その距離感が素晴らしい。もっとも、ヘッドフォンが足りなくてずいぶん待たされたので、そこはなんとかしてほしいところ。
ホー・ツーニェンは好きな作家なので期待を持って見た。一人の俳優が演じた映画作品を切り貼りすることで謎めいた人物の軌跡を描き出すという手法はギリギリのところで保たれた同一性を感じざるを得ず、こんな手法もあるのかと驚かされる。映画に近い作風のホー・ツーニェンだが、今回はそれが存分に生きている。
非常に満足できる展示だった。こういう展覧会こそ盛況になるべきなのだが。
続いてコレクション展。前回山川冬樹の「The Voice-over」を見逃したので真っ先に行ってみるとちょうど始まるところというラッキーさ。期待にたがわぬ良作でした。
あとは前回見たので好きなところだけざざっと。ちょうどガイドツアーをしていたのでところどころ立ち聞き。ずっと附いて聞くのは面倒なので、そのくらいで十分です。
最後にトーキョーワンダーウォール公募入選作品展。前にも思ったことだが、似たような傾向の作品ばかりでそんなに右へ倣えされても見るところがない。結局少し毛色の変わったものだけをつまみ食いしてあっという間に鑑賞終了したが、審査員を替えるべきじゃないの、これ。特に石原とかいう奴。
もう一度他人の時間を見て、閉館時間。あっという間だな。
いったん帰宅してからタワーレコードへ。トーキョーキラーのインストアライブ。インストアだから音に満足できるわけがないのだが、それにしてもkemeさんのギターが小さく、あの辺りはPAが修正できなかったのだろうか。ベースはブンブンいってて良かったんですけどね。
終わってサイン入りジャケを頂く。見てるとレジで買ってる人も多かったので、あの音でも良さを感じてくれた人もいるようだ。そりゃあのまんまの演奏が入ってるわけがないんで、聞き巧者なら判断できるわな。
空腹で戻り、結局すき家豚丼。これが不味かった。二度と食べません。