怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

ションベン・ライダー

期待してなかったのになんとなく座れてしまった。
座れても普段眠れずに目を閉じてるだけなのだが、あまり自覚もないままに寝てしまっており、気付いたら「次は住吉」のアナウンス。一つならまだしもこんなに乗り過ごすなんて。もちろん席はがらがらだ。
住吉で逆向きに乗り変えようとしたら階段が見当たらず、駅員に聞くとなぜ向こうに行きたいのか事情によるなどと言われた。事情も何も、だが、ずいぶん杓子定規なことだ。島型のホームなら何ごともなく乗り換えているだろうことを、いちいち確認する必要がどの程度あるのだろう。しかも紋切り型で繰り返し。鉄道にはいろいろ乗ってきたが、東京の鉄道は独特だなと思わざるを得ない。
朝がコーヒーもお茶もなかったから寝てしまったんだろう。何度も同じことを繰り返す心配はないだろうが、3分遅刻した。
お昼はホットサンド。物足りない。
帰宅してEくんに頂いた黒胡椒にんにく唐辛子をがめ煮に使ってみる。
思ったよりニンニクの風味が強く、なかなかいける。味付けを少し間違ってもこれを使えばなんとかなるような力強さがあり、常備しておきたいかも。賞味期限が短いのが難点だろうか。
夜、ションベン・ライダーを見る。相米慎二監督は好きだという割に見るのは初めて。
台風クラブや雪の断章などと同じく、意図的にリアリズムに反した動きと音が目を引く。現実に近付けたり現実の断片であるかのような体裁はとらず、新劇調ともいうべき見せ方は相当な違和感を感じさせるのだが、それが意図的であることも明らか。このあたりは当時から感じていたから時代によるものではないだろう。また、当時のアイドル映画と比較してもかなり異質だから、出演者側からの要請でもないだろう。
例えば花火のシーンや貯木場のシーン、ボールを回しながら横浜行きの相談をするシーンなどは作りものな動きが主役3人のダイナミズムを感じさせて、必然性がよくわかる。一方で歌い踊るシーンなどはミュージカルと思うにも居心地の悪さがあるのだが、そうでなければいけないとも思えない。普通に進めるべきでないのはわかるけれども。
そうした「ついていけなさ」はあるにせよ、学園ドラマのようにただし出演者の顔がわからないままに始まった映画が徐々にシリアスにかつカリカチュアライズされてゆきブルースの初潮が始まりアップが増え・・・という流れには唸ってしまう。
その後何度も描かれることになるが、「子供の世界」が「大人の世界」を侵食し一部制圧してゆく物語はその後がどうしても気になってしまうし、だからこその「、」なのだろう、と思う。
付け加えるなら、永瀬正敏がトラックに飛び乗るシーンは日本映画アクション史で語り草になるべき。