プルタブを開けるとき vol.7

新宿JAMで朝9時40分からライブイベントがあるため僕も早めに起床。どう考えても変なイベントだが、100時間連続のイベントをやるようなところだからこれで普通なんだろう。
といってもさすがにスタートからはではなく11時ごろ到着。イベントもこのくらい長いと全部見なくていいという割り切りがしやすい。
ちょうどMilmake Club Bandが始まったところで、戦前のダンスホールのようなバンド。華やかで楽しそうに遊んでる。前四人が歌って踊るのもいいが、バンドだけの演奏がなかなかソリッドでよかった。
続いて豊川座敷ソロ。約8か月ぶりだからかなり渇いていたようで、一曲目からジンジン浸みてくる。あえて小さな音を交えて注意を惹き、次第に客席がステージに集中してゆくあの雰囲気は座敷さんならではの快感がある。あとでとかげさんも言っていたのだけど、東京で座敷さんのようなタイプのアーティストは見かけない。同じような業を抱えている人はいるはずなのだが、たぶんその表れ方が違うのだろう。MCでいったんバラし、また集中させる。そして最後は猫と僕。いいライブだった。昨日高速バスで来たという話から、体調はどうかなとも思ったが、結果的には絶好調な感じ。このJAMのボロさやなにかがベアーズに似ているのも良かったのかもしれない。
ダンスクレオパトラはガレージっぽいバンド。
次のイヌガヨは関西なんだけど初めて見た。キラキラしたピュアなパンクロックで、チッツを見ているときと同じような気持ちになる。見てて気持ちいい。楽しかった。
いつものバーガーキングで昼食。
戻るとodd-ricoのライブが終盤で、ベーシストはさっき座敷さんのライブをじっと見ていた人だった。髪型も服装もそっくりで、顔立ちはこちらがいくらかシャープだけどどことなく似てる。音楽もサイケでありつつどこかフォークの色もあり、なかなかいい感じ。早く戻ってくればよかたっと悔やんだが仕方ない。もう一度ライブを見てみたい。
蛸地蔵が始まるころには20分押しになっていた。セッティングしている3人がなかなかカッコいい。以前ファンダンゴでセッティング中のズボンズを見て「この時点ですでにカッコいいなあ」と呟いていたことを覚えている。そういうところも大事にしているんだろう。ライブは押している中で強引に時間を延長し見ていた座敷さんにギターを弾かせて、さすがの盛り上げ様。やりたい放題でカッコよかった。
終わると1時間押しになっていてザ・ハイマーツはまたガレージだったのでもういいやと思って耳を労わりがてら外へ。
Photographer’s galleryと3rd districtをまわる。いつもながら、二丁目近辺は女の人が歩いていても男かなと思ってしまう。
コネクト新宿の音漏れを聞きに行ったらちょうどザゼンでした。雰囲気だけ感じてすぐ引き返した。
戻るとニューアクションが始まるところで、なんとメインがフルート。ドラムはファンキーそうな黒人。その時点でインパクトが大きい。なかなか面白かった。
次のHalfmoon Make Loveが始まる直前に大きな物音がして、なにかと思ったら誰かが物販のテーブルをひっくり返していて、みんなで拾い集めたんだけどとかげさんの物販も被害にあっていて、あれは本人から謝罪はあったんだろうか。
そのとかげのわかばさん、ライブがまた凄まじかった。声の説得力が以前とは段違いで、ライブを重ねてテクニックが磨かれたという側面もあるのかもしれないが、それだけではないと思う。とかげのわかばというアーティストの中身が全部声とギターになってこちらに向けられているような、そんなライブ。ステージの上にはもう何もないように思える。いいライブでアーティストが眩しく見えることは珍しくないが、とかげさんは眩しいのではなく、全部が音になって目に見えなくなる。三ヶ月見ない間にここまで進化したのかと驚いた。最近のとかげさんが「歌い足りない」といったことをしきりに書いていたけど、それはこういうことだったのかと納得した。三ヶ月前、半年前のとかげさんはここまでの凄みはなかったと思う。短い間にこの変貌は驚異的だった。
続いて双葉双一。痩躯にぶかぶかした服、短い髪。似合ってるんだかなんだかわからないが、しかし無二の存在感が強烈だった。ライブとしてはさっきのとかげさんの毒気に霞んでしまったところはあるが、ニヒルな双葉さんは大好きです。
ライブはまだまだ続くというかこれからが大物の出番なのだけど、僕はもう双葉さんまで聞けたら十分だしということで帰ることに。とかげさんにさっきの感想を伝えたかったけど、うまく言葉にできなかった。また近いうちに行こう。
帰っていると妻も仕事が遅くてまだ食べてないとのこと。スーパーに行くと弁当が残ってなかったので松屋で定食を食べて妻に牛丼を買って帰ることに。
座敷さんやとかげさんを呼んでくれたセンスあるイベンターに感謝だな。