怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

台湾2日目・台中から新竹

素朴に普通においしい

意外とぐっすり寝たのであわてて風呂。正直、結構汚いのだが文句は言えない。あと冷蔵庫が冷え過ぎで水や目薬の表面が凍っている。水はいいけど薬は困る。あとで新竹でわかったけど、自動販売機でも少し凍らせるのが売りだったりするようなのでそういうサービスなんだろう。温度調節のダイヤルは壊れていたし、テレビもいつのかわからないブラウン管。壁紙が破れてるとかは別にいいけどベッドはなんだろう。マットレスじゃなくて板に柔らかいものを敷いたような感じ。金額からして不満はないけど、ここに連泊はたしかにきついかなと思った。
朝食は徒歩数分の民生嘉義米糕。米糕35元と卵10元を頼んだけど、これがかなりおいしかった。素朴な味なんだけど、朝ご飯はこういうのがいいな。お金を払い忘れそうになったのはご愛敬。って言うのか。
支度してチェックアウト。荷物は地下の倉庫みたいなとこに置かせてもらった。ここはなにしろフロントのお姉さんの感じがすごくいい。問題はあるけど安いし駅前だし民生も近いし、あのお姉さんがいるならまた来ようかなと思う。最後にバナナをくれました。
バス停でしばらくバスを待っていて気付いたのはこれ逆方向じゃないかということ。正しい方向の乗り場がどこか駅周辺のごちゃごちゃしたところで探すのは難しいので、次の継光路バス停に向かう。ラッキーなことにすぐにバスが来た。運転手さんもすごく感じが良く、降りるとき手を振ってくれた。気分よく美術館前で降りる。10分で着いたので開館まで数分あり、屋外作品を見ながら待つ。
そんなわけで国立台湾美術館のアジア・ビエンナーレ「M型思惟」。名前は大層だが、アジアの現代美術作家の作品展ですね。よかったのがビデオ作品ばかりだけど「EARTH」「Sleeping with her」「在記憶之前Ⅱ」。特に何子彥「EARTH」が素晴らしく、40分の作品を3カット程度で作り上げていてカメラワークも出演者の動きも照明もすべてがパーフェクト。溫知儀「片刻暖和(Sleeping with her)」はアートというより短編映画として出来が良かった。袁廣鳴「在記憶之前Ⅱ」は360°作品で中央に立ってくるくる回りながら見ると酩酊感が凄まじくて気分悪くなり、これもなかなか。ただ、床がふかふかなのはちょっと意味わからない。座り込んでみてもそんなに面白くは見れないのに。あとマレーシアの于一蘭作品がまた見れたのもよかった。金沢21世紀美術館のInner Voicesで見たのと同じものでしたが、やはりいい作品でした。
ほかにも特別展がいくつかあり、よかったのは李仲生百年紀念展。全く知らない作家だったけれど、抽象画でありながら具体画らしいところが垣間見れるそのバランスと色の重ね方がいい。メインに据えられている油絵「作品078」もよかったし水彩画も色を重ねているのに鮮やかで印象深かった。
これが全部無料だから台湾太っ腹だな。
疲れてきたので美術館向かいの忠信市場へ。ギャラリーやお店があるというのだが2時からとか土日だけとかでほとんど閉まっている。仕方なく市場横の曾記という客の多いお店で羊肉火康麺。とろっとした餡のようなスープで結構うまかったが、乾麺のほうがよかったかも。食べ終わってまた美術館へ行き、気に入った作品だけ再見。その後ショップで両展の図録を買ったら、外国人用の1割引きクーポンがあるそうで、親切に出してくれた。図録700元と500元でも安いのにさらに1割引は助かるよ。その後再び市場へ。雑貨屋が少しだけ開いていたが、そんなにどうってこともなさそうだったのであきらめる。川島小鳥の個展をやっていたので見たかったんだけど、しょうがないね。
バスを待ちながらバナナを食べ、駅前へ。荷物を引き取り、お姉さんに挨拶してグッドバイ。最後まで明るくていい感じの人でした。富春大飯店さようなら。自強号の発車まで30分ありバスはちょうど出るところだったのでバスに乗り込む。150元。ちなみに台中で使ったバス代は4度で110元。ほんとは90元のところだけど。で、このバス乗り場は鹿港に行くときに乗った時のと同じだと思うんだが、その割には周りの風景に全く見覚えがないのがなあ。前回はどこをどう歩いたんだろうか。確か飲茶食べてデパートでパンツを買ったはずなんだけど。
バスは結構満席になり、さらに市街地の道路も混んでるので新竹の駅まで1時間半かかり、結局到着は鉄道と同じくらいに。値段はバスが安いけど、旅情的には鉄道を選んでもよかったか。でも市街地の一番外あたりで車窓から「床屋」らしきものがちらっと見えた。間近で見たかったけど、街中にはないんだよね、あれ。あるんだろうけど、あんなガラス張りでエロそうなお姉さんが立ってたりしない。中に入る気はないけど間近で見たいもんだ。あとで調べたところ、床屋じゃなくて檳榔西施というお姉さんらしい。間近で見たいもんだ。
新竹駅前でバスを降りて東賓大飯店へ。部屋は1150元と1250元だそうなので迷わず1150元に。3階の端っこ301号室。さすがに昨日より300元高いだけあって部屋はきれい。水のサーバーはあるしバスタブはないが浴室も少しきれい。テレビだって液晶だ。週刊壱というちょいエロな雑誌も置いてるしコンドームもある。そういえば富春はなかったな。まああれは実際ラブホ利用はないでしょ。こっちはまあありそう。
すぐに外に出て、新竹の城隍廟へ。少し道に迷ったが裏の市場を通ったので結果オーライ。もう夕方なのに結構活気がありました。で、まず郭潤餅で35元。うーん、生春巻みたいなもんだけど、そこまでおいしいってもんでもないな。お客さんはいっぱいだからおいしいんだろうけど。腹いっぱいだけど、無理矢理柳家で肉燥飯、と思ったら前のお客が焢肉飯45元を頼んでいておいしそうだったのでそっちに。おいしかったけど、角煮に味がそんなに染みてないので、やっぱり肉燥飯のがよかったかも。もう完全に満腹だけど新竹に来るのは多分一度きりだろうからがんばって雨の中黒猫包へ。道中の古い商店街や薬屋やお堂などが夕方の雰囲気と合っていていい感じでした。新竹に泊ることにしてよかったな、とふと思った。こういう風情は台北にはもうないだろう。
黒猫包は評判と違ってお客さんが全然いない。雨のせいもあるだろうが、実際食べてもそこまでのものかという気が。まあ満腹だからというのはあるけど。ちょっとがっかりかなあ。いや、まずくはないんですけど。20元でした。正直、潤餅が一番いらんかったなと思う。裏道を通って、なぜか客の多い北門炸粿という唐揚屋を見たけどもう腹には試すスペースがないのであきらめて東門方面へ。東門前の歩道できれいなお姉さんに声をかけられる。客引きだろうからろくに相手にしなかったけど、後から考えたら少し話したらよかったな。美人でした。というわけで当然本人じゃないだろうけどね。
くたびれきってるけど、駅前をうろうろ。生活工場という雑貨屋だとかそごうに行ってみたり。そごうは昔の日本のデパートそのものだった。美人のエレベーターガールがいて、家族で買い物に来て。昔はほんとこうだったと思う。あの時代が一番良かったと思う。少しだけ幸せな気分になれた。
いろいろ楽しみたいけど、くたくたなので部屋に戻り明日以降の計画などを。テレビをつけたら有線でポルノをやっていた。台湾はエロ規制が結構厳しいはずなんだが、ホテルのテレビは無修正っていいんだろうか。部屋にはなぜか蟻が何匹もいるが、就寝。