怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

支度して出発。
東京遠征では初めてのラッシュ遭遇で、といっても時間帯と方角などから比較的緩いはずだが、それでもそれなりに混む。普段ほぼ座って通勤してる身からするとやっとれんな、これは。
荷物を東京駅のコインロッカーに放り込んで関内へ。横浜駅で乗り換える時おばあちゃんに案内を請われる。頼られるのはうれしいものだ。
すき家で鮭定食、そしてマクドで無料のコーヒーを貰って飲みながら神奈川県民ホールへ。開館まで時間があったが、幸いにも中の椅子に座って待てるからありがたい。
「5rooms」は5人の新鋭作家展で、お目当ては小野耕石と斎藤陽道。小野耕石の作品は驚きの平置きで、作品全体を真正面から見ることを放棄して角度を変えてさまざまな角度から見る展示方法。小野耕石の作品にはぴったりで、これはよく決断してくれたものだと思う。ただ、撮影可の会場でむき出しの作品が平置きされているのは相当危なっかしいのだが、その点は問題ないのかは気になる。斎藤陽道はモニターとスクリーンを使った展示だったが、鮮明さに欠けているのが気になった。意図的なのだろうが、僕はいいとは思えない。
そして大ヒットだったのが丸山純子の作品。残す展示室が最後の大ホールとなり、それがどうなっているのか楽しみだったが、入るなり冷たい海底の空気に包まれた。朽ちた船が廃油石鹸による砂の上で崩れ落ちるように佇む。明るすぎず暗すぎない照明に照らされ、廃材によるインスタレーションの間を歩く。しんとした海の底、ひとりだけの時間。平日午前だからこその快楽だ。心ゆくまで堪能。丸山純子というのは初めて聞く名前だったが、もう忘れることはないだろう。
前半が端折れたせいか意外と1時間余りで見終わった。そういうものなのか。代官山で小野耕石の別展示もあるので迷ったが、結局素通りして表参道画廊でPAC エキジビション・シリーズ #1「海の庭―山城知佳子とサンドラ・ラモス」展。構想のスタート地点は似通いつつも作品としての魅力のあり方はかなり異なる二人展で、僕はもちろん山城知佳子に惹かれて行った。知らなかったけど初期作品である「アーサ女」は後の作品にも共通するイメージが強烈に表現されてその息苦しさがまさに山城作品。見れてよかった。初日なので山城さんもいらっしゃったけど、お話中に割って入るわけにはいかず、というか何を言うんだということで黙って出てきてしまったけど、とにかく見れてよかった。
神保町のギャラリー福果で蓮輪友子個展「Licht」。運良く蓮輪さんもいらっしゃったのでお話もしたのだが、お友達との歓談のお邪魔をした形になったのは申し訳ないところ。ただ、作品制作にあたっての方法論を伺えて僕としてはとても理解の進んだ時間になった。体系的に学んだこともない素人なので、こうしたお話を聞けるのはうれしいし、また蓮輪さんが類を見ないアプローチをしてることもわかった。いつか作品も買いたいもの。
3331で「ポコラート全国公募展 vol.6」。うっかりメインの展示室だと思い込んでいたがそうではなく小さいほうのギャラリー。だったら予定もこう組むんじゃなかったなと後悔したがいまさら。各作家とも悪くなかったが、こじんまりとした展示のせいか迸る力は感じにくく、そこは残念。一番惹かれたのは公募展でも記憶にある室井悠輔。これを芸大出て作ってるというのがまたなんとも。
時間なさそうだと思っていたのにむしろたっぷり目に国立新美術館到着。今回のDOMANI展、作品を見たことのある作家さんも数人いるのだが、どうにも気持ちがついていかない。違うこと変わったことをやろうとしてそのコンセプトばかりが走っているように思う。コンセプトがきちんと美術に行き着いている蓮輪さんの作品を見たあとだけにそう思うのかもしれないが、いささか残念な展覧会だった。
photographer's galleryを訪れ、休みのところDMを頂く。すいません。
バーガーキングで詰め込むような食事。もう少し時間があればなあ。食べたいものを時間とって食べに行けるのに。
わずかな時間を割いてディスクユニオン新宿中古センターで森は生きている「グッド・ナイト」1225円、野佐怜奈「Lady or Girl?」864円、笹倉慎介「TIME STREAM SEASON 1」741円、衝動買いでBRONT INDUSTRIES KAPITAL「BROCKEN EP」300円。この中古センター、東京在住中は一度も行ったことなかったのは僕の怠けっぷりの証だろうか。
京王のポイントが貯まったので折良くハウスオブローゼのセールをしてるからシャンプーと引き替え。冴えてる。
高円寺のとよんちで卵を購入。東京在住時代は売り切ればかりだったのになぜ。
アニマル洋子でサド選集「ジュスティヌ」と黒井千次「銀座物語」。
ミッションズで紺野メイ、グルパリ、松井修司、渋澤玲、日比谷カタン原田卓馬。ミッションズはあと数日で閉店とのことで、スタッフをしている原田さんが企画したらしい。僕には関係ないけど。1〜2度行っただけだし、思い入れもないし。いいライブが見れたらそれでいいし。
そのいいライブが目白押しだった。紺野さんはライブ動画よりはるかに繊細で力強かった。
グルパリさんは荒々しく野生的で知的で、本物のライブ。これはかなり衝撃的だった。思い込みでギミックばかりのように決めつけていた自分が恥ずかしい。ぜひまた見たい。
松井さんの謎パーカッションもよかったし、渋澤さんのポエトリーリーディングパフォーマンスも息を呑むものだった。
日比谷カタン氏は久しぶりだがもちろん芸達者。このひとはなんでもできるんじゃないかな。俳優声優もこなせそうだし、手品もいくつかできそうな雰囲気がある。なんなんだろうね。
最後の原田さんはぜんぜん知らなかったがこれも締めにふさわしいパフォーマンス。
全編生音なのもよかったんだけど、なによりよかったのはお客さん。静かにすべきところはちゃんとして、聴き入ってるこの雰囲気はとてもよかった。いいお客さんが集まるのはいいイベントの証だ。
終演は10時過ぎるとは思っていたが押しに押してまさか10時45分とまでは思ってなくて、最後の挨拶は見れず物販も何も買えず。グルパリさんに感想を伝えたかったのと渋澤さんの本もチラッと見てみたかった。
夜食を買い込んで、時間がないので悪いけど電車で食べて、東京駅で荷物を慌ただしく整理して歯を磨いて薬を飲んでバス停へ走る。こんなに時間がないとは。
初めて乗るバスだったので不安もあったが、リクライニングタイムが妙に遅いことを除けばまあ及第点。シート間隔はもう少し欲しいけど、どこもこの程度だしね。
寝つきは多少悪かったが、まあ標準的には眠れた。