怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

残念無念

昨日行きそびれた国立国際美術館と、東洋陶磁美術館に行くため10時過ぎに家を出る。どちらを先に行くか思案した末、東洋陶磁美術館からまわることにした。ひと気の無い中之島を歩きついたときには11時前。ちょうど11時からガイドツアーが始まるという。ガイドツアーは参加していない人には邪魔でしょうがない代物だし、自分のペースで見て回れないのであまり好きではないのだが、東洋陶磁の知識が全然無いのでそれもいいかと思い直した。二手に分かれて出発し、私は山品さんという若くてほっそりとした素敵な女性のほうに入り、中国陶磁から見て回ることになった。山品さんは学芸員ではなくボランティアガイドなのだが、そのぶん変に専門的な説明にならず落ち着いて聞ける。10人弱でスタートしたはずが回っているうちに20人くらいになった。こうなると近くで見るのも一苦労で鑑賞するにはよろしくないのだが、解説があるというのはありがたいものでそれでもガイドツアーについてまわった。山品さんは陶芸よりむしろ近代美術の方面がすきなのか、マティスを引き合いに出したりするときには声が弾むし、現代的なセンスの作品には熱心に解説する。そういう人がなぜ東洋陶磁の解説をしているのか不思議だ。
中国陶磁は以前故宮博物館でも感じたことだが、精緻の美がある。一方、次にまわった朝鮮陶磁は形のゆがんだものだ多く、大雑把といえば大雑把、結構違いがあるものだ。日本の陶磁は寂の色彩があり、やはり心情的には日本のものが一番よい。1時間半あまりで終了。山品さんありがとう。ガイドツアーで回らなかった部屋にも行ってみたが、解説がないとさっと見るだけになってしまう。やっぱりガイドっていいものだ。
食事にしようかと思っていたが、1時前というのに全然空腹にならないので国立国際美術館に向かう。もう三度目だから大丈夫、と思っていたら場所がわからなくなった。中之島だったとはね。その北側だと思っていたけど。
妻が3時に帰ってこいというので時間は無いが無料の気安さ、ざっと見て回ることにする。小川信治展をやっている。トリッキーな作品なのでインパクトは大きい。「干渉する世界」という映像作品は世界の異化により驚きと不安を感じさせるもので、本当はずっと見たいのだが残念ながらその時間がない。そのほかに現代日本写真の作品も展示されていて、やなぎみわの「アクアジェンヌ イン パラダイス II」「The White Casket」が幻想的な世界を提示していて魅惑的だ。そのほかにも魅力的な写真が多く、あまり写真作品に興味が無い私だったが大きな収穫だった。
残念ながら堪能はできないまま帰宅。