怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

高等遊民

昼前に心斎橋に赴き、大阪市立近代美術館心斎橋展示室に初めて行く。出光ビルの13階、エレベーターからすぐ展示室なので音が気になることを除けば真っ当な美術館だ。今まで「どうせビルの隅っこで細々と絵を見せてるだけだろう」と思い込んでいたのだが、きっとそう思っている人は多いはずだ。
展示は日本の近代〜現代美術をいろいろ展示するという、悪く言えばまとまりのないものだが、私のような半可通にはそのくらいがちょうどいい。割合現代美術好きでヤノベケンジも好きではあるのだが、今回非常に良かったのは明治から昭和初期にかけての日本画の数々。三露千鈴の「殉教者の娘」は聖母像と照明と女性が一直線に描かれる構図が不安定な緊張感をかもし出して印象的。福田平八郎の「漣」はミニマムな波の図柄が抽象的でありながら具象的であるという素晴らしいもの。島成園の「無題」も、顔に痣のある女性の表情が心に迫ってくる。
美術館を出て心斎橋筋をしばらくぶらつき、戎橋でカップルに頼まれてシャッターを押す。使い捨てカメラとは今時珍しい。女性の方はうれしそうに撮られているが男性はそうでもない。まあそういうものか。
雨が降ってきたので国立国際美術館には行かず帰る。