怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

世界制作の方法

文化の日国立国際美術館が無料ということで行ってきた。
開館待ちの人も多かったらしく、結構な人数が一度に入っていたので順路は少し変えてみたが、そんなに違いはなかったかもしれない。
「世界制作の方法」展はタイトルではわかりにくいがインスタレーションの展覧会で、いわばもうひとつの世界を提示してくれるというもの。インスタレーションは大抵そうかもしれないけど。で、これが非常によかったです。
まず入り口脇の大西康明が、雪山のような外見とビニールの軽さを同居させる作品で、さらに一見黒絵の具のような接着剤で吊るしている様子が塩田千春を想起させ強い印象を与える。
入ってすぐのパラモデルは、位置からしてかなりフィーチャーされているのだと思うが、現時点ではそこまで素晴らしくはない。これから制作が進めばどうかわからないが、西宮大谷記念美術館や大山崎山荘美術館での展示を越えるものではない。ただ、極端に悪くもないので、まずまず。
伊藤存青木陵子・鬼頭健吾は、悪くないんだけどちょっと埋没している感じ。違う構成で見たほうが引き立つかもしれない。
金氏徹平白地図がよかったです。パラモデルと似た作品だが、雪で見え隠れするオブジェのセンスが最高で、今回は圧勝。
exonemoもいい。電脳空間の神という発想はありきたりかもしれないが、それをちらりとのぞき見するその経路が面白い。奥の部屋のポスターは日付が11/4になってたけど、ひょっとして毎日変わるんだろうか。
圧巻がクワクボリョウタ。オブジェの影が美しく、計算された配列に感動する。2回見たけど、これは順番待ちしてでも必見。
半田真規はよくわからなかった。
最後、木藤純子はちょっとジェームズ・タレルを思わせるような光を使った作品が印象的だったけれど、人が多くて出入りするたびに興が削がれる。しかも出入りするだけどろくに観賞もせず(わからず)すぐに出て行く人の多いこと。小部屋の作品なんかは、柱の中に入れることも知らないまま出て行く人がほとんどで、もったいないやら情けないやら。一人でじっくり堪能できたら美しいだろうになあ。クワクボリョウタの作品も人が少ない時間に味わいたいので、もう一度見に来るべきかもしれない。
B2Fのアンリ・サラは、ちょっとわかりませんでした。「中之島コレクションズ」展は、所蔵の名作が一挙蔵出しなので悪かろうはずがなく。奈良美智ウォーホールグレムリンは初見だった。展示は国立国際美術館大阪市立近代美術館の所蔵品で分けられていて、僕はもちろん国立国際美術館が好みだけれど、見る機会の乏しい名品を見ることが出来たのはよかった。
無料なので太陽の塔でも買って帰ろうかと思ったけれど、以前あった高い奴がなくなっているので一応断念。
もっと堪能したかったが、解凍中の昼食の都合もあり空腹でもありで帰宅。
夕食は鶏のさっぱり煮と昆布の煮ものと小松菜。好評でよかった。