怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

タダイズム

関西文化の日というものがあると知った。以前からやっていたらしいのだが、今年駅でチラシをみかけるまで聞いたこともなかった。
そんなわけで、国立国際美術館に行ってみた。
入り口以外が地下という風変わりな作りだ。考えてみると美術館には窓はいらないのだから、地下で全然かまわない訳だ。ただ、美術館に近づいていくときの日常→非日常の感覚は少し味わいにくい。それに、この建物はあまり趣のあるものではない。立派でそれなりの手をかけてはいるが、それだけだ。
常設展は日本の現代作家や西洋の近現代作家の作品が展示されていた。無料だけあってさすがに人が多い。普段美術館に縁のないような人も多い。結構PRしているのだろうか。
日高理恵子の「樹を見上げてV」という作品が印象に残った。葉が一枚残らず落ちた樹の枝を下から見上げている構図だ。枝の向うには冬の空が見えている。黒い枝と白い空。死、そして死と共にある生だ。
「梱包芸術」で知られるクリストの作品もあった。新聞で読むクリストの梱包パフォーマンスには意味を感じたことがなかったが、こうして作品と向き合ってみると、梱包することで現実を異化してみせる着想に素直に驚きを感じる。あのパフォーマンスも直に体験すればもっと違う感想を持ったのかもしれない。
常設展はおそらく数百円程度の料金だろうが、この作品群ならば格安だろうと思う。個人的にはあまり好きではないがなぜか日本人には人気があるらしい印象派だとかが無い分、充実した印象がある。でもルノアールとかが好きな人には耐え難い美術館だろう。
その後は妻と合流、トタン屋というエスニック屋で食事。味はいいが量が少なすぎ。妻はNathalie Wiseのライブへ、私は帰宅。