怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

朝起きて簡単に支度して出発。いつもより1時間ほど早いだけなので、そう眠くはないが、前夜の寝つきがよくなかったからちょっと疲れはあるかも。

足早に駅まで歩いて、でもまあ余裕。新大阪に着いたところで、妻に作ってもらったおにぎりが1つなくなってるのに気づいた。落とすわけがないから玄関で身支度してる時に転げたのかもしれない。せっかく作ってくれたのに悪いことをした。

乗り込んですぐさま残りのおにぎりとウインナーなどを食べ、そのまま爆睡。爆睡でもないけど、まあまあ眠れた。

目覚ましで起きて数分で整えて新横浜下車。新横浜は二度目なのでそんなにまごつかないが、それにしても小さな駅だ。小さいわりに人は多いけど、でも建設当時はごく田舎だったんだろうなとわかる。

在来線は遅れてたせいでかなり混んでたけど、まあなんとか乗車し乗り換えて関内へ。

歩いて神奈川県民ホールへ。10時を少し回っていたのでそのまま「5roomsⅡ けはいの純度」展。

参加作家の顔ぶれからは前回ほどの期待感はないけれども、知らなかった作家を紹介されるのもいいものだ。

和田裕美子は髪の毛を使ったインスタレーションで、遠くから見れば黒い糸と変わりはないのだが、髪の毛には手繰ればそこにひとの生温かい気配があるという概念があり、そこに面白みがある。橋本雅也の彫刻は、一見すると素材が見えないようでいて、しっかりとその気配を残している。なるほど。そして今回、一番よかったのが七搦綾乃。横たわる彫刻を遠くから見つけたとき、その曲線や凸凹がなぜかひとの体を思わせつつ、よく見ると人体とはやはり違うように見えてくる、その絶妙な"けはい"が素晴らしい。素材の木も冷え切った体を思わせる程度な温度が感じられるもの。これはよかった。

スコット・アレンのインスタレーションは悪くないけど、アートとしての良さが感じられず。

最後の大西康明は少し期待はずれかな。前回の丸山純子が良すぎたせいもあるだろうし、第一展示室に入る前の段階で早くも展示の様子が見えてしまうのもまずい。

本展の図録は制作中とのことで、前回のものとBankArtが制作した七搦綾乃のリーフレットを購入。

行きがけに見つけた、放送ライブラリーガチャピン・ムック展もチラ見。そんなに見るものはなかった。ステッカーをもらった。

うまい電車に乗れず、代官山まで結構時間がかかった。

アートフロントギャラリーで冨安由真展。資生堂ギャラリーインスタレーションが大好評だったと聞いていたのでどんなものかなと。まず、絵画はかなりよい。インスタレーションがよい作家だと、絵画などはスピンアウトのような印象を受けることも多いのだが、この作家の場合はむしろ絵画にこそ表現したいことのすべてが詰まっているようにすら思える。此の世と彼の世の境目を歩くような感覚を絵画で表現した作品は、僕の好みにドンピシャ。既存の作家では横尾忠則が近いだろうか。それらの作品を配したインスタレーションは、おそらく資生堂でのものを小型化したのではないかと思う。その規模感、制作期間や資金の制限、様々な理由はあるだろうが、行列が出来るようなものではない。それとも僕が世間擦れし過ぎかな。ともかく、富安さんの絵画はもしかすると相対的に過小評価されてるのかもしれない。

渋谷でまずヒカリエへ。小山登美夫ギャラリーで桑原正彦「夏の日」展。良い絵だ。

Caseの展示はイマイチで、空腹が募る中、警察署前のゴーゴーカレーへ。ここのゴーゴーも地下だが、珍しく新しくてきれいな店。チキンカツを食べた。キャベツが卓上にあるのもポイント高い。しかしゴーゴータイムがなくなった今、よほどランチタイムから外れない限りは行く意味がなくなったかも。

表参道で一旦降りてhpgrpで白田一馬「Mashup」展。ストリートの感覚を前面に出した作品群で、ストリートには縁のない僕だが、これは結構いいんじゃないかな。また、作家のポートフォリオをパラパラめくったらそれもいい感じだったので、ZINEがあれば買ったのでは。

続いてカナダ大使館高円宮記念ギャラリーでランダル・オキタ「間の場所」。セキュリティチェックを経て入るシチュエーションは大好きなんだけど、展示自体は前回同様で微妙。チェックしなくてもいいかなこれ。

いい時間になってきたので、今回の宿へ。田原町駅で降りて数分、住宅街だな。W-innという今回の宿、新しいのはいいが、住んでるぽい人がいるので荒れた印象になる。印象でしかないけど。まあ詳細はのちほど。チェックインと荷物置きだけしてそそくさと外出。

とりあえず沿線にある3331へ。ポコラート受賞者展、というのはメインギャラリーではなく小部屋での展示。受賞者のうち一部は公募展での記憶がある。残りは初見の印象になるのだが、こうして集められると、なるほどと思う。僕がいいと思うのにはやはり一定の傾向があって、衝動的であって執拗であり、なんらかの美しさとユーモアのあるもの。

今回好きだったのが、山本大介「数字」。数字を順に書いていくという単純なもので、行の長さが不ぞろいで行ごとに色を変えている。それが巧まざる天性のリズムを作り、遠目に美しい波形を見せている。ほかに土谷真太郎「ヨークルト」 も素朴でじんとする色と語調がよく、及川さとみ「Noodle girl」は誰もがうなずく発想と可愛らしさが気に入った。

まだ少し時間があるので、東新宿KEN NAKAHASHIとフォトグラファーズギャラリーへ。前者ではグループ展を見て額装の相談というほどでもない話を聞いてもらい、後者では川口和之

PROSPECTS Vol.3」展。街の見方は僕と近いので好きなのだが、それがかえって作品として見ることを難しくしている。

時間がないのはわかってるが、ルミネのレイヤードフレグランスという香水屋にも立ち寄って妻へのプレゼントも仕入れ完了。どうせないだろと思ってたが、まさかあるなんて。色々考えずに済むのでありがたい。

ここから遅れ気味に新宿モーションへ急ぐ。

途中、バイオリン屋さんでAyasaという人のインストアライブをやっており、人だかりができてたので僕も少し見てみた。エレクトリックでダイナミックな演奏が得意なようで、腕はよくわからないが正直ビジュアルがいいのが強いよなと思う。

というか、ここにバイオリン屋さんがあるなんて初めて気づいた。

少し遅れてモーションへ。

モテギスミスが始まっており、次がHELLHEAD

テコの原理は、ギターのSEXMANが欠席だったのだが、ゲストギタリストがいい仕事しててなにも問題なかった。まあグルパリさんがいればいいというわけではないのだが。グルパリさんの情動的な歌詞と声と動き。工藤さんを引っ張りだして無理矢理コーラスさせていたのがすごくよかった。素晴らしい。

工藤ちゃんのピンクローターズは、控えめなギターの人が職人で、僕はそういうのが好き。

最後にササハタ0.5

グルパリさんのステッカーを買ったりカレンダーをまた頂いたりした。カレンダー、とてもうれしい。

終演後、晩ご飯に当て込んでた岡やす屋がラストオーダー直後だった。チッ。

代わりに入った松屋はセルフ式で、いつの間にこんな風になったんだろ。いいけど、世の中だんだん変わっていくんだな。隣の酔っ払いがかなり酩酊しており、というかこの様子だと客とは言えないような気もするが、見かねて水を飲ませてやった。一応飲んでお礼みたいな仕草はしてたから大丈夫かも。

ホテルへ。カプセルと違ってスペースが広いのはありがたいな。ただ、どうにもこのスラム感には馴染めない。馴染まなくていいんだけどさ。