怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

地下のシャワーに出かけるときに気づいたが、ベッドが間違ってた。というか、先にベッドに入ってた外国人が間違ってたわけで、あと3泊する僕としては本来のベッドに戻らざるを得ないのでスタッフに懇切丁寧に説明し、ベッド換えに成功。この安いゲストハウスであれこれ言うのははばかられるが、起こってしまったことは仕方ない。説明にだいぶ時間がかかったし、シーツもまた自分でセットしなければならないが、まあ一安心。それに下段の方が過ごしやすいし。
とりあえず六本木に出て朝食は恒例のトンカツではなく牛丼屋でもなくバーガーキング。トンカツはどこに行ったのか。しかし現実には今の僕がトンカツ定食なんて食べるには無理がある。急速に食欲が減退していて寂しい。
時間を見誤って、開館から少し遅れて森美術館へ。平日の朝なのでかなり空いてる。そもそも「カタストロフと美術のちから」なんて展覧会が大盛況なわけがないのだが、東京はなんでも行列作るからな。わからん。
展示はいつもの森美術館てところで、作品はいいものを持ってきている。そしてキャプションは相変わらずふわふわしてて投げ掛け型。読んでてもイライラするから、音声ガイドなんて悲惨の一言だろう。利用したことないけど。割とあっさり見終わってしまった。映像のほうは僕の好みでなさそうだったのでスルー。
チケットに屋上の券が付いてたので、一応顔を出してみる。ここは初めて来たな。意外と風もなく、障壁なしに東京全域が見渡せる景観は確かに見応えある。と言いつつすぐ帰るんだけど。そんな長々と見るようなもんではない。
タカイシイほか、いつものギャラリーを巡回。この中で印象に残ったのがOTA FINE ARTSのタン・ディシン。テーマと表現、特に色彩感に優れている。
だんだんお腹も空いてきたが、そこをこらえてcalm & punkの「擬似マウンテン」展。ふだん好んで見ているわけでもないタイプの作家たちなので良し悪しなどはわからないが、強さを感じる。
遅いお昼で北海園という中華屋へ。ランチタイムも終わりぎわだったのでほとんど客もおらず、驚くほど静か。チャイナ服のお姉さんが接客してくれて、店内のしつらえなどなにかと本格的。というか、なんだかわからない胡散臭さが魅力的。味は普通というか、まあ悪くない。六本木の外れだから約1000円が高いのか安いのかよくわからない。普通なら高いが、でもこれはこれでありかなと。体験として面白かったし。
地下鉄がないので延々と歩いてMISA SHIN GALLERYへ。初めて歩く道なのでいろいろ物珍しい。基本的には高級住宅街なのだろうが、地上げに抵抗してるような一画には足が止まる。
MISA SHIN GALLERY、高山明のマクドナルド大学は、ギャラリーをマクドナルドに仕立て、カウンターで講義を売るというコンセプト。マクドナルドというのがミソなのだが、講義は僕は文学を選択。といっても、文学者の講義ではなく、中国残留孤児が自分の生い立ちを淡々と語り、日本で平家物語に魅せられるまでの話。聴き始めるとこれがかなり引き込まれる。コンセプトの面白さもあって、これは必見の作品だと感じた。いくつも受講している人も見られたが、その時間は厳しいので泣く泣く次へ。
うっかり忘れそうになってた児玉画廊で糸川ゆりえ個展。素晴らしい。ご主人に解説もしていただいて、すっかりその気になったのだが、残念な結末。後になって思えば、多少の妥協はするべきだったのかもしれないが、それができない人間だ。
今日はずいぶん歩く。このルートもまた初めてだ。MEMへ。「彼方/此方」と題されたグループ展。
東京都写真美術館は「日本の新進作家」「マイケル・ケンナ」展。ケンナのほうはなぜ来たんだってくらい僕の嗜好と離れた風景写真で、フィルムへのこだわりはいいんだけど。新進作家のほうは、森栄喜、ミヤギフトシ、細倉真弓など、人間と向き合った写真が並んでおり、おおむね満足なもの。
時間がないのに渋谷で一応金券ショップを確認。奇跡的にムンク展のチケットを入手。これで激混みのチケット売り場に並ばなくて済む。ありがたや。
かなり久しぶりの新代田フィーバーへ。特に変わりはなく、まあ懐かしさを覚えるほど来てないライブハウスなんだけど。
先攻はもちろんthe hatch。このツーマンはthe hatchの企画だと思うが、ファンが共通しているかといえばそうでもなさそうで、hatchファンがまごついてやしないか心配。
続いてお待ちかねのbuffalo daughter。大野さん吉永さんがサポートメンバーを従えて序盤からぶちかまして大盛り上がり。そして久しぶりの山本ムーグは真ん中ごろから登場。サボってるなー。3人揃ってるのは5年ほど前の渋谷タワレコ以来。今年はアルバムも予定されてるから来阪もあるかもしれない。ムーグ氏は来ないとしても、今日のライブを体験すると、やはりぜひ行かねばならない。バッファロー・ドーターはそういうバンドだ。終演後のフロアの空気が熱かった。
終演後、少し南へ歩く。あの蕎麦屋がなくなったとは聞いていたが、この目で見たかった。communeの跡が飲み屋みたいなのになってるのはわかったが、蕎麦屋の跡がわからない。たまたま歩道で体操をしていたおばちゃんに聞いてだいたいの位置は知れた。おばちゃんは移転したと言ってたが、おじいさんの腰を見てる僕にはそうは思えない。でも、もしもおじいさんが今も蕎麦屋をやっているなら、こんなうれしいことはない。新潟生まれのおじいさん。
渋谷で吉野家に立ち寄り、空腹を満たして田原町へ。ホテルに戻ると、朝方のスタッフがまたいた。ずっと働いてるのかよ。大変だな。