怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

遅めの起床。
約束どおり、ふたりで郵便局に行きその後喫茶店でモーニング。気にしながら歩いてみると、意外とあちこちに喫茶店があることに気づく。知らなかったわけじゃないけど頭には残ってなかった。妻と入ったのは珈琲家というなんの変哲もないところなのだが、客が多くてテーブルには座れず辛うじてカウンターに。カウンターなんてゆっくりできないしそれなら別のとこでもよかったのでは、と思わないでもなかったが、注文が入るたびにパンを切り分けて作るサンドイッチが柔らかでおいしく、これはこれでいいかなと。どうせたいしておしゃべりするわけでもないんだし。妻も満足そうでよかった。
昼前に江之子島の古本市へ。芦屋で見かけた本も多々あり、お店としてはそうだよなあと納得はする。こんなのあちこち渡り歩く奴はあまりいないし。そんなわけで特に収穫はないんだけど、地下のon the booksに立ち寄り、阿木譲関連の本を見ていたら店主が話しかけてきて、まんまとロックマガジンのサティ特集号を2000円で購入。僕にわかるのだろうか。買ったはいいけど疑問だ。
夕方、ベアーズへ。
頭士奈生樹 with 渚にてということで混雑が予想されるので開場時間の少し前に来たのだが、同類が列をなしている。
まず山本精一から。エレキソロで、山本さんは歌ものもいいがこういうスペーシーなエレキが一番好きかもしれない。エフェクターを通した音を重ね紡いで、宇宙のような音が聞こえる。おそらく宇宙空間をイメージしていたのだと思う。集中力も音との向き合い方も格別で、山本さんのライブのなかでも、今日は特に優れたものだった。
混み合ってきたのでここで立ち見に。後ろに小柄な女性が数名いたので場所を代わり、その後ろで見る。僕が前のほうにいたのは演奏している姿を見たいからで、僕の前が小柄な人なら後ろに下がったところで見えることに変わりないからなんの問題もない。
まずは頭士奈生樹ソロ。ギターはやはり山本精一との違いが際立つ。似ているようでぜんぜん違う。頭士さんはやはり歌ものというか、ギターによる旋律がかなり大きな要素になっていて、そのフレーズを軸に組み立てられている。フレーズを消してゆく山本さんとは対極的。僕は山本さんの演奏が好みだと感じたが、それは今日の話で、別の日に例えば順番やスタイルを変えれば逆の感想も出てくるだろう。
その後渚にて登場でバンド演奏。これが素晴らしかった。柴山さんのギターが頭士さんを引っ張るような相乗効果があり、またテクニカルに流れないリズム隊、今日は裏方に徹しているキーボードの支えで頭士さんのギタープレイが魅力を増している。いわゆるバンドというのとは違うが、マジックとはこういうものかというのを見ることができた。
終盤、痙攣するように間歇的に発せられるエレクトリックの音は山本精一の宇宙に対し星の瞬きをイメージしているようで、その対比が素晴らしいものだった。
終演後音源を買って帰宅。