怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

お昼は例によってだが、今日は上役もいて気詰まり。だが別の店で別の食事はたまにはよい。
今日は開演が20時なので比較的ゆったり。難波で所用を済ませサーティワンでアイスを食べ、のんびり難波シティをうろついて、ついでにファミマでコーヒーを買い。このコーヒー、ベアーズで飲んだあと捨てるのを忘れていた。すいません。
特典の黒岩さんペイント入りトートバッグを頂いた。いいものなのにもったいなくて使えない僕の性分がうらめしい。
犬の鳴き声が犬種ごとに延々と流れるのを聞きながら開演を待つ。まさかこう来るとは思ってなかった。
黒岩あすかワンマンライブはまず沼のお二人を伴っての弾き語り。「晩安」には楽曲の間にフィールドレコーディングが挟まれており、今日も基本的にその構成なのだけれど、曲中にも沼がガサゴソと生活音を奏でていた。この、なんでもない日々の中に黒岩さんの歌はあるという感覚は、黒岩さんが強く持っているものだと思う。ライブハウスのステージの上でスポットライトを浴びるのではなく、ささやかな音の中で奏でて聞き手に伝わるものだという感覚。言葉にするようなことではないけど、でも黒岩さんはそういう風に歌ってきたし、これからも歌っていきたいのだと僕は思う。
そしてサポートは交代し、バンド編成に。黒岩さんがバンドというのは少し違和感もあり、というのは「晩安」の楽曲は弾き語りのみで録音されていたからだ。ライブではバンドでやるのが難しくてもレコーディングではバンド編成もできたはずで、それをしなかったのはやはり弾き語りこそが黒岩さんだからという意味だったろう。それをあえてここでバンド編成というのは疑問もあった。
ところがこのバンド編成、エレキギターに持ち替えてうつむきながらも大胆にかき鳴らす黒岩さんはまさしく将来のスターそのものだった。ノイズに傾斜した音像が黒岩さんの新しい姿をはっきりと見せていた。弾き語りだけが黒岩あすかではない。こうしてバンドのギターボーカルとしても自分の音楽を見せることができるのだ。その一端を鮮烈に見せつける、空恐ろしいワンマンだった。僕が初めてこの人のライブを見て1年以上になるが、黒岩さんはどんどん成長した。そしてこれからも成長するだろう。間違いなく大きくなる。たぶんこんなもんじゃない。
初めてのワンマンはとても感動的だった。会場の装飾、ライブペインティング、黒岩さんがやりたいようにやったのだと思う。初めてのワンマンはやがて2回目3回目になり、いつか会場も大きくなっていくかもしれない。しかしそうなっても、黒岩さんはきっとこの日のベアーズを忘れないだろう。この日のこのライブこそが黒岩さんの特別なものだと、僕は疑わない。黒岩さんにとってこれは歴史的な夜だったし、停滞している大阪のアンダーグラウンドに光が射した夜でもある。この場に居合わせることができたのは幸運というより光栄だ。ありがとう、黒岩あすか。