怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

影野若葉「別れの夏へ」

残業が終わってからタワーレコード難波店へ。
落ち着いた顔でインフォメーションカウンターに行き、予約票を出して念願のものを受け取る。影野若葉「別れの夏へ」。
ライブを聴き始めたころには想像もしていなかったことを、今日、僕は体験する。
初めて聞いた難波ベアーズでの「影法師」レコ発でほのかに感じた才能はさまざまな環境の変化とともに芽を吹き成長し、この春影野若葉となってひとつの花になった。その間5年半。飽かず聴き続けることができたのは、とかげさんが単に練習熱心だからとか音楽とともに在り続けているからではなく、それが道を探り衣を脱ぎ続け大きくなっていくのが手に取るようにわかったからだと思う。物販に並べ始めたころは唸った高みをやがて見下ろすようになるその繰り返しの5年半だった。それでありながら、決して変わることがないことも示し続けてきたのがとかげのわかばの、つまり影野若葉の魅力だ。
受け取ったCDをレジに持って行こうとしてふと踵を返し、「か」の棚へ向かう。一旦「か」の棚に置き、しばし見やって、手を伸ばす。
僕はタワーレコードの棚に並ぶ影野若葉の初公式音源を手にレジに向かった。
家に向かう電車のなかで、僕の心には不安もあった。影野さんの魅力をわかってない連中が影野さんの音楽をずたずたにしていないだろうか。不必要な音が影野さんをかき消していないだろうか。
家に帰って封を切り、デノンのプレイヤーに乗せ、再生ボタンを押す。流れ出す小さな音。それは心地よい渦になって僕の耳を満たした。
不安は消えた。
影野さんの魅力を引き出すゲストの音はそれがかえってゲスト陣を魅力的にしていたし、豊かな音で奏でられるのはまさしく影野さんの音楽だった。
おめでとう、影野若葉さん。