怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

東京にて

あいにくの雨だが一路横浜へ。掃除のおばさんだけは愛想いいなあ。
すき家で朝食。松屋とは甲乙つけがたく、吉野家よりはもちろん上。それはともかく、鮭の骨で唾が真っ赤になった。すき家は悪くない。骨を甘く見ていた僕が悪い。
開館前にKAATへ。何人かぱらぱらと待機している。僕は時間の都合だけど、開館直後の混んでない時間を狙ってきたひともいるんだろう。
塩田千春の「鍵のかかった部屋」はある程度ひとがいるのは問題ない作品だったが、人がいると話し声がする。しかも感想でもなんでもない世間話。これが興を削ぐことこの上ない。仕方ないんだけど、なんかなあ。作品そのものは良かった。ただ、ヴェネチアを縮小した展示だった気はするので、本来の姿で見たかったのが正直なところ。
原美術館篠山紀信「快楽の館」。篠山紀信というだけなら見ることのなかった展覧会だが、原美術館で撮影してその場所で展示するというコンセプトが気になってきてみたら、これが大正解。なぜかわからないのだが、撮影したまさにその場所で見るというのがとてもいい。たとえそれがなんでもない壁の前であっても、壁にその残像が見えるようで、その二重露光のような錯覚のせいだろうか。
もちろん、庭などで撮影された作品はすべてそこでとはいかないので、一部展示室に場所を変えているが、それでもいい。これは今回の意外なヒットだった。
欲を言えば、カフェやトイレなどの場所でも作品が欲しかった気はするのと、図録が単に写真を収録しているだけで展示風景が全くないこと。展示が始まるのを待たずに作製しているから仕方ないのだが、せめていくつかは展示風景も収録してほしかった。それがこの「快楽の館」のコンセプトなんだから。あと、壇蜜だけが乳首死守してるのが違和感あるのと、仕方ないんだろうけどCG修正がねえ。仕方ないけど、みっともない。
なぜか入るときにコーヒー券をくれたのでありがたくデザートとともにいただく。誰にでも渡してるわけではないようだがなぜだろう。この原美術館はカフェ目当ての客もいるらしいのだが、そんなスノッブさが嫌で一度も利用したことがなかったのだが、いい機会。折しも雨上がり、庭が一番綺麗に見える日だ。のんびりさせてもらい、少し英気を養った。イメージケーキというのを注文したのだけど、まあ割と面白いかな。味はまた別。
東京都庭園美術館でボルタンスキー展。声の展示、心臓音、影絵、あとはインスタレーションと映像。それなりに重要作品が並んでいるのだが、展示室と合わないのが、どうにもピンとこない。庭園美術館の内装を見に来たような客層とも合わないし、これココでやったのが間違いだったんじゃないの。スタッフさんはすごく感じがいいんだけどな。
地下鉄の駅に向かう途中、なんか芸能人ぽい人とすれ違うが誰なのか全くわからない。
残り時間でどうするか迷ったが、結局ワタリウムでナムジュンパイク展。映像が多いんだけど、どうも割と偏ってる。もう少しインスタレーションとか欲しいところだが、なにしろコレクションだけで構成してるからなあ。もう少しその辺考えてくれよといつも思うのがこのワタリウムだ。まあいいけど。それと、ヘッドホン待ちのひとが何人もいて、この光景を見て対応を考え直して欲しいんだけど。
遅くなったけど急いで新宿へ。朝はたっぷり食べてお昼はケーキ、だけではやはり空腹で、時間がないのにゴーゴーカレーをかき込む。
新宿motionはオンタイムで開演していたようで、すでにフロアで田島ハルコが始まっていた。音楽がどうこうより、オシャレで元気な普通の女の子がパフォーマンスしている姿がよかった。
本ステージ1番目は月夜のドラッグ。実に1年ぶりのライブで、これは今回一番期待のライブ。トリが似合うバンドがこの出順はちょっと辛いが、なにしろうれしかったからいいや。少しポップでエモーショナルな曲が増えた印象。あとでCD買うときに佐藤さんから聞いたところ、活動休止は1年の予定とのこと。
次がEmily likes tennis。いろいろギミック入れたりして若者受けしそう。
再度田島ハルコの次は殺生に絶望。曲調などは変わらないが演奏力がレベルアップして非常にいいライブになっていた。
最後が股下89。女性バンドとかいう括りは一切無意味で、飛び抜けてレベルの高い演奏力。出来すぎて面白みがないほどなのが弱点だろうか。最後は疲れて(あと、原美術館で買ったポスターの保護も考えて)後ろに下がってしまっていたから十分に楽しめていなかったのも考慮すると、たぶん僕が体感した以上に素晴らしいライブだったろうと思う。
小森氏ニイ氏らも来てて、こういうのも東京でのライブの醍醐味かな。
今日は股下89の企画で「共学!ゴリラ大学軽音楽祭」というタイトルになっていて、フリーバナナが置かれてたりするのも面白かった。2本食べました。それでも宿に戻ると空腹だったりしたけど。どんだけ動いてるんだ、僕は。
それにしてもAさんいたのかな。気付かなかったけど。
宿では早めに寝てしまったつもりが、寝入ったそばから闖入者の声で起こされてしまった。
宿の到着が遅くてチェックインできないんだろうと想像はついたが、放っておくといつまでも叫ぶ可能性もあり、しかたなく僕が出て行って対応。連絡はしていたそうで気の毒だけど、10時までにチェックインの宿で0時過ぎ着はいくらなんでも無謀だと思う。
耳栓さえしておけばそのまま眠れたかもしれないけど、こういうときに限ってね。基本静かな宿だもので。