怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

美術の道

朝から雑事。天気がよいので多少やる気も起き、洗濯機のカビ取りなどもする。やろうと思えばやることはいくらでもある。
お昼、妻がチャプチェなるものを作った。さつま芋の春雨が意外においしかった。
食べ終わって外出。部屋の中は涼しいが外は日射しで思ったより暑い。新宿で下車。間違ってJRの乗換口に入ってしまったが、駅員の対応が聞かれたことにしか答えませんというつっけんどんさで腹が立つ。ああした輩はどこにでもいるようだ。西口を少し歩き、さてJRと思ったらなぜか東口に出てしまう。何が何やら。
JRで恵比寿へ。東京写真美術館に入るが、表示が解りづらくてしばらく迷った。展示室は2階、ここはどこかと思ったらどうやら1階らしい。なにしろ1階らしい雰囲気がないから全然わからない。そして上に上がるところはどこかわからず、結局階段を上がる。正解はどういう動きになるのか。
という流れで、川内倫子「照度 あめつち 影を見る」展。透明感のある光と森羅万象を見つめる優しいまなざしが印象的な川内倫子、今回もその個性は健在で、特に「Illuminance」のシリーズがいい。階段、渦潮、水玉など、光と空気を写し出す作品には立ち尽くしてしまう。そして実は一番よかったのが映像作品。横並びのスクリーンに時間をずらして映し出される映像が、写真以上に川内倫子の持ち味を見せてくれる。思えば展示として最初に見たのは近江八幡の尾賀商店でのことで、それも映像作品に引きつけられた。そのころは川内倫子の名前も知らなかったのに。NO-MAの企画展の第二会場で、暑い中がらんとした会場で淡々と流れてゆく映像が今も心に残っている。写真家なのに映像作品、ではなく、写真家だからこその映像作品だと僕は思う。
満足はしているんだけど、やはり不満なこともいくつかある。展示環境が悪い。最初の展示室はほぼ廊下状で、作品に挟まれるといえば聞こえはいいが、作品に常に対面の作品や人影が写りこんでいるのはよくないし、混雑もする。映像作品用の椅子は少なすぎるし、最後の展示室は映像作品用に暗くされた部屋で写真作品の鑑賞って、ちょっと問題ないですか。要は狭いんですよ。あと、図録も価格からして仕方ないとも思うが、紙質・印刷品質がやや不満。
ほかの展示会もあるようだったが、とりあえず今日はこれまでということで歩いてMEMの坂上チユキ「「鳥の写本 又は 私の愛する人達へ」展へ。NO-MAでの展示以来だが、僕にはそちらのほうが良かったかな。でもある種の人々には強く支持されると思う。1階のショップは美術書などが非常に充実していて、駅から遠いこんな裏通りにこういう店があるなんて、東京は恐ろしいな。実は3階では川内倫子展をやっていたことを後で知った。全然気がつきませんでした。
歩いてwaitingroomへ。この辺りは繁華街でもなく寂れてもなく、古い建物や新しい建物、しゃれた店やひっそりとした店が混在してなかなかいい感じだ。古いビルの屋上でバーベキューなんていいじゃないか。住所はわかっていたが入口がわからず、裏に回って発見。これも古い建物で、階段を上がっていくところからしてわくわくする。
Waitingroomは大阪でいうとちょうどhitotoのようなところ。今は「Night Songs」という5人の作家によるグループ展で、これが拾いものでした。加藤豊、イベット・ジヘルボムが特に素晴らしく、技巧もさることながらどこを取ってどこを残すかのセンスがいい。これはちょっと欲しいかなあ。自分には過ぎたことだとも思うけど、できないことでもない。うーん。辻可愛ら3人も良くって、このwaitingroomというギャラリーのセンスがいいのだろう。加藤豊の彫刻作品なども見せてもらったが、やはりドローイングがいいです。とりあえず400円でZINEを買って帰ったが、さてどうする。
渋谷駅まで歩き。すぐそこが繁華街だというのに落ち着いた雰囲気があり、夕方という時間もあってこの道のりも楽しかった。渋谷に入ってしまうともうすごい人で、まあそれはそれで面白いか。ホテルの多い界隈に入るとラブホテルから手をつないで出てくるカップルやら風俗関係と思しき美人さんやらで興味深い。大阪ではこういう雰囲気はあまりなかったと思う。実はコーヒー豆を買いたかったのだがめぼしい店がみつからず、帰宅。
夜、久しぶりにクスミティーを飲む。やはりうまい。