怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

六本木アートナイトとかフルクサスとか

昼食に焼きそば。もさもさ食べる。
早目に出かけ、国立新美術館へ。いつもながら国会議事堂前駅の静かな雰囲気は好きだ。曲がったホームと格子の壁が丸くなっているのもいい。
今日は「イメージの力」展。国立民族学博物館の収蔵品を持ってきたもので、あそこは収蔵品がものすごい割に展示替えを頻繁にしているわけではないので、僕も未見のものが多数あると思って期待してやってきた。
そして今日は六本木アートナイトで無料。人は多いだろうが少し賑やかでもみんぱくの展示なら大丈夫だろうと思って来たのに、意外と人はまばら。普通。全然多くない。ありがたいような、それとも腹立たしいような。
展示は思った通りで興味深いものが多数。みんぱくと違ってエリアで分けて学術的に迫るのではなく、世界に共通する原始宗教などの発想からスタートして各民族の類似と相違を見せるかたち。このほうが美術館らしくてよい。むき出しで展示されているものも多く、その点も好感が持てた。図録も良い出来だったが、金欠につきまた次回に買うことにした。
六本木でギャラリーをいくつか周遊。Ota fine artsでさわひらきの作品を見る。静謐でよいものだ。東京オペラシティの展示は見損なったが、やはり無理して行けばよかったかな。
禅foto galleryでの張照堂もなかなかよかった。全く知らない写真家だったが、モノクロの写真からみなぎる得体のしれない迫力が見事で、また何かしら見てみたい。
タカイシイでIrving Penn「Cigarettes」展。このころになるとぽかぽか陽気はどこへやらで寒くて仕方なかった。
清澄白河へ移動。
歩いてTAPギャラリーで「松下初美」展。写真家本人のお見合い資料という体の連作写真で、その発想に驚かされる。過去の作品も見せてもらったが、川内倫子の透明感と荒木経惟の情動感をあわせもったような作風で、なかなかいいものだった。ギャラリーの方もかなり気に入っている様子だったし、名前を覚えておきたい。
続いてANDO GALLERYで舟越桂「New Drawings」展。ドローイングは昨年末に一点見たことがあるが、その時は彫刻家の余技程度の感想しかなかった。しかし等身大サイズの作品に囲まれてみると、これは彫刻作品と同等の迫力がある。彩色され眼を入れた彫刻にこちらが見られているような気にさせられる不思議な存在感とこのドローイングはほとんど同じものだ。
あまり時間がなかったが、素晴らしい作品。見てよかった。
東京都現代美術館フルクサス・イン・ジャパン2014。今日は塩見允枝子さん。今までに美術館で見てきた作風から察せられるとおり、潮見さんの演目はとても繊細で詩的。スタインウェイのピアノをだいぶ痛めつけてはいたが、しかし石を載せてもビー玉を落としても、それでも目指しているものは美しさだ。お年を召されてもやはり上品で美しい塩見さんからビー玉を受け取ることができたのもうれしいサプライズだし、投げ飛ばされた楽譜をなんとかゲットできたのも幸い。終わったら皆先を争って取りに行くのだろうから僕なんてとても、と思っていたら、皆さんが控えめだったので助かった。
今回のフルクサス企画、こうしてみると全部参加したかったという気にもなってくるが、半分行けたら十分かな。
終わって急いで六本木へ。宮内優里のライブを最後5分くらいは聞けるのではと思ったのだが、会場となるアトリウムがどこなのかさっぱりわからない。近づいてようやく案内表示が出るが、それまでは全く見当もつかないので不親切にもほどがある。六本木ヒルズもそうだけど、案内が不十分な施設なんてろくなもんじゃないですよ。もともと予定もないけど、そういうところでは極力お金を使わないようにしたい。
というわけで落胆しつつ国立新美術館へ。六本木アートナイトは夜になると盛り上がるのか、人でいっぱい。いっぱいなのだけど、別にアートを求めているわけではなく、手っ取り早いお祭りという感じで、僕のような人間にはむしろ疎外感すらあってイライラする。
中村一美展は足早に。最初はあまり惹かれなかったが、対策の色彩美と具象と抽象に揺れ動く絵はなかなかのものだった。タイプとしては流麻二果さんが近いのでは。
最後にもう一度「イメージの力」と思ったら長蛇の列。結局最終入場時間が来て、どうするのかと思ったら一気に人を入れてしまい、会場は芋を洗う混雑に。当然展示品も危険スレスレの状態で、僕も楽しんでみてられない。入れざるを得なかったのだろうとは思うが、あの状況をみるとシャットアウトすべきだったのではと思ってしまう。
最後はミッドタウンでcro-magnonのライブ。初めて見たけど、低く伸びてゆくグルーヴがたまらなくカッコいい。こういうオープンな場も悪くないが、狭苦しい箱で見ると迫力あるだろうなとも思った。
食事する時間もないまま23時過ぎとなり、死にそうに帰宅。駅で半額弁当が残っていたので助かった。それにしても寒かったな。