怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

サントリーミュージアムにて「レゾナンス 共鳴」展。大阪駅からバスで1時間弱。ぼけっと乗っているとあまり時間を感じない。開館の少し前に天保山に着いたのでショッピングモールの横を通って向かう。入口の近くにカラスがいて、頭のすぐ上を何度も通り過ぎる。いつこんなことを覚えたのか、どうやらわざとやっているようだ。反応すると調子に乗るので無視。誰か懲らしめてやってくれないか。
入ってすぐがイケムラレイコ。真正面から見ると特にどうということもない風景画に見えるが、離れて斜めから見るとぼおっと浮かびあがる感じが素晴らしい。夢の中の風景を描いたということだが、それならば正面からしっかりと見るものではないのは理の当然だろう。5階ではもうひとつジャネット・カーディフ「40声のモテット」が良かった。リヨンやパリの教会で聖歌を聞いた時の感じに似ている。これは音楽の素晴らしさなのかそれとも現代アートなのかはわからないが、3度も聞いたのはよほど気にいったからだ。実際聞き入っている人は多かった。ただ、用意された椅子に腰かけて聞いている人が多かったが、これは立ってスピーカーの高さに頭を置いたほうがずっといい。気づかない人が多いようなのは残念だった。
4階ではヴォルフガング・ライプ「ミルクストーン」が美しく、また法貴信也も気にいった。マーク・ロスコ草間彌生もいいのだが、展覧会の構成からは少し浮いていたように思う。
2時間ほどで見終わり、ショップを覗いて帰る。帰りもカラスが寄ってきた。
昼食は船場女将小路の宮崎神楽で日替わり。ここも遊遊と同じくタバコを吸っている人がいるが換気が良いのかあまり気にならない。それにしても遊遊のひどかったこと。
帰宅後、昨夏もらって放置していた「地震・教団」を読む。震災復興の記録で、そこはどうということもないのだが、橋本治の随筆が収録されていて、これがまさに橋本治という素晴らしい考察だった。現代屈指の思想家だと思うのだが世間の評価がそれほど高くないのは不思議だ。読んで捨てようと思ったのに捨てられなくなった。