怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

横溝正史「三つ首塔」読了。
昔々、テレビで放映された金田一耕介シリーズの一作だが、主役の音禰を演じる真野響子の美しさが格別で、シリーズの中で最も印象に残っている作品だ。連続殺人のミステリーはさほど印象になく、犯人すら覚えてない。ただお嬢様である音禰(この名前からして良い)が正体不明の男にメロメロにされていくところやラブシーンが強烈だった。生きて帰れるかどうかもわからないのに、穴倉の中で愛欲に溺れてるシーンとか。子供に見せていいのか、これ。
今読んでみても、音禰ははっきりと真野響子でイメージされるから、よほど印象的だったのだろう。確かに品性とエロス、意思の強さの絶妙なバランスがまさに真野響子で、ほかの女優をキャスティングしたらまるで印象に残らなかったろう。
金田一耕介シリーズで次に印象に残っているのは真珠郎。これは三つ首塔にも出ていたピーターの怪演もさることながら、互いに恋心を抱いた令嬢を親友に犯られてしまうというところがゾクゾクしてしまう。こっちは大谷直子だったか。作品としては悪魔の手鞠唄が随一だと思うけれども、当時小学生の僕にエロスをおぼえさせたものとして自分史上に輝く作品だ。
夕方、日本橋散策。PCSは明日で閉店とのこと。今後はネット販売だそうだが、マイコンショップPCSの名の通り、かなり業歴は古いのだろう。古くからのお店がなくなるのはさびしい。という僕も、メディアを買うことが減り、そもそもPCSは国内メーカーに強かったせいで台湾メーカーを求めるときには役に立たなかったりもしたので、10年前と比べて最近はめっきり足が遠のいていたのだが。半額セールをやっていてなにか買いたかったが、先日買ったばかりなのでどうにもならず。さようなら。
蒼月書房に入ったら、無音だったのがいきなり店主が見汐さんの「ひきがたり2」をかけはじめた。いつかライブ行ったときに買うつもりだったので、なんとなく視聴している気分。店で売っているので、もちろん買ってほしいというのもあるだろうが、それより何よりこの素晴らしい音楽を聴いてほしい、というのもあるだろう。僕が埋火を聴くようになったのは、複数のきっかけがあるけれど、そのひとつは蒼月書房のブログだったような記憶があり、そういう意味ではここで恩返ししておくのもありか、でもなんか言うのも恥ずかしい、と思いながら帰ってしまいました。すまん。
途中、ミスタードーナツの前を通ったらハニードゥの無料試食をやっていたので、ポンデリングを買い足して帰宅。もう5時前くらいだったから、係の人もさっさと終わりたかったのだろう。昨日もらった妻の話によるとずいぶんな人出だったというから、水曜の日本橋というシチュエーションのせいでここまで残っていたということなのだろう。ちなみに、もらったハニードゥは見た目は地味だが素朴な味わいで意外においしかった。オールドファッションよりよほどいい。