怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

いつも通りくらいに起きてのそのそと上本町へ。近鉄に乗り、1時間ほどかけて赤目口へ。妻との楽しい道中。
赤目口からはバスになるが、その時間などは全然調べてなくてずいぶん待った。調べてればもっとうまい乗り継ぎがあったんだろうが、なにしろホテルを予約したのが昨日だから仕方ない。それに、満員で積み残しが出る始末だから、乗り継ぎがうますぎても意味がなさそう。僕から見ると満員にはほど遠い気もするが、ここは都会じゃないからね。
赤目口に到着。鄙びた土産物屋に惹かれつつ赤目四十八滝へ。入場料を払わされるのはいったいどういう仕組みなんだろう。法的な根拠はどうなってるんだろう。それに所詮は山道なので、入場口以外から入れば金を取られることはないはずだ。遊歩道の整備には金がかかるだろうから出すのは全然いいのだが、そういうことを考えるのが好きな性分。
妻と二人で遊歩道をたどってゆく。前回ひとりで来たのは何年前だろうか。あのころはずっと元気で、どんどん歩いて奥まで行ったものだが、そのころのペースは無理だろう。それに人が多いからむしろじれったいくらいのペースになる。結果的にはそれでよかった。滝は水量が少なめかなと思ったが、そうそうベストなタイミングなんてあるわけないし、飴が降ってないならそれでいい。期待した紅葉はそれほどではなかったけど、まあいいか。見ごろだったらもっと人が多いだろうし。
途中、おばさんが転んだのか救急隊が駆けつけていたのと、茶屋で食べたおでんがおいしかったのが印象に残った。
標準的なコースをを歩いて引き返す。
最後に土産物屋などをひやかすのだが、どこもそう賑わってるわけではなく、今時はみな財布の紐が固いようだ。昔ながらの土産物には誰も手を出さないし。そういうものの中に面白いのがあるかなと覗いたりはするが、まあなかなか難しい。
最後に草餅を食べてバスに乗ろうとしたところ、すでに積み残しになっており、30分後のに乗るしかない状況。僕から見ればあと2人くらいは乗れるのだが、といっておとなしく次のバスを待ってる人たちの先を越すわけにはいかない。しかも混雑につき定刻に着くかどうかわかりませんとのこと。すごいね。あきらめてタクシーにでも乗ろうかと思ったが、そのタクシーがいないからどうにもならない。こういう時にフットワークが軽いのがいいところで、即決で駅まで歩き始めた。
バスで15分ほどだからかなり遠いのだが、下り坂だから意外なほど足が進む。滝で往復3時間は歩いてるというのに、たいしたもんだ。少し汗ばみつつ無事に駅に到着。目標の列車には充分間に合ったし、結局バスを待つより早かった。バスは列車の出る少し前に到着したが、乗ってる人は気が気じゃなかったろうから歩いて正解だった。
そんなわけで近鉄で鳥羽へ。
鳥羽駅には5時前に到着、送迎バスも予約変更したので難なく乗り込んだ。陽はもう暮れている。
僕たちとおじさんを乗せたマイクロバスは入り組んだ山道をすいすいと丘の上へ。マリテーム海幸園まではあっという間。
まあまあ適当に選んだこのホテル、丘の中腹だからホテルの規模の割に玄関がかなり狭く、そして時代遅れの結婚式場のような体裁。ちょっとびっくりした。この時代遅れ感は中も同様で、いかにも昔の人たちが空想で作った西洋、みたいなホテルで、そのニセモノっぷりがなかなかたまらない。時代や国や様式などおかまいなしに西洋らしいものを詰め込んだキッチュさは今となっては面白さに直結している。広大なロビーとそこから見える鳥羽湾の眺め、広い廊下や部屋の作りはバブルの名残りだろう、贅沢だ。こういうところは本来社員旅行だのを当て込んで作られたのだろうなと思うけれども、今はそういうものはとんと減った。いまの若者はもっと気の利いたホテルに行くか、安く済むところを選ぶだろう。そこをあえてここ。なかなかいいじゃない。部屋なんて、僕が普段泊まる安宿の10倍くらいの広さがありそうだ。無駄っていいね。仲居さんが部屋に案内してお茶を淹れてという流れも新鮮。そういうや子どもの頃そういう経験したっけな。部屋からの眺めは雄大だけどあいにく日が暮れてなんにも見えない。ここから見る夕景は相当なものだろうなとは思うが、まあ今更だし早く着いたって景色以外にはなにもない。
とりあえず風呂に入る。大浴場は日曜の夜とあってほんの数人しか入ってなくて、しかもしばらくは僕の独占状態だった。狭い露天風呂も僕のもの。快適そのものだ。のんびりしすぎて予定時間を少しオーバーしたけど、風呂に時計が付いてるのは便利。気が利いてるね。
さて夕食。レストランはここも洋風で、テーブルはまあいいとして、各テーブルに目隠しがあって見通しが悪い。給仕のおばちゃんというかおばあちゃんもやりにくいだろう。あとで聞いたらやっぱりそうらしい。
ビールを飲んで乾杯。刺身だとかはまあ普通なんだけど、伊勢海老はさすがの美味さで、妻にたくさん食べさせた。妻はだいたい遠慮するほうなのだが、よほど美味しかったのだろう、遠慮なくどんどん食べていた。あわびはいつも固いだけで美味しいと思ったことがないが、ここの踊り焼きは柔らかくそして美味しかった。なるほど、あわびってこういう味なんだなと感心した。ステーキは冷めてて固かったが、あわびの残り火で温めるとだいぶマシになった。そして炊き込み御飯もおいしかった。
レストランだけは景色がイマイチだったけど、騒がしい団体客に邪魔されることもなかったのでまあいいかな。妻も喜んでて、来た甲斐があった。
あとは部屋でごろり。
何もすることがないっていいね。
早めに就寝。