怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

TOKYO3

本来ならかつやなどで大量の定食をかき込みエネルギーを充填するとこだけど、昨日の夜食がいけないのか暑さで珍しく食欲が減退しているのか、その気になれずに上野のルノアールでモーニング。無理はいけない。土曜だし観光客で混んでるかと思ったら全然そんなことはなく、先客は一人。最上席は無理だがいい場所をゲットした。観光客はもっとお洒落なカフェでも行くのだろうか。コーヒーにプラス数十円でモーニングセットになるのだが、そのコーヒーが結構高いので、静かさや落ち着きを求めてなければオシャレカフェのほうがいいのだろう。接客は丁寧でレベル高いし、時には変な商談も聞けそうでいいんだけどな。ただ、出てきたトーストが冷めてるのはどうしたものか。そんなに忙しくもないのに。
暑い上野公園を歩いて西洋美術館へ。途中、上野の森美術館ではエッシャー展目当ての客が大量にいたのだが理解しがたい。本物を見るのは大事だけど、エッシャーは画集見れば充分じゃないですか?違うのかな。見てないのに決めつけるのはよくないか。
その国立西洋美術館、目当ての「リヒター/クールベ」は常設展のなかにあるそうで、久しぶりの西洋美術館コレクションを拝見。普段からこういうのを好んで見ているわけではなくても、機会のあるときにちょこちょこ見てるうちにだんだん知識も眼力も付いてくるもので、最初に来たときよりだいぶ面白い。おかげで思ったより時間がかかる。あと、新館って前からあったって?記憶がないけど、おかげで近代美術あたりまでフォローできてて、それもよかった。授業の一環なのか、高校生たちが集団で来てて、ちょっと羨ましかった。僕にはそんなのなかった。
ところで目当ての「リヒター/クールベ」だけど、これはリヒターの「シルス・マリア」をクールベと正対させる企画。ミュンヘンのレンバッハハウス美術館を彷彿とさせる。あの、風景画の奥底に隠されたリヒターには必然性があった。この企画でもそうだが、その必然性にどのような名前を付けられるのか、僕にはわからない。企画者にもわからないかもしれない。しかし、リヒターとクールベを交互に見るという体験には、不思議な価値がある。それを実感できない人が何十人も通り過ぎていくけど、わかる人にわかればいい。美術ってそういう特権的なものなのだ。傲慢な言い方だけれども、僕はそう思っている。
日比谷線で八丁堀へ。不便な日動コンテンポラリーも八丁堀からなら近い。次に東銀座を目指せば移動もしやすい。今までなぜやってなかったんだろう。ギャラリーの地理もだんだん把握してきたからこそだな。
その日動コンテンポラリーは「Identity XIV - curated by Mizuki Endo -水平線効果-」という、キュレーターによる企画。北加賀屋で見た「春のカド」の延長戦といってもいい。僕はもちろん竹下昇平を見たくて行ったのだけど、不思議な調和がとれているのは春のカドと同じ。どの作家がどの作品がというわけではないのに、ホワイトキューブの真ん中に立って見回すと不思議な感動に包まれる。春のカドでも感じた、この作品群が作品であるという感覚だ。地味な企画だろうけど、来ればきっと満足できるはず。
メゾンエルメスフォーラムに移動してミルチャ・カントル「あなたの存在に対する形容詞」展。酷暑の東京にヘトヘトだったところに涼やかなチャイムが不意打ちのうれしさ。ひたれる。
リンガーハットで餃子定食。悪くないけどご飯がよくない。米質というより炊き方が悪い。残念。
ガーディアン・ガーデンを覗いてから資生堂ギャラリーへ。アートエッグの佐藤浩一だが、入った瞬間こそ期待を感じさせるが、その後の展開が尻すぼみのような。少し前に終わってしまった冨安由真が見たかった。
銀座地区の最後は東京画廊BTAP大岩オスカールの新作個展。
暑いが表参道へ行き、延々と歩いてKANA KAWANISHIへ。麻布のなかにあって、かなり古いビルにある。こういうギャラリーはなかなか面白そうだ。実際、「Body Politics: What Defines the Body?」は片山真理さん目当てで行ったのだが、初見の作家が多く興味深い作品が集まっており、審美眼の確かさがうかがわれる。ただ、エアコン故障中には参った。スタッフたちはよく平気なもんだなあ。炎天下を延々歩いて表参道に戻り、AKIO NAGASAWAの徐震とスパイラル。徐震はいかにも中国の現代アーティストといった作品たちで、中国作家を紹介する展示は意外と少ないので有益だった。
渋谷へ移動しCASE TOKYOは「地平」展。復刊された地平の作品群が壁一面を埋め尽くし、圧巻。面白いのは、その中から好きな作品をその場でレーザープリントしてくれるというもの。たったの500円だから観覧料と思ってもいいくらい。インテリアとしても格安。サイン入り(あらかじめ用紙にサインしてあるのだろう)だし、これは買わない手はない。迷うのも楽しいが、絞り込んだ末に百々俊二の喫茶店内を捉えた写真になった。ゲットだ。
NANZUKAで空山基。好きな作家というわけではないけど、こうして作品に囲まれると、なんとも圧巻。クラクラする。極めてる。はしゃいでる高校生がまぶしい。
ヒカリエは国川広「未分のレポート」展。ちょっと面白い。
新宿経由で高円寺へ。とよんちにはもう寄らなくていいので、とりあえずブックオフをチラ見してからアニマル洋子。今回は収穫なしでした。暑いのと疲労もあって、棚をしっかり見れない現実もある。しんどい。
マクドナルドで軽食を補給。靴を脱ぐと疲労はだいぶ取れる。一日中歩き回って疲れるのはいつものことだが、この暑さでは本当にしんどい。ライブ見れるのか心配。ここからUFOクラブへはかなり距離があるしとげんなりして気がついた。一日券があるから地下鉄に乗ればいいんだった。そうだった。東京時代は普通に歩いてたから気がつかなかった。
最初がHALLUCIONZ。あーこういうバンドいるなあ。昭和歌謡とガレージを混合させたような。僕は休憩。なんか復活してきた。
2番目がニューアクション。パーカッションが入ったのと、そしてギターが山崎怠雅さんになっていた。メンバーチェンジの多いバンドだが、ドラムのふなもとさん含め、これが最終形態になるんだろうか。フルートをメインに据えた斬新さと絶妙のサイケロックさ、目を惹くビジュアル含めて、きっかけさえあればいつでも火はつくはずなのだが。山崎さんは鈴木さんの隣で控えめに弾いてるようでいて相当なことになってるし。だいぶ食われてる気がしないでもないが、僕としてはオッケー。久しぶりのライブはメンバーも曲もかなり変わってたが、やはり他では味わえないライブ。早く音源出してくれ。そして関西ライブも。
バーレスクエンジンはあまり見れないようでいて意外と縁がある。今回は後ろから眺めてけど、ハーモニカをダイナミックに吹き鳴らす鮮烈さとコハラさんの独特のキャラクターは遠目に見てても楽しい。そりゃあちこち呼ばれるよなあ。その割に大阪にはあまり来てない気もするが、このアクの強さは絶対ウケるんだけどね。
最後は再結成というどばと。正直、全く知らなかった。ブランクは全く感じさせず、メンバーたちは他のバンドでやってたのかな。割と腰の座った日本のロックて感じだ。
さっと帰り、時々寄ってたスーパーで弁当を買う。懐かしいなこの感じ。
賑わう歌舞伎町界隈、今日は特に賑わってたがよく考えると土曜日なのか。そうだよなあ、普通はこういうもんだよなあ。ライブ見て草臥れ果ててホテルへ倒れこんだりしないんだよな。
今日もチェックイン。だんだん手順は覚えつつあり、動きに無駄がなくなってきた。チェックアウトを繰り返すのは面倒だが、駅からホテルへの道のりが賑やかなのはいいかもしれない。上野は寂しすぎる。ロッカーや共有スペースも広いし、客層もいい。外国人は多いがマナーは気にならない。上野はなあ、、、
明日の下調べをして爆睡。