怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

TOKYO4

最終日。ドタバタしつつもチェックアウト。
今日も食欲不足でベルクでモーニングになった。これよく考えるとそんなにお得ではないのでは。単品でもいいような。
JRに入り、延々と構内を歩いてバターバトラーでお土産を買う。そして延々と歩いてコインロッカーに荷物を入れる。この時間の構内はそこそこ空いてるようだ。さて、そのままJRで池袋、そして練馬区立美術館へ。中村忠二「オオイナルシュウネン」展。美術学校に短期間在籍し、団体にも籍があったとはいえ、この作家は上手いとは言いがたい。これはと思うものも数枚である。ただ、描くことへの桁外れの執念が絵に滲む。イサム・ノグチを見に行くべきだったのかもしれないが、これはこれで面白かった。
思ったより早く東京駅方面へ。しかしここで動きかたを間違えたというより複雑すぎるんだよほんとに。時間とお金を捨ててしまった。二度と同じミスはしないだろうが、失態失態。
東京ではもう一度メゾンエルメスの展示をのぞこうかと思って歩いてたら、江口寿史の原画(複製)展が。興味あるわけではないがせっかくなので入ってみると、上手い。これは上手い。絵心なんてない僕でも一目でわかる。ここしかない、これしかないという線がためらいなく引かれている。名人である。マンガを描かなく(描けなく)なって白いワニが頻出し本当に描かなくなったのも無理はないか。線をここまで極めたらストーリーなんて考えるのは無駄だ。思いがけずいいものを見た。記念にガチャガチャをやって、まあまあのものが出た。
エルメスは二度目では感性も薄らぎ、立ち寄り程度で。GINZA SIXを初訪問。しかし店内各所に飾られている「アート」はまさに装飾物であり自己顕示欲の産物であり、醜悪と表現すれば足りる。
現代アートが流行ってるらしいぞ金があるから買っておけ飾れば箔がつくだろう。
くだらない。
ギャラリーが2つ入ってるので見てまわり終了。今後はギャラリーの情報チェックをしておくか。
3331へ。もちろんお目当てはポコラート。今度も投票用紙があり、しかも不正禁止とかなんとかの文言が。くだらない。投票なんかやめてしまえ。不正する奴もバカだがそもそも投票させるのが間違ってる。
ただ作品は今回も面白いものが多く、やはり来る甲斐はある。今回は障害のない人による作品も多かったように思う。既成の文脈に拠らない美を求めているのだから自然の成り行きだろう。作品・作家が多すぎてどれが良いとも言えないが、映画のエンドロールをモチーフにした作品がインパクト大だったかな。
2階等のギャラリーは今回見どころなし。
空腹でローソンに立ち寄り、イートインスペースでパンとモンエナ。全く効いた気がしない。そして久しぶりにうさぎ屋でどら焼きを1個買いそのまま食べ歩き。温かふわふわで美味いな。妻にも買って帰りたいが、明日ではこの味は出ないだろう。残念だけど。
バス停で待ってたら停留所を間違えてたらしく、なんかもう。ああやだやだ。
1本遅いバスでなんだかよくわからない、陸の孤島みたいなところへ。東京にもこういうエリアがあるのか。墨東とか玉の井とかあの辺になるから、まあ捨て置かれたということもあるのかもしれない。歩いてると京都の外れくらいの雰囲気があり、僕は結構好き。通勤の便は悪いかわりに、地域で結びついて暮らしているように見える。真っ青な空から降り注ぐ熱波を浴びてたどり着いたところはあをば荘。竹下昇平個展「しんこうけい」を見るためだけにはるばる来たわけだ。東京に住んでたってそうそう来ないとこだぞ。日曜日だというのにしんと静まり返った一角に看板が出ていて、すぐにそれとわかった。北加賀屋にあるopaltimesなどのギャラリーと似た雰囲気がある、ちょっと前の建物を利用したスペースだ。たぶんしもた屋だろう。エアコンはなく、開け放しのギャラリーに扇風機が1台、熱気をかき回している。死んだ猫のような静けさの中、一枚一枚絵を見てゆく。竹下さんの作品は春から夏にかけての強い日差しを感じさせるから、この季節に汗だくで見るのにぴったりだ。水色、緑、黄色。ビビッドな色彩が弾けながら調和し若さを誇っている。風景画というジャンルにはなるだろうが、風景を見ているという感覚はほぼない。季節を、空気を、温度を感じさせる作品たちだ。
広いギャラリーではないのでゆっくり見てもたいした滞在時間にはならない。踵を返して地下鉄の駅に歩き、本郷へ向かう。
本郷の懐かしい東京ワンダーサイトじゃなかった東京アーツアンドスペースへ。3人の展示を見て、まあまあかな。名前は変わったが中身は変わりないようで安心した。
最後に最近できたという新宿HMVへ。カセットコーナーがあるとかいうことだったけど、たいした量はなく、ほとんどレコード。吉祥寺といい、HMVディスクユニオンみたいな路線で生き残ろうとしてるようだけど、集客はだいぶ差があるが大丈夫なのかなこれ。
そして大久保方面へ。途中に龍の家という僕も何度か行ったラーメン屋があり、確かにここは本場の味がするのだが、にしても並ぶのかという疑問が。まあ一風堂一蘭に並ぶよりはマシとしてもだ。
最後にバーガーキングで夕食。ひかりのうまでは立ち見になるのでここで足腰を休めておく。坂口諒之介ワンマンがここまで盛況とは。アイドル隆盛の昨今でも、本物の歌にはこれだけ人が集まるというのはうれしいことだ。
久しぶりの大久保ひかりのうま。今回は久しぶりのとこばかりで実り多い。
立ち見だし、バスに乗る都合もあるのでコーヒーを注文できないのが残念。代わりにぶどうジュースにしたが、こういうのも置いてるのね。
立ち見といっても什器にすがれる格好なので割と見やすい。しかも、柱の間にちょうど坂口さんが見えるという、実にいい塩梅の構図。蔵の中でひとり自分のために歌う坂口さんをそっと覗くような、そんな気持ちになる。待ってる間、一昨日ワンマンを見たKさんにも話したのだが、坂口さんは歌詞といい歌っているさまといい、自分自身に向けて歌っているように思える。自分のために歌う、それがいいのだ。坂口さんには、自分のために歌い続けてほしい。それからWhite Heat Oneも僕は大好きなのであちらも切れ切れに続けてもらえるとうれしい。
終演後、富士そばでもりそばを食べてひと息。そんなに空腹でもないけど炭水化物の力で眠るための工夫。
新宿駅でしばし雑踏を眺め、荷物を出して東京駅へ。この時間の東京駅は所在無げな人がぱらぱらと居り、このなんとも言えない雰囲気がよい。
地下のトイレで用を足し歯を磨き、荷物を整えてバスに乗り込む。新幹線乗り場あたりのトイレは初めてだったが、人が少なくてきれいでよい。
バスでは女性に席を間違えてるのではと声をかけられ、すわダブルブッキングかと焦ったが、単にあちらさんの間違いでした。よかった。
富士そばの効果はイマイチで、疲れすぎなのか爆睡はできず、浅く眠りながら大阪へ。