怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

東京名古屋編3

ホテルをチェックアウト。傘は戻ってこなかった。死ね。
リベンジでかつや。リベンジには成功したが傘は。ああ。
池袋でコインロッカーに荷物を入れ、恵比寿で東京都写真美術館へ。もちろん目的は「センチメンタルな旅 1971-2017-」。
妻・陽子との日々に焦点を当てた展示は他の個展とは一線を画するもの。センチメンタルな旅のオリジナルプリント全点だけでなく、冬の旅やチロまで、荒木経惟の世界が凝縮している。そこにストーリーがありテキストがありという前提があることに懐疑的なひともいると思うし、冷静に構図を計算しピントを合わせシャッターを切る荒木がいることもわかってはいる。それでもこの写真群は僕は好きだ。
あと、写美の職員さんは、再入場の可否を尋ねると「ぜひもう一度見てください」と言うんだよね。この言い回しが好きだ。
地下の「エクスパンデッドシネマ再考」。こちらは作品の面白さよりも資料価値に重点があるので、僕のようは素人はいくつかをつまみ食い。もったいないかもしれないけどそれでいい。
最期にもう一度「センチメンタルな旅 1971-2017-」を見て、売店見て終了。
横浜に移動し、 黄金町バザール。しかしこれが駅からどうしたもんやらさっぱりわからない。とりあえず駅からどう行けばいいのかの案内がなく、ただスマホの小さい地図を頼りにするだけ。しかもチケットをどこでパスと引き換えるのかわからないままにいくつも展示を見る羽目に。チケットなくても見れるのか。いや見ていいわけじゃないだろうけど、実質そうなっていて、パスポートを確認されるのは2ヶ所くらい。展示方法からしてそうならざるを得ないんだろうけど、なんかもやもやするなあ。で、作品も正直わざわざ見に来るほどのものは稀で、有名作家のものだけ見ればいいというのが実情。これならこっちは切ってポコラートか引込線にしたほうがよかったかもしれない。まあそういうこともあるのが展示ってもんだけどさ。
あと、Chim↑ Pomはアートへの向き合い方には賛成するところも多いけど、ことインタビューについてはヘドが出る。なんだあのシリアスな現場でのエリーさんのチャラチャラした喋りは。不愉快でならないし、作品にして公開するまでメンバーの誰からも異論は出なかったのか。エリーさんはキャラクターとして活用するだけにして、ああいう場面ではもう少しまともな人が立つべきだよ。住民のおばさんの目を見なかったのか。
アートブックバザールでの古書漁りは楽しかったけど、目ぼしいものは先客が全部攫っていったようで収穫はなし。それはそれでいいけど。おばはんがレジで店員相手に延々しょうもないことを喋ってて、レジ待ちの女性と店員が気の毒だった。おばはん何しに来たんだ。スタンプ集めか。
あと、ホットコーヒーを飲んだら結構臭いが充満するし熱くて大変だった。
とかやってたら時間が経ってしまい、あわてて戻り、西荻窪へ。まるで見覚えのない、と思ったけど妻と一度だけ来たことがあったか。開発されているようなそうでもないような街のメインストリートをずんずん歩いた突き当たりにあるのがototoharu。竹浪音羽さんが店番をしており、しかもお目当の作品集を増刷中で、ひっそり買ってゆくのではなく簡単に最近の作品のことなどを話すことになった。やや余計なことに踏み込んでしまったりもしたけど、好きな作家さんのことだったから。ある程度共通したものがあるからそうなるんだろうなと思って、ちょっとうれしかった。
駅前でてんやの日をやってたので、かきこんで夕食に。東京に来ると食生活が貧しくていけない。
東中野へ。懐かしいなあ、この道のり。落合soupに到着、DJタイムを経て、最初はmaki。
次がReizen。エフェクターを使ったミニマムでトリッキーでアイデアのあるアクトは魅力的だった。この曲はセカンドに入ってるとのことだが廃盤のようなのでもし巡り会えたら、くらいになりそう。買ったのはsapphireというカセットテープのドローン。これはこれで面白いだろう。
最後がNobuki Nishiyama。落合soupのPAさんと言ったほうが通りはいいだろうが、この人がこんなに驚きのミュージシャンだとは知らなかったし、多数のリスペクトを集めているとは知らなかった。
なにしろ鼓膜にダイレクトに訴えかけてくる音には驚きで、どうやってこんな魔術的な音世界を作れるのか、驚嘆するばかり。今日はいくつか迷っているなかで決定打はなく、ただ久しぶりなのと風呂に入ってみたいというのが最期の決め手でここに来たわけだけど、これでよかったと安堵した。
階段を上がって松の湯へ。外から見るとビル作りの近代的な風呂屋に見えるが、中は意外と古めかしい。浴槽は小さくて客が数人いるだけで落ち着かなくなってしまうが、ひなびた雰囲気はあるし番台ののんびりしたおやじさんも味がある。いい気持ちだった。
時間があったように見えて意外とそうでもなく、池袋で荷物を引っ張り出したら一目散に富士そばに入って二枚盛りをかきこんで、歯を磨いたらもう時間はわずか。同類のカートを引いた女子たちと競うようにターミナルに向かい、なんとか乗車。慌ただしかった。
今回はかなり久しぶりの4列シートということで不安もあったが、僕の体型なら全然狭くない。体を包み込むようなシート設計のおかげもあってなかなか快適。やっぱり僕は前後のシートピッチが重要なようだ。
疲れていたのとお風呂のおかげと、あとそばの炭水化物のおかげでわりとあっさり入眠。