怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

東京名古屋編2

起きて支度して出かけようとしたら傘がない。ほんと死ねよ。なくて困るならせめてボロいのを持っていけ。高そうな折り畳みに手を出す奴の育ちが知れる。まあでもそんな奴のいる宿なのは確かなんだけどな。
憂鬱に出かけたら設備メンテナンスでかつやが臨時休業。ついてない。
憂鬱は倍加してとりあえず吉野家で牛丼食べて、ヨコハマトリエンナーレへ。入ってすぐの展示がまずつまらないので期待はこの時点で霧散。あっそう、くらいの気持ちで流し見る。もちろんなかにはいいものもあるし、前回も横浜美術館会場は低調だったし、今回は一作家あたりのボリュームが増えているのでやや見やすいとかはあるけど。美術館の展示室を全て使ってすらいないなんて、なんの祭りなんだか。
という気持ちで赤レンガ倉庫一号館会場へ。
こんな会場なんて期待できるわけはないと思いつつ、そして小沢剛の帰ってきたシリーズはろくな出来ではなく、期待はどんどん萎んでいき、宇治野宗輝はもちろんいいけど昨日見たりしてるし、しかし3階最後の照沼敦朗はとてもいい。久しぶりに作品を見ることができてよかった。僕が注目した作家さんがまた成長していてうれしい。
そして2階は待望の大西紀行。やはりギャラリーに出ていたものよりこちらの方がいいもので、うっとりする。素晴らしかった。
そして、大西紀行を見ているときにはうるさいと感じていた隣のラグナル・キャルタンソン「ザ・ビジターズ」が最高だった。しっとりと落ち着いた音の奇跡のハーモニー。それが最後に同じ部屋に集まり、そして草原に出てゆくラストは感動的な幸福感がある。このヨコトリ、この1作(と大西紀行と照沼敦朗)だけで来た甲斐がある。
ただし、音が隣の展示室に響き渡るのはなんとかしてほしかった。これだから急ごしらえの展示はダメなんだ。
幸せになりつつも思ったより時間がなくなってしまい、最後に柳幸典を。インスタレーションはまあまあ、てとこだけど、各所に屹立している核実験のプレートの意味がわかってない人がいて、いやそこはわかろうよと。
そこからBankArt。さすがに疲れ切っている自覚はあり、ちゃんと鑑賞できてなかったかなとは思う。個別の作品はそれなりではあるけど、それが単発で終わってしまい、相互に作用して特別なアートの世界を構成するには全然至ってないのは本会場と同様。まあこれが所詮イベントというもので、だから僕はこういうアートイベントが嫌いなんだなとつくづく思った。
ただ、同時に別フロアで開催されている日産アートアワードは
最後にYCCで鬼頭健吾。これだけのインスタレーションに500円ですか。作品が悪いとは言わないけど、さすがにどうかと思う。カップルが「え、これだけ?」と呆然としてたのは気の毒でならない。若者の1000円は貴重だよ。
渋谷に戻り、バーガーキングをかきこんでミルキーウェイ。この道のりが懐かしくってしょうがない。東京の通勤は大嫌いだったけど、遊ぶのは楽しかった。
でそのミルキーウェイ、永友タロウから。デュオとは知らなかった。音楽的には好みではないんだけど、MCで大阪ならみんなノってくるとこで全然反応なくて東京はやだなと思った。僕が一人で手を挙げました。
2番目がPIGGY BANKS。音楽面そんなに興味ないと思ってたけど、前回よりは楽しく聴けたかも。洋子さん、大物の娘というのを隠すでもなく前に出すでもなく、自然体な感じでバンドをやっていて、こういうのが二世の理想かもしれない。
3番目がバーレスクエンジン。コハ・ラ・スマート氏の例のアレを間近で見ることができた。音楽の濃さは控えめだったかもしれない。もっとブイブイやってほしい。
最後はもちろんトーキョーキラー。とにかくね、kemeさんのギターがカッコいい。それに尽きる。それがあるから何を差し置いてもトーキョーキラーなんだよ。うまい具合に見れてラッキーだった。関西では知名度も今ひとつだろうけど、なんとか来てくれたら。
結構早めに終わったのでのんびりホテルへ。渋谷のスクランブル交差点や駅前で人が行き交うのを見ていた。都市はいいな。喧騒はいい。人混みはいい。こういう余裕がありがたい。演奏はもっと聞きたかったけど、この少しの時間も貴重なものだった。