怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

隣の部屋→ニキ・ド・サンファル

午前中はようやっとクリーニングを出したり。
昼から国立新美術館へ。どちらを先にするか迷ったけど、今日が最終日の「アーティスト・ファイル 2015 隣の部屋」から。アーティストファイルは毎年行われている中堅作家のグループ展で、今回は日韓の作家特集。日本はともかく韓国からの作家は名前が覚えにくいこともあって記憶には全く無い。だから期待度もないんだけど、そういう企画のほうが面白いという経験則もある。今回もやはりそうだった。
展示は日韓が入り乱れた流れで競作もありというボリュームなのでなかなか見応えがある。日本からの作家では横溝静の作品が印象的で、何の変哲もないような作品の配置がどことなく不気味さを漂わせて技ありの勝利。
韓国の作家はどうだったかというと、見たことのない作家だからか、新鮮さがあって非常によかった。キ・スルギはフレームの外に視線が行く作品を呈示することで見えないものへの想像と見えないことの恐怖、不安感を表現していていちばん良いなと思った。ヤン・ジョンウクの作品は無機物が生命感なく自律する毛利悠子と一見似ているようで実はかなり違い人間の意思によって機械的な動作を繰り返す作品で、似て非なるとはいえこれはこれでいいものだった。イ・ウォノの浮不動産は着目が面白く、現代アートとして楽しめるものだった。
ニキの時間が気になり、僕としては少し早めに鑑賞を終えた。
続いてニキ・ド・サンファル展。正直なところ特別好きってわけでもないし、身じろぎもせずに鑑賞ってタイプの作品は初期だけなので、そう時間がかかるはずもなかった。へええ、ふーん。ほうほう。こんな感じで進んでゆく。もちろん彼女なりの問題意識はあって、それは父親とのヘヴィな間柄も含んでいるから決して軽いものではないんだけど、中期以降はそれをポジティブな形で表現することに腐心しているからこちらもそう受け取ればそれでいい。というわけで結構あっという間に終了。
隣の部屋をもう少し味わえば、と思いつつ帰宅。