怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

カスパー・ハウザーの謎→komori + yusa

いつもよりやや遅くに目覚めたが寝る時間が遅かったのにこの程度か。なんだこれは。
洗濯をしたのはいいがゴミを発見し手でつまんだら虫。ゴキブリか?手を何度も何度も石鹸で洗う。
お昼はタイカレーじゃなくてトムヤムクン。前食べたときはイマイチと思ってたがそうでもないかも。ただ温めるときコンロの上で傾いてるなあ、という悪い予感が的中して盛大にこぼしてしまった。
午後は紅茶を飲む。少し湯を冷ましてから淹れたほうがいいかもしれないとようやく思うようになった。
夕方出発だがギリギリというか遅れてしまったのでUPLINKに駆け込む。間に合ったが席は端しか空いてない。僕の後に来た人は端で最前列という地獄席だったからそれよりはマシか。もう20分前に出ればいいのに、いつもこれだ。
今日はヘルツォーク「カスパー・ハウザーの謎」。カスパー・ハウザーの表情は最初から最後まで変わってないように見えるのだが、受ける印象は愚鈍な原始人から深遠な哲学者に大きく変わる。それはカスパー・ハウザーが教育を受け言葉と知識を身に付けたからではないだろう。彼は最初から哲学者であり、それが人間に伝わるようになるまで勘違いして見られていただけだからだ。彼はなにも変わっていない。
最後の解剖の場面で医師は自分の常識だけでもって彼を診断する。牧師や教授がそうであったように。しかしカスパー・ハウザーは牧師や教授の常識を軽々と超えて見せていたのだから、この医師の見立てが正しくないことは明らかなのだ。それを逐一書き留める書記のなんと卑小なことか。良い筆記ができたと喜ぶ書記は凡百の人間そのものであり、しかし実は人間とは本来カスパー・ハウザーのような存在だったのではないか。書記が延々歩き去る場面でそれを強く印象付けて、映画は終わる。ふっつりと映画が終わることでその悟りは確かなものになる。
事前の知識はほとんど持ってなかったので単なる謎多き人物を描いただけのもののように考えていて、こうした内容だとは思っていなかったので尚更後味が強く感じられた。
それにしてもドイツ語で話されるとそれだけで深遠に聞こえる。
実は空腹で映画の後半から辛かったので近くのなか卯へ直行。セールなので親子丼大盛りを食べる。親子丼なんて何年振りだろう。10年以上かな。ここは客が少ないうえに店員のインド人かパキスタンだかの人が落ち着いたいい雰囲気してるので気に入ってる。
そのあと懸案のalookで眼鏡の調節。完璧ではないけど忙しそうだったのでこれで十分。
新宿経由で大久保へ。もう始まってる時間なのでのんびり散策などはできず。
急いでお店に入る。受付がフロアにあるのはわかってるから開演前に来たかったのだが仕方ない。こそこそと座る。てあしくちびるとコモユサだから満席でもおかしくなさそうだけど、僕も体が4つ欲しいくらいの日だったから席は空いてた。
てあしくちびるは50分のセットなので聞いたことのない曲も多く、実はそういった曲のほうが僕の好みに合っていた。今までどうもピンとこないことがあったのだが、こういうロングセットなら引き込まれる。それに、よくあるライブハウスではしっくりしないところもあったのが、このひかりのうまという元喫茶店(というより、コーヒーの味からして現役でもある)の空間はピッタリだ。思った以上に楽しかったから、なおさら1曲目を聞き逃したのが残念だった。
後攻はkomori +yusa。ここはピアノがあるからもしかして、と思っていたそのピアノでのコモユサ。珍しい。アップライトなので少し演奏しにくそうだが、しかしピアノによる「すべてを白紙に」が美しい。遊佐さんの頼りなく儚いボーカルがピアノにぴったりで、そこに小森さんの爆発しそうになるのを抑えに抑えたギター。この編成だとアコギを使いそうなところをエレキで合わせてくるそのバランスがいい。もちろんEnd of the Worldではそのギターがついに轟音を発してカタルシスに行きつくのだけど。
曲目からしても音楽性からしても壊れかけのテープレコーダーズあってのこのコモユサなのは事実なんだけど、ではコモユサと壊れかけは同種なのかといえば実は全然別物で、同じ曲に別の魅力を吹き込んだユニットとして僕は今聞いている。このあたりがわかりにくいところで、だからアピールしにくさもあるとは思うけど、でも両方聞けばわかると思うんだけどな。もっと知られてほしいし、そうすれば音源だって出るんじゃないかと期待もしてる。
毎度のことながら終わったらさっと帰宅。
ひかりのうまは表の看板が前身の「キューピッド」のままだし「音楽と珈琲」では名曲喫茶と思われても不思議はなく、立地の良さもあって毎回のように喫茶店と思い込んだ客が舞い込んでくるので、これそろそろなんとかできないものかとちょっと思う。
早寝のつもりがそうでもなく就寝。