怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

パリ1日目

今回の旅で唯一寝過ごしてはいけない朝。早起きしないといけないとなるとそのストレスでいつも眠りが浅くなる。とはいえ、iPhoneの音を切ったままでアラームの音がしなかったから熟睡してたら危なかった。
荷造りとシャワーで30分。
サッとホテルを出るがユーロリールが開いてないのでポールも出入り口のところのパン屋も開いてない。リールヨーロッパ駅へは支障なく30分前に到着。あと10分は寝れたかな。ここのカフェは開いてるがさすがに高い。チョコクロ1.7ユーロとエスプレッソ1.8ユーロ。
ベンチで食べ終わるころにようやくホームの表示が出て溜まっていた客たちがぞろぞろ移動する。というかその動きでホームの表示が出たんだろうとわかる。
乗り込んで荷物置き場にスーツケースを置いて、隣もいないのでのんびり。通路側の席だったから窓際は埋まってるのかと思ったらそうでもなくてガラガラでした。タリスもだけど、荷物置き場の盗難は誰も心配してなさそう。
北駅到着。ホテルまではタクシーの予定だったけど、みんなメトロ向かってるし僕もいけるんじゃないか、とふと思う。タクシーは行列だろうし近いから拒否されるかもしれないとは思っていたから、メトロで行けるならそのほうがいい。
というわけでビジット3日券を買ったけど、メトロで行くのはいいとして、券は予定通り回数券と1日券を買うべきだった。あんまり、いや全然得じゃなかった。そりゃ都度都度買うよりは得だけど、比べる対象がおかしい。疲れもあったのかもしれないし焦りもあったかもしれないけど、もう少し冷静に判断しないと。
メトロに乗って乗換駅に着いて、電車がすぐ来たので慌てて乗ったら線が違ったようだ。
すぐ気付いて慌てて降りて、引き返すしかないかと思ったら並行して走っていたようなのでそこはラッキーだったけど、実は目的地まで並走していた。無駄骨だ。
ホテル着。荷物を置いた。階段の昇り降りはもちろん道路を歩くのもなかなか辛い。今の荷物量でもこの始末で帰りはさらに増えると思ったら憂鬱になる。
早速ピカソ美術館へ。この疲れにはレッドブルを飲むべきでは、とようやく思いついたのだが目についたスーパーには冷えたのが売ってなくてそのまま美術館へ。まだ10時頃なので閑散としていたが帰りには入場の列ができていた。
ピカソ美術館は初めて。それなりに広いが個人美術館なので見やすく、はかどる。
思ったより早く終了。いいお年なんだけどめちゃくちゃスタイルのいいシュッとした美人がいた。
ところでここのチケット、実はビジットで割引だったので尚更惜しい。馬鹿だ。
美術館を出たら男が時間を聞いてきた。怪しいパターン。しかも時計を見せても去らずにどこから来たとか俺も横浜に行ったとか今度福岡に行くんだとかペラペラ。ますます怪しい。しかも聞きながら腰のほうに目をやりポケットの位置を確認する目付き。財布かiPhoneでも狙ってるんだろう。
しかし幸いシャツを腰に巻いてたので様子は全く見えない状態。してやったりだ。
適当にあいずち打ちながら歩いていると、美術館に行くのか、そうだろ、実はパスがあるんだがどうだとか言い出す。使えないのを売りつけるか、財布出させて奪うパターンとわかったので、もう相手にせず。持っていたカバンのファスナーにダイヤル錠がかかってるのなんかは噴飯もの。普通の人はそんなことしないって。美術館を通り過ぎ、おいどこ行くんだとの声を背に俺はそこに行くんじゃないと言い捨てて歩く。向こうも諦めたようで追ってこない。一時人通りも少なくなったりしたので強引に襲ってこないか心配だったが、なんとか大丈夫。
向かうは今日しか行くチャンスのないヨーロッパ写真美術館。その近くのスーパーでレッドブルシトラス1.7?ユーロを買って即飲む。
写真美術館はまあ悪くないかという程度で、前回と感想はあまり変わらない。作品が悪いわけではないが僕の嗜好に合わないのだろう。ところでここでも荷物のセキュリティチェックがあり、フランスではこれが標準のようだ。これなら省略してもよかったのだろうが、ピカソに近いからついつい予定に入れてしまった。もし次があるなら、よほど好みの企画でもない限りコースから外してもよさそうだ。
ここでBHVの割引券を置いていたので、ちょうどいいや靴とか見るべしと思って足を向けたら日曜でお休みでした。BHVくらいならやってるかなと軽く思い込んでたのが間違いだった。ほんのちょっと確認すれば済むことを。
空腹を感じながらアルサンピエールへ。乗り換え駅でパレ・ド・トーキョーのチラシを配ってた兄ちゃんにQuickないか聞くがなさそうだった。ぺこぺこ。思えばここで適当に食べるのが安上がりだったのだが、アルサンピエールは街はずれだしそっちのほうが安く食べられるだろと思ってしまった。しかし着いたところがモンマルトルなわけだからバリバリの観光地。安いどころじゃない。アルサンピエールにカフェがあったはずと思って入ってみたが、食事の類はなく、菓子ばかり。だがもう選択肢はない。せめて腹にたまりそうなものを選んだが、カフェごときで9.6ユーロはきつい。
今回はどんな企画かわからなかったが、展示は思った以上によかった。なぜかマンガや風刺画も多くてそのあたりの意図がよくわからなかったが。カタログも欲しかったが39ユーロもするし重すぎであきらめた。この重いっていうのが曲者で、ほんと重いんだ。数キロはあるからね。せめてハードカバーはやめてくれないものだろうか。値段のことだけならいいんだけどさ。
それにしても暑かった。エアコンないのはともかく、鉄屋根で蒸し焼きだからか、監視員さえ暑そう。サーキュレーターもほとんど機能してないし。ほんと暑さとの戦いで、これで作品保護とか大丈夫なんだろうか。
昔の図録などをワゴンセールしていて、1ユーロのシールがあるのをレジに持っていったらおばちゃんにセジュとかなんとか言われ、値札を見せて抗議したらペッと剥がされた。ほかの値札がくっついてただけで、10ユーロだった。仕方なく買う。まあ安すぎるなとは思ったんだよ。10ユーロでも高くはないし。このおばちゃん、カフェも美術館も使わずにトイレだけ入った人を大声で怒鳴りつけたりなにかと怖いひとだった。一緒にいたおじさんのほうは普通なんだけど。で、ここの大充実した書籍売り場、「日本のアールブリュット」は見当たらず。もうワゴンセールで処分されたか。正式な名前を思い出せなかったので在庫がないか聞けなかった。せめて表紙写真でもあればなあ。失敗。
とりあえず帰りのメトロ駅近くにあるクスミティで3つ購入。サービスでブーストというのを飲ませてくれて、疲れがだいぶ吹き飛んだからさすがにブースト。ちなみにその紙コップの柄がまた可愛かったのだが情け容赦なく捨てられた。そりゃまそうだわな。
ホテル戻る。宿帳もなく顔を見ただけでカギを渡される。常連か。まあネット予約の時点で書いてはいるけどさ。
荷ほどきもせず飛び出しポンピドーへ。
着いたのは6時半過ぎ。閉館まで2時間半は厳しいが、明日明後日のためには仕方ない
特別展はスルーの覚悟で近代、現代とまわる。
早足で見て歩くしかなく見た気がしない。3度目だからもちろん既見もあるし、東京含めいくつも行った多数の美術館と比べレベルが特別高いとも思えず、だったら常設から見なくても良かったのでは。あとで特別展の図録見たらよさげだったので尚更悔やむ。特別展をほどほどにしっかり見て、残った時間で常設を現代だけでも見るとかのほうが満足できたかもしれない。この特別展が巡回するか、でなくても同じ人のをまた見る機会があればいいが。
閉館時間になったので出て周辺エリアをぐるりしたが、あるのはレストランばかり。無駄遣いせずガレットの店に人だかりだったのでそこでガレット6.5ユーロ、店前のベンチで食べる。ホームレスなのか酔っぱらいなのか、やや汚れた雰囲気のおじさんに話しかけられる。なに言ってるかさっぱりわからんけど誰かと話したかったんだろう。適当にうんうんと喋る。こういうの、意外とあっさり帰してくれるもので、食べ終わって席を立つとさよならと言われる。
ホテルに戻り、ぐったりしつつ明日の予定を立てる。なにしろもう明日明後日しかないのだ。
レッドブルのせいか寝つきが悪い。
エアコンがないので暑いがウーランドと違って扇風機があるのでなんとか寝れる。それにしても網戸ってものはないのか。