怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

ベルギー3日目

早起きせざるを得ない。睡眠不足。
荷造りしてチェックアウト。ノーチャージだねはいいが、電話のギャランティはどうなってるのと言ったら調べ始めてキャンセルの手続き。ええ加減やな。大丈夫か。何も言わなければ150ユーロ取られたのか。ただ電話が結局無料で済んだのはなによりだが。
荷物を預け、とりあえず朝食をゆっくり摂りたいと思ったが8時過ぎってマクドくらいしか開いてない。結局PANDAというパン屋さんでパンを買い、トラムの乗り場で食べてギスラン美術館へ向かう。郊外行きのトラムを降りてすぐ、門から彼方に建物が建つ広々したつくりで、いかにも西欧の病院っぽい。
元精神病院というのも納得のひっそりした中庭と通路はサナトリウムらしくてこの空気がすでに美術館。
シティカードをチケットに引き換えて、といってもシールだけど、順に見ていく。
ロンブローゾーなど精神病関係の資料などがたくさんで、それはそれで興味深いが、美術館というとちょっと違う。Museeだから博物館でもあるわけで、元々そういうものなんだな。Facing Japanという企画があったり、火事に遭った実家の写真の展示もあったり、割りとなんでもありのようだ。
そして別棟の最後にようやくOutside Kunstの展示室があり、これが素晴らしかった。実に優良なコレクション。扱いとしてはどうも地味だしスペースの割合もたぶん1/5もないくらいだけど、質は高い。
ショップでも、このアールブリュット関連の図録はないしポストカードさえあまりない。残念なことだ。コレクションの図録はないのと聞いたら精神病関連のものを指さされて、そういう認識なのか。
このミュージアムで印象深かったのは監視員の太った赤ら顔のおばさんで、かなり感激していろいろ聞いてきたし教えてくれた。まあ日本人がそう多く訪れないこの街で、ここまで足を延ばす人は珍しいだろう。僕のほかにはほんと1ケタくらいの人しか来てないし、ましてや3時間もかけて熱心に見るなんて稀なのだろうと思う。すごく喜んでくれたが、そうなると感想を語らざるを得ず、なかなか大変です。
思ったより時間がかかり、次のSMAKには公園を抜けて近道しようと思ったら道に迷ったりで大変。
このSMAK、0階の企画は言葉がわからないと完全に無理だったので早めに見切りをつけた。
1階のリリ・ディジュは映像作品がよかった。美術館としては結構大きいんだけど、その空間をぜいたくに使っているので作品点数は少なく、意外と時間はかからなかった。
向かいにあるファインアートへ。
仔羊の修復はなんか作業してるんだかどうだかわからない感じだけど間近で観られた。ほかにアンソールやクノップなど。ひと気のない静かな美術館だ。
もう一度SMAK。一通り見て、リリのポスター聞いたら2ユーロなので買う。ここは片隅で作家の作品販売もしているのが特徴的で、そういうのもアリなんだなと。
思ったより早く終わり、なんとか城へ。チケットを引き換えて順路の最初はわかったがそこからどう行くのかわからない。散々うろうろしてやっと発見。お姉さんがやっとわかったかみたいな顔してニヤニヤして通してくれた。わかりにくすぎるのはなんとかしてくれよとも思うが、腕組みしてニヤニヤには萌えたなあ。
中は武器とかの展示が多く、写真展の開催もあって雰囲気が出ない。まあギロチンや拷問具の実物など見れたのは収穫か。
お昼を食べてないのでそろそろ空腹になったが、日本語ガイドマップに従って歩く。なるほど、さすがはガイドマップで、見落としてた風景が結構ある。自分の好きに歩くのもいいが、ガイドにも時には従ったほうがいい。
だいたい歩いたところでベルフォートに入り夕食。牛肉のビール煮とレッフェというダーク系のビールを頼む。は20+4ユーロ。フリットが大量に付いてくる。ビールの度数も高くて酔いがまわる。
給仕のメガネの女の子は大学生なのか、クレカの番号入れるときもきちんとよそ見してたり、感じよくて知的で品がある。ビール煮はレッフェを使ってるんだよと教えてくれた。
さてもうひと踏ん張りだ。少し省いたがコースの残りを制覇。大砲も見た。赤いな。スーパーに行きベルビューも追加できた。正直ビール+ビールでしんどい。
実はここゲントではゲントジャズフェスティバルの真っ最中で、街のあちこちに特設ステージが設けられ今日も葬送の行列をまねた列が歩いてたりする。面白いんだが、古都を満喫するには邪魔だったのも確か。そして今日はヴァン・モリソンがライブなのだが、その時間はちょうどリールへ移動だ。
ホテルで荷物室の鍵を開けてもらい荷物を取る。初めて見る男性で感じ良いひと。
重い荷物を引きずってトラムへ。コーレンマルクト始発なので幸い座れた。
ゲントでもなにかショッピングをしたかったが、結局時間がなかった。疲れと眠気に負けたというのはある。
駅に到着。寝そう。寝てたかも。
切符、自販機でリールの文字が出ないので国境越えは無理なのかと窓口へ。窓口もこっちは国内だからあっち行けと言われる。十分余裕持って到着したはずが最後は少しやきもきした。
まあでも最終的には買えたし余裕もあり。ベンチに座りずっと持ち歩いてたポスターは横に置いた。
ただ不安なのが同じ列車に二つの行先があることで、これはたぶん途中で切り離しなのだろうと思う。おそらく遠方だろうリール行きは後方かなと思い後方に乗ることにしてみる。社内の電光表示ではリールの文字は出るのだが、それで安心してよいものやら。わからないけど。検札で何も言われなかったのでこのままで大丈夫かとおもったが、しばらくして止まった駅で長々とアナウンスがあり降りるひとも多数。リールという言葉は聞こえたが、それが前方に乗れなのか後方に乗れなのかわからない。
さっきの車掌が何も言わなかったし大丈夫かな、あの時しっかり確認すればよかった、と思いつつ、降りようとしてる黒人の女性に聞いてみるとOKというので大丈夫かなと。それを見て隣の若者が僕に聞いてきたけどお前もか。自分で聞いてくれよ。
実際、少し先で二度目の検札だからたぶんフランス国鉄の検札なんだろうが女性職員が来たとき、少し前の席の客にこの列車はセパレートしたよ列車間違ってるよ、次で降りて引き返しなさいという話してた。危ない危ない。あの人の場合は短区間だけど無賃乗車してたことになるはずだが、それは咎められてなかったのでよくあることなんだろう。
到着。降りてすぐホテルが見える。その前に一応インフォメーションに寄ったけど、地図はなく無駄足だった。リールはこんな遅い時間でも人が多いし店も割と開いてて、お国柄の違いなんだろうが、ベルギーに比べて雰囲気の悪さも実感する。気を引き締めないと。
ホテルはテキパキ無駄口なくビジネス感あってこれはこれでいい。イビスは中途半端だったな。
驚いたのは、エアコンがないこと。この近代的なビルに。部屋もあちこちボロで、まあ安いからね。
そして突然ポスターを思い出した。ない。
車内か、駅か。駅だったら完全にアウトだが、車内なら可能性はあるかも。
とりあえず駅のインフォメーションに聞いたら明日遺失物係りに行けという
でもあんなのごみ扱いされてるよなあ、と思いつつもそれに期待するしかないわけで。損失は2ユーロだが、もう一度買えるものじゃないから悔しい。少なくとも駅までは忘れずに持ってたのに、あの苦労は何だったんだ。まあ確かに飾りはしないとしても、ああいうのは思い出だから。
というか、そもそも車内に持ってったっけ。そこで忘れてる気がする。
ベルギー一日目もリール到着時も失意で、なんかあれだなあ。ひどいなあ。
とはいえ他にできることもない。リールヨーロッパというショッピングセンターに入ってる巨大なカルフールへ行き、とりあえずエビアンを買う。エビアンって昔と味が変わったなと思っていて、日本だけかと思っていたらフランスで買うのも同様だった。レジはセルフ式のがあったのでそれを使ったんだけどエラー出しまくりで係のおばちゃんにうんざりされた。ごめんなさい。