怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

シンプルなかたち展→マグリット展

朝から六本木へ。
六本木ヒルズ森美術館で「シンプルなかたち」展。さすがに平日の午前だけあって人が少ない。少ないといってもよその休日午前くらいはいるから森美術館恐るべしだな。観光客も多いので、いろいろ閉口させられることも多いこの美術館、今回は「スターウォーズ展」の音がガンガン漏れ聞こえるのが酷かった。展示はアグレッシブだし学芸員は頑張ってると思うことが多いのだが、なにしろ運営方針が酷いから気の毒だし自分も嫌い。
このシンプルなかたち展、テーマを決めてそれに合った展示物をまさに世界各地から借りてきた美術展で、ジャンルも所有者も多岐にわたる。これを全部交渉して借りに行ったのかと思うと恐ろしい。そもそも頭に浮かぶ時点で只者ではない。コルビジュが集めた石もあれば円空仏もあり、石器時代のものもあれば現代絵画もある。ともすれば散漫になりがちな企画をうまく束ねて浸らせてくれるのだからたいしたものだ。もちろん観光客向けという側面もあるから、わかりやすすぎて物足りないところもあるが、それにしても。なかで最も惹かれたのがアニッシュ・カプーアの「私が妊娠している時」。これは造形面でも想像力への契機としても素晴らしい作品だった。
いい企画展だけれども二周三周するタイプではないので僕としてはさっくり見終わった。
森美術館はどうやら改装したようで、MAMコレクション001として小沢剛の地蔵と下道基行の鳥居を展示。どちらも何度目かだけど、まあいい作品です。
さらにMAMスクリーン001でビル・ヴィオラ初期映像短編集。映りこむ池などの傑作がずらりで、ぼくはやはり「Anthem」という作品が好き。ノイズを基調とした音造形に不穏なイメージが重なって狂おしい作品だと思う。ビル・ヴィオラを一気に鑑賞できる機会だというのに客の9割はスルー、しっかり見てる客はほとんどいないという惨状が森美術館だなという感じ。
MAMリサーチ001では1960年代のアートとアジテーションとして日本、韓国、台湾のパフォーマンスアートを特集。若く美しいオノ・ヨーコのカット・ピースを見れました。確かにこれは傑作だろうと思う。
満足してバーガーキングで昼食。相変わらず注文がめんどくさくて店員さんに迷惑をかけている。
国立新美術館マグリット展。人が多い。ほんとに平日かよ。土日なんてどういう惨状になってることやら。
初期作品から晩年までを網羅した展示で、有名作品も目白押しなので気持ちはわかる。僕も実物やっと見れたなあ、みたいのがいくつもあったし。
ただ、残念ながら、ルネ・マグリットはそんなに好きではないのだ。悪くないというか、そりゃひとかどの画家だとは思うけれども、いやそこまで。
こうして展覧会に足を運んでもその感想は変わらず。そもそも、絵のタッチがどうとかいうタイプでは全然ないんだから、画集で見るのとそんなに違わないですよね、実際。
物販は大盛況なんだけど、結局マグリットの作品を愛でたいというよりはカワイイグッズの一環として消費されている感がありありで、いやはや。まあいいんですけど。
帰宅してスラックスの補修を使用と思ったらお店が休みでがっかり。