怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

土曜日のひねせん

朝から東京国立近代美術館へ。「高松次郎ミステリーズ」展。高松次郎の作品は各所で相当数を見ているが、高松次郎の制作意図についてはあまりわからないままで、消化しきれないものを感じていた。だから本展もわざわざ行くべきかどうかと思ったのだが、だからこそ行くべきなのだということがわかった。
有名な影のシリーズは一種のだまし絵として作用しているけれども、こうして一連の作品群の中に置いてみると、それが関係性の切り離しと別の意味の付与として表現されたものだとわかる。物体とその影というワンセットが、影だけ提示されることで影としての意味を喪失する、その意味合いがするすると自分のなかで解けていく。点のシリーズも同じで、点が点ではなくなっていくことの意味合いが腑に落ちる。僕のような凡夫には一点一点の作品は片言隻語のようなものでそれだけではわかりにくく、こうしてつるべ撃ちされてやっと理解できたような気がする。
そうした流れの最後にあるのが「ステージ」で、高松次郎のアトリエの広さを模した小高いステージから展示室の作品群が一望できる。さまざまな種類の作品を同時に眺めてこそ高松次郎の意図したことがわかるのだというキュレーターの目論見をうまく表現したものだった。いい展覧会でした。
常設展は何度も見た作品たちを素通りしたが、さすがに日本画は初見ばかり。あとは河原温の初期作品や奈良原一高作品がまとまって見れたのがよかったかな。
帰ってパスタ大盛り。その後夕方にはぜんざい。おいしかった。
夕方から落合soupへ。「ひねせん」の1日目。企画の安藤さんは過去2回の企画でも全身全霊で取り組んでいるひとだが、それが採算のためではないところがすごい人だなといつも思う。今回もチケット代が2日で2000円という格安さだし、チケット代わりのバッジもとても立派ないいものだし、スナック菓子を振る舞ってるしですごい人だなと思う。
最初はてあしくちびる。
2番目がyoji & his ghost band。前回オルグでのライブは2人編成。今回は5人で、フルだと6人のようだ。前回は6人でやりたいことを2人でできるだけやるといった様子があり、未消化でもやもやしたライブだったが、今回はやりたいことがやれている感じだった。かつて一人でやっているときには同じことが一人で存分にできているように思えたのだからおかしなものだけど。Yojiさんの独特の動作も含めてこのバンドの魅力だなと思った。
3番目がウサギバニーボーイ。これが素晴らしかった。グイグイとドライブし引っ張っていくパワーポップさがたまらない。今まで知らなかったことを後悔させられるバンド。
最後がレディメイド・レベル。酔いが回ってとぎれとぎれの記憶になってしまった。
帰り、いつものように弁当を買い込み帰宅。妻はキセルのライブで空腹だったようでコロッケをおいしそうに食べていた。