怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

地獄でなぜ悪い

当然のように寝坊。ぼんやりと朝食。
いつのまにかお昼になり、タイカレーのグリーンチキンを食べる。
午後、ようやく「地獄でなぜ悪い」を見る。終始ハイテンションでスピード感たっぷり、トイレに行くことも忘れてラストまで一気に見た。映画にリアリティは必要ない、もし必要なのだとすればそれは閉館した映画館に詰まった思い出や無駄なことしかしなかった青春時代やバカだバカだと知りつつも恋い焦がれた女に引き寄せられる一瞬やそんなことだ。決してストーリー展開になどではない。
壮絶に駆け抜ける2時間の後に残るのは殴り込みでもなければ血の海でもない。何かを掴みたいという熱い思いが成し遂げられた爽快感と、その思いが達成された虚無感だ。それだけが得られたら、ほかのことなんかどうでもいいのだ。
配役はベストとしか言いようがないし、エンディングに流れ込むあたりは見事な仕掛けをしてくれる。
フィルムを担いで夜の街道を走る監督、廃墟だった映画館に客が詰めかけ、満員御礼の中に流れるタイトルロール、出演者への拍手喝采、そしてまた走る監督。カットの声で撮影が終わり、そして映画の外の映画も終わる。
哀悼を織り交ぜながら悲劇では終わらせずさりとて作り物に逃げることもせず、見事なバランスの余韻が残る。
見に行こうと決めていたのになぜ逃してしまったのか、今更のように悔やまれる映画だった。
見終わった途端妻が帰宅、慌てて買い物へ。
夕食は豚の小判焼き。味が濃いのが難点だがおいしかった。