怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

壊れかけのテープレコーダーズ×HOMMヨスプリットツアーファイナル

朝の電車が空いており、世間が年末休暇なのだと実感する。おかげでいつもの迷惑なおじさんも見ないし電車も定時運行。ありがたいことだ。
とはいえ、そのおかげでお昼の営業をしている店も少なくなっていて、今日は新規開拓も兼ねて素材屋に入ってみた。客はほとんどいない。すき焼き定食を頼んだが、案の定というか塩辛い。今日は選択肢がないから文句は言わない。
夕方、バーガーキングで詰め込んでから吉祥寺へ。GOKサウンドは吉祥寺住宅丸ニビルという古くどっしりとした趣のあるビルの地下にある。昔のビルは柱や壁が太く厚く、なんだか頼りがいがあるような気がしてしまう。雑然とした階段を、ほんとにここなのかと受付まで不安な足取りで下りる心境もなかなかいいものだ。
ここはあくまでもスタジオであってライブハウスではないから、受け付けも本人たちでこなしているしその手作り感も年末らしくていい。パーティだ。
スタジオといっても新宿motionよりも広いくらいで、壊れかけのアルバムが録られた場所に来ることができたのもなんだか感慨深い。
まず小森さんとニイさんによるジャンケン。なんとなくトリを譲りたそうな小森さんと「ハッキリ決めとこう、勝ったほうがトリ」というニイさんの個性が対照的で面白い。小森さんが勝った。
最初はand Young...から。ギター二本の絡み合いは聞きどころなのだけど、どうもリズム部分が受け入れにくい。それでも最初聞いた時よりはだんだん馴染んできている実感もあるのだが、これベースが入ったらどうなるだろうとそんなことを考える。好きな人はこのねじれ感が好きなのだろうから、ベースが入るなんて怖気が走るだろうけど。
次がHOMMヨ。三人とも気合十分で、キクイさんのドラミングがキレキレ。そしてここ何回かはかつてのドライブ感が薄くなっていたワダさんも今日はグイグイきてる。見た感じはいつも同じなのがワダさんの面白いところだ。ニイさんはホーム的な安心感を持ちつつも、負けん気の強さが出た攻めの姿勢。ライブが悪かろうはずがなく、充実にして満足のライブ。たぶんワンマンの時より良かった。
そして壊れかけのテープレコーダーズ。
小森さんは咳き込んだりして風邪ではないんだろうけどライブ続きのハードワークのせいか元気いっぱいというわけではない。ところがギターを抱えてマイクに向かうと熱の塊になるところはもうロックのなにかが降りてきているとしか思えない。
壊れかけのテープレコーダーズはメロディも歌詞もビートもいいんだけど、それらを下地にしつつ何がこのバンドを特別なものにしているかといえばこの小森さんの熱だろう。減をかきむしり叫び跳ぶ小森さんには客だって吠える。遊佐さんのオルガンはダイナミックで、シノさんのクールで熱いベースと44Oさんのテクニカルなドラミング。最高の四人。
最後にアンコールで代表曲の「踊り場からずっと」をやり、アウトロで小森さんは「ロックンロール!」と叫んだ。僕も「ロックンロール!」と叫んだ。ロックンロールの偉人たちは次々に亡くなり、あるいは東京ドームでライブをし、だけど今生きているロックンロールはここにある。GOKサウンドにある。
「よいお年を」と言って、そういえば壊れかけのテープレコーダーズが2014年僕のライブ納めになったのだ。そしてそのライブは最高だったし、そもそもイベントが最高だった。
頻繁にライブには行くが、そのどれもが全肯定できるものではないし躊躇いなく最高と言えるわけではない。だけど2014年最後のライブが間違いなく最高だったことを、僕は幸せに思う。
ありがとう。
そして来年もよろしく。