怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

銀座で映画と美術展

妻のいいつけで朝から銀座へ。やや早くシネスイッチに着きすぎたし、思ったほどお客さんも多くないのでギリギリに来ても見にくくなかったのだが、まあ一応E列の中央に。少し前過ぎて首が痛かった。
「さよなら、アドルフ」は終戦後のドイツで以前と一変し周囲から疎外されるナチス幹部の子供たちをモチーフにしている。という舞台設定はあるのだが、実際に描かれているのは逆転した世界を受け入れることができず、もがき苦しむ主人公の哀しみだ。それが象徴的に描かれているのがユダヤ人として登場するトーマスへの感情であり、途中でナチスの歌を唄う弟とクライマックスで英語の歌を唄うメイドへの嫌悪あふれる瞳だ。憎むべきユダヤ人と思いながらも惹かれる心を否定しきれず、しかし肯定もできないままに失ってしまう悔悟と、ナチスを捨て去りたい気持ちの一方で易々と敵国の歌で踊ることもまた許せないという、矛盾しているようで両立した感情に折り合うことができない彼女はラストであれほど大切にしていたものを踏み砕く。
心に残る映画だが、気になるのはやはりテンポの悪さ。丁寧に感情の襞を拾っているのはいいが、なかなか映画に入り込めない間の悪さがあり、また手持ちカメラも多用しすぎかなと思う。
終了後、資生堂ギャラリーにてシセイドウアートエッグ加納俊輔展。視覚と感覚のズレを意図した作風はなかなか面白いなとは思うけど、僕のスイッチが入る感じではなかったかも。まあ空腹だったし。
最後にメゾン・ド・エルメスでクリスチャン・ボヌフォワ展。珍しく回顧展形式で代表作が年代順に並び、最後に本店のための新作という力の入った構成。アンリ・マティスのフォロアーならではの軽快な作風が自然光に満ちたスペースにぴったりで、見ていて気持ちがいい。これ、閉鎖的な美術館で見たらだいぶ印象が違うはず。どの作品がどうというのではなく、展示された空間に魅力を感じる。なかなか見ごたえがありました。
移動中、都知事選候補者の宇都宮健児田母神俊雄を見かける。宇都宮は人だかり、田母神はデヴィ夫人も一緒なのに閑散。ていうかデヴィ夫人の応援って意味あるのか。
四谷三丁目のバーガーキングで遅い昼食。空腹だと思っていたが食べ終わると満腹になってしまった。
徒歩で新宿へ。汗ばむくらいの陽気。もう少し薄着で出ればよかった。
ビックカメラとヨドバシで掃除機を検分。どれも一長一短で決めきれないが、店員に寄ってこられると困る。買う気はあるけどそう簡単には決められないのです。
予定より遅めに帰宅したらまた妻がぐちぐち言い始めた。知らんがな。