怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

DOMANI・明日

起きてごそごそして、国立新美術館へ。乗り換えの国会議事堂前駅はずっと工事をしているのだが、いつも人が少ない割にホームは長く、カーブしているので見通しも悪いのが気に入っている。そして今日はどこからかちょろちょろと水音がする。地下水だろうか。それとも配管から漏れているのか。昔パリの地下鉄で、どこからかコオロギの声が聞こえてきたことがある。たしかホームが土だったかなと思うが、記憶は定かではない。そういう小さなことが旅行の記憶なんだろうと思う。
国立新美術館の「DOMANI・明日」展。まだ若い作家たち、といっても去年は塩田千春さんも出ていたわけだから幅はあるとしても、これからの作家が多いこの企画。今回は正直なところ小粒な印象。面白かったのは川上りえ、吉本直子あたり。川上りえはまさに僕好みなインスタレーションだったので、作品として良いといっていいのかどうか。吉本直子は遺品めいた不気味さもありながら静謐さもあり、彼世という異世界を一瞬垣間見せてくれる作品で、今回最も印象に残った。ほかは大栗恵さんも視点設定がよかったかな。で、ほかは初見再見含めてさほど印象に残らず。
建築家部門は意外に面白く魅せるものがあり、じっくり見て回った。
最終日のせいかお客さんもまずまず多く、子供が大野さんの作品をベリベリひっぱがしてるのを止めようともしない(正確には周囲へのエクスキューズとして機械的に注意するような文言を発しているだけで、やめさせるための努力を全くしていない)キチガイ母もいた。親の責任を全く果たそうとしない姿を人に見られて恥ずかしくないのかな。
思ったより早めに新宿に戻り、SHIPSでウールパンツの受け取り。
帰宅するとちょうど妻と入れ違いだった。餅を焼いて食す。
夕方、妻とパティスリー・ルミューでケーキ2点と黒ゴマのシュークリームを買う。
夕食後に食べたのだが、まず黒ゴマのシュークリームはクリームとシューが全く合っておらず、そもそもクリームも粘度が高すぎる。試作品程度の出来栄え。ケーキも二十年前ならいざしらず、現代では凡庸としか言えない。日常的に食べるにはこの程度でもよいが、多少期待して食べるには不向きと思う。何度食べてもこの程度の感想にしかならないのだからやはりそれが結論だろう。某サイトなどでは名店だのなんだのと過剰に評価されているが、期待していくとがっかりするのでは。あるいは他人が褒めているとおいしく感じてしまうかもしれないが。
夕食はお待ちかねのカキ。本当は生でたくさん食べたいところだが、当たった場合のことを考えるとそうもいかないので酢牡蠣と焼牡蠣で。どちらもおいしかった。やはり牡蠣は殻つきに限るなあ。
二人で「TED」を見る。この手のコメディーを見ると、セリフをしばしば日本のものごとに置き換えているのに遭遇する。たとえばくまモンとかガチャピンとか星一徹とか。笑えない。醒める。
ギャグを日本人にわかりやすくするために置き換えたのだという意図はわかる。しかしその結果が興ざめでは置き換える意味がない。無味乾燥な直訳のほうがまだマシではないか。映画関係者ってほんとバカだな。
夜、なぜかなかなか寝付けず。ごくたまにこういうことがある。