怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

早めに起きてばたばたと準備。
母のぜんざいを食べ、父の車で駅へ。父とは特に話すことはなく、終始無言。
お礼を言って駅に、だがせっかくなので踵を返して藤田方面へ歩く。昔は人文堂書店とかなにかそういう名前だった古本屋が檸檬という名になっていた。この古本屋が商店街に支店を出した時の名前が檸檬だったので、本格的に改めたということなのだろう。店番は若い男の人がやっており、以前ここにいた老主人と檸檬にいた老婦人は引退したということだろうか。僕が高校生くらいの時にすでにいいお歳だったから、まあ無理もない。
お店はずいぶん様子が変わり、たくさんの本が並んでいる。以前はもっとがらんとしていたような気がするが、支店からの流れによるのだろう。黒崎のことだからピカピカとはいかないが、それでもずいぶん頑張った品が並んでいる。せっかくだから少なくとも一冊くらいは、と思っていたところ、澁澤龍彦の文庫本が二冊あったので購入。価格も悪くない。若いご主人にご挨拶。ご主人は亡くなられたそうだ。
店のある商店街は、アーケードが取り払われ建物も歯抜けになり、もはやもう商店街ではない。街とも言い難い。でもそんな中で再生していくには、こうしたお店が頑張らないといけないし、それには僕みたいな外に出た人間が少しだけでもできることをするしかない。そんなことを考えた。
もう一軒、この近くにある藤井書店は以前から印象が薄かったからもう無くなっているのではないかと思ったらこちらも営業中。この時間はまだ店を開けてなかったが、続いていたことに少し驚いた。昔はそのまた近くにもう一軒、小さな古本屋があって老齢の気難しげなご主人が咳きこみながら店番をしていたのだが、僕が大学生の時に亡くなられてしまい、奥さんが悲しげに店じまいをしていたのを今もよく覚えている。
商店街はまだ正月の余韻なのか朝方だからなのか、閉まっている店も多い。しかし新しい店も散見されるし、営業中のお店もたくさんある。人の流れが変わってしまったから難しくはなっているんだろうけど、なんとか踏みとどまっているように見えた。
JRに乗り込み、下関へ。
下関駅はがらりと変わっていた。昔は本州の終着駅として威厳のある贅沢な佇まいだったのだが、今はこじんまりと、そしてテナントを入れて収益重視に変わっている。いいことなんだろう。だが、ただでさえ苦しい地方の商店は、駅ビルに客を取られるとますます苦しくなる。それよりは昔のままに、下関の顔としてあり続けてほしかった。
迎えに来た妻と話しながら妻の実家へ。ご挨拶して、昼食はぜんざい。なにしろいろいろ出されるので胃が苦しい。
読書などしながら夕食を迎え、カキフライなどを食べる。知人が釣ったというタコの刺身が美味。おいしかった。カキフライは、なにせ冷凍されていたのでやや干からび気味なのだが、好物だから文句は言わない。
早めに就寝。