怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

アンリ・ルソーから始まる素朴派とアウトサイダーズの世界展

お休み。
朝から出かけるつもりだったが、生憎の雨なので仕方なく午前中はうだうだ。
お昼は例によってタイカレー。
晴れてきたので自転車で世田谷美術館へ。道すがら、今は実家のあたりですら減ってきた木々に囲まれた百姓家のようなものも散見される。秋の冷えた空気が心地いい。アップダウンは少なく、なんとか40分ほどで到着。時間でいえばバスよりずっと早い。
美術館手前の芝生に猫が一匹おり、その窪んだ場所が心地いいのか、ずっとそこから離れずに体をすりつけたりあくびをしたりしていた。可愛いなあ。
今日はもうじき終了する「アンリ・ルソーから始まる素朴派とアウトサイダーズの世界」展。ここはまさにタイトル通りのコレクション方針を持っているのだそうだが、正直いって素朴派とアウトサイダーアートは全然違う。ただ実際に展示を見ていくと、その断絶が気になりにくいように構成されていて、そこは工夫しているんだなと思う。それでもバスキアは違うだろうと思うし、草間彌生も違うと思うけど、まあ作品自体はいいから別にいいのか。
僕は素朴派にはそんなに興味はないからアール・ブリュットに絞られる。初見の画家ではピエトロ・ギッザルディが興味深かった。ロマの女と伯爵夫人という正反対の対象を描きながら、仕上がりは実によく似ている。彼はその表層の違いには大きな関心がなく、彼にとってそのふたりは大した違いもない存在でしかなかったことが知れる。力強く、女性らしさなどろくに見えない女性像はまさにアール・ブリュットならではのものだろう。
ビル・トレイラーはどこかで見た覚えがあるが、実際に見た光景を描いていると思われるにもかかわらず、むしろ無自覚な暗喩に富む作品は独特の面白味がある。
久永強も以前に見たことがあるが、現実の重さが絵に力を与えている好例。マックス・エルンストの「ヤヌス」像は禍々しさが見える好作。
アール・ブリュットのコーナーでは初見の作家も数名あったが、これはと思うほどには至らず。
充実した展示で大満足でした。図録は1200円と安いのはありがたいが、あまりに小さくて作品がポストカード以下のサイズではそそられない。
コレクション展は近年の寄贈作を中心に、作品にまつわる物語を含めての展示。特別展がまさにそのストーリー性が重視される作品展だから、うまく考えたものである。特にこれというものはないが、楽しく鑑賞できた。
およそ3時間弱の鑑賞で、帰りを急ごうとしたらブックオフを見つけてしまい、さらに遅くなってしまった。しかも戦利品はなし。
帰りは違うルートを走ったが、仙川の細い道に入ってしまい、あれはちょっとしんどい。走る楽しみがないので、次回は避けようと思う。
帰宅して急いで夕食の支度。ほうれん草のおひたしと手羽中の甘辛焼きと南瓜の煮付け。例によって薄味だがまあまあかな。甘辛焼きは妻に言われて水を足したが、水を入れない方が明らかに良かったと思う。
リフレッシュできた。よかった。