怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

アンダーグラウンド再見

台風とのことで特に外出はせず、お昼もざるそばに。
しかし午後になっても特に問題はなく、妻は球場にお出かけしたので僕も美術館に行こうかと思ったが、その時間帯にまた降り出した。もう降らないと思い込んでいたせいか傘を持っていなかったし、気分も正直美術鑑賞とはほど遠かったのでさっさと帰宅。
帰って、晩ご飯はいなばのトムヤムクンと決め、録画しておいた「アンダーグラウンド」を見る。前半の奔放な展開から中盤、そして素晴らしいのが終盤。井戸に飛び込んだ花嫁、初めて入った川で父に支えられてはしゃいでいたのにその父が戦いの本能にかまけている間に沈む花婿、ふたりが水中で邂逅する場面。オランウータンを追った弟は収容されていた精神病院を出て地下通路から祖国に戻る。マルコは相変わらず腹黒い武器商人だが弟に打ちすえられ、ナタリアとともに射殺され、火だるまで逆さの磔刑像の周りをまわる。弟はかつてのように首を吊り、教会の鐘が打ち鳴らされる。クロは井戸に入り、そして懐かしい仲間たちと出会い、死者たちはパーティで大騒ぎしながら土地が別れ流れゆく。そして名セリフ、「昔、あるところに国があった」。
どれをとってもイマジネイティブで裁きと赦しと慈愛にあふれ、過去と未来がある。そう、これはまさに映画で表現された神話ではないか。
日本公開時に見てから18年ほどぶりだけれど、感想は当時と全く変わらない。何が泣けるのか自分でも説明できないのに、涙が出る。素晴らしい映画だった。